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SONI Entre Camp 2024 開催レポート

2025年2月1日~3日に、地域おこしワークショップ『SONI Entre Camp 2024』を開催しました。

今回もちょっとした制作秘話も含めて、全体を報告させていただきます。

<SONI Entre Campとは?>

熱量高く、地域と事業視点で関わる都市部の社会人や意欲ある大学生を増やしたい!

そういった思いで、曽爾村役場と(一社)SONI SUMMITが、2022年に立ち上げたプロジェクト。

『SONI Entre Camp』

曽爾高原をはじめ、年間約50万人が訪れる地域資源にあふれる奈良県曽爾村で、2泊3日の合宿を行い、村内事業者や役場職員との交わりの中から、稼げるアイデアを産み出すプログラムです。

イベント概要はコチラをご覧ください。

<テーマ設定>

前回は、村の主要産業である観光分野と農業分野を検討テーマとして、一本釣り的に村内事業者にお声がけをさせていただいたのですが、今回からは村内事業者を広く募って、一緒に考えたいテーマをその事業者に出していただく方針となりました。

村内に事業者を公募するフライヤーを配って、事前に企画説明会を開催したうえで、最終的にその企画に賛同してくださる事業者さんから正式な申込を受け付ける、そんな流れで協働していただく村内事業者が決まりました。

その後、村内事業者のみなさんとともにテーマを設定する会議を1~2か月にわたって続け、3つのテーマで開催しよう、という話となったのですが、その後の台風の影響で村内事業者や参加者の方の参加辞退があり、結果として以下の1テーマで開催することになりました。


魅力ある"新"返礼品の開発

~これまでの発想に囚われない新しいタイプの返礼品を考案したい!~


曽爾村からふるさと納税関連業務を請け負っている(一財)曽爾村観光振興公社が協働する村内事業者となり、その職員が一緒に検討を進める形でワークショップを開催しました。

<ご参加いただいた方>

当初は9名の方に参加をいただく予定だったのですが、台風の影響で延期となり、その後はなかなかみなさんのご都合が合わず、最終的には1チーム3名の方にご参加いただきました。

参加メンバーの構成としては、前回からのリピーターが2名、そして、リピーターからの紹介が1名、と昨年に続いて関係人口の輪の拡がりを感じるメンバー構成となりました。

年齢的には20代から40代までさまざまで、全員が関東からの参加となり、毎度長い時間をかけて曽爾村にいらっしゃっていただけることが本当にありがたい限りです!

さて、それではどのようなイベントになったのか、少しだけご紹介させていただきますね。

<事前Web会議>

開催1週間前ほどに、参加者の顔合わせと、1日目に予定しているツアーの旅程(案)について、参加者の意見を取り入れた内容とするためにWeb会議を開催しました。

そして、Web会議の場ではドンドンと意見が出て、いい感じのツアー旅程がすぐに決まってしまいました(笑)それからは訪問先へのアポどりを進めていったのですが、訪問先のみなさんが快く受けてくださって、本当にうれしかったです。

そして、いよいよアントレキャンプ初日を迎えました。

<1日目:「知る」>

今回の〈曽爾村を知るツアー〉は事前Web会議での「最近移住してきた方や村でずっと生活してきたおじいちゃん・おばあちゃんの話を聞きながら、みなさんが村で作っておられる産品を見てみたい」という声をもとに、村内でいろんな事業に携わっておられる村人に会いに行き、最後には村のアイコンである曽爾高原を巡るツアーとなりました。 

<訪問先>

漆工房 ねんりん舎

曽爾村と漆の関係はね、、、

むらのパン もりたに

パンを焼くのに、ごっそり薪を使うんですよ!

ウィスキー工場 神息酒造

一つの樽に詰めるための原酒をつくるのに、この蒸留器を何度か動かす必要があるんです


<2日目:「考える」>

 本来であれば、1日目にインプットした情報を共有することから始まる2日目ですが、今回は、参加者の「おじいちゃん・おばあちゃんの話を聞いてみたい」という希望もあって、1日目に訪問しきれなかった麹造りの現場(あゆみ会)にお邪魔させていただきました。

朝と夕方の二回混ぜないとダメなのよ。でも私たち平均年齢20歳で若いから大丈夫!(笑)

 そして、会場に戻ってきてからは、いつものように「あーでもない、こーでもない」という声が聞こえてきて、みるみるうちにホワイトボードが真っ黒に埋まっていきます。

あーでもない、こーでもない
アイデアを書いては、議論して、そしてまた書いて

 夕方からの中間発表では、今回は1チームということもあって、主催者側のメンバーそれぞれから意見や質問を投げかける方式でブラッシュアップを進めました。

なんとも楽しそう!

 「いろいろと村内を巡っていただいた中で、非常に良いところに目をつけていらっしゃると思います!」

 「その事業を実際にやろうとすると、県や村のとうまく折り合いをつけていかないといけなさそうですが、どのようにクリアしていくといいんでしょうね?」

というコメントが出てきたりして、はやくも、これは良い最終発表になっていきそうだぞ、という予感しかしない、良い中間発表となりました。


<温泉タイム・そして検討の深化へ>

中間発表を終え、すこし一休み。

これまでの参加者からも、「あれが良かった!」と好評をいただいた温泉タイムを今回は旅程に組み入れ、曽爾村一押しスポットの「お亀の湯」でリフレッシュしていただき、その後夕食を取っていただく休憩タイム。やっぱり曽爾村を楽しんでもらうことが一番大事。

そのあと、会場に戻ってちょっとした飲み会が始まるのかな、と想定していたら、またまだディスカッションが始まる展開に。

実のところ、私(菊原)は9時くらいに会場からおいとまさせてもらったのですが、今回、チームのみなさんが会場を後にしたのは、なんと日付が変わった午前2時でした(笑)。

いままでの記録をさらに2時間塗り替える真面目ぶり。

みなさん、ちょっと頑張り過ぎじゃないですか!?(笑)


<3日目:「行動する」>

3日目のプラン提出期限は、お昼の1時。みなさん、昨夜は深夜まで議論して疲れていて、結構スロースタート(笑)

ゆっくり立ち上がる。そしてまたディスカッションがはじまっていく

ただ、ちょっと時間が経ってくると、また「あーでもない、こーでもない」が聞こえてきて、ホワイトボードがどんどん塗り替えられていきます。

そして、11時くらいになって、発表プランの方針が固まったんでしょうか。

みんな黙って、真剣に資料に没頭。その後の1時間でプレゼン資料をまとめてしまうんですから、すごいものです。 

<最終発表>

発表会場の曽爾村地域総合センターに場所を移して、曽爾村の副村長、企画課長へのプレゼンテーションが始まりました。

ぬるべの郷 再生プロジェクト

いろんなアイデアが出ましたが、最終的にこの一本に絞ってプレゼンテーション


塗師発祥の地で「ぬるべの郷」を再興すべく、これまでの漆の植樹のみならず、塗師を育て、輩出していく村になっていってはどうか、という提案。

例えば、能登の震災で工房に困った塗師のみなさんに場所を提供し、集まった塗師による漆商品をふるさと納税返礼品の村イチオシ商品として打ち出す、などは面白いのではないか。

また、植樹には拘らないとしても曽爾産漆を長期的に育成するための最終ゴールを設定(例えば、奈良県内の国宝仏像/寺院の補修、曽爾村内寺院の補修、獅子頭の補修)することで、植樹の意義をさらに明確化していくことが必要、との提言内容でした。

その後は、主催者側のメンバーそれぞれからのコメントとともに、副村長が好意的かつ手厚いフィードバックをされて、参加者からは後日「発表のあともゆっくりフィードバックが得られたことで良かった。少しでも役に立てるというのが一番嬉しいことなので。」との声をいただきました。

土肥副村長から今回のお礼のお言葉とフィードバック


みなさん、お疲れさまでした~

2泊3日のワークショップでしたが、今回検討されたプランは新しい視点にあふれた魅力的な内容でした。

そして、その後に回答していただいたアンケートでも、「また次回も参加してみたい」という声とともに、なんと「今回はパーフェクトだったと思います。複数の見学先が一見無関係なようで、すべてのエッセンスがヒントをくれたのが、素晴らしかった。移動が少ない小さな村だからこそできる企画だと思います。」というお褒めの言葉をいただき、これまでの準備の疲れがその言葉で一気に吹っ飛びました(笑)

次回の開催は、(台風がなければ(笑)、おそらく)半年後!

どのような方がいらっしゃって、どのように曽爾を感じ、そしてどのような提案をしていただけるのか、次の楽しみですね~

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