ふるさとの風景
かつての田畑は
家に変わり、
かつての工場は
コンビニとなった。
細い畦道も広くなり
各所で工事が進んでいる。
幼き頃に何千と飛んでいた赤とんぼはもういない。
今はただ風が吹き抜ける。
それでも残るものがある。
亀が歩き、ドジョウや鯉が泳ぐ川。
それを眺める散歩のご老人に
ヘルメットを被った中学生。
次に私が帰ってくる頃に
何が変化していよう。
都市は人に生かされる。
人が居なければただの野だ。
だが、田畑を潰し家を建て
そこにあったものを殺すのもまた
考えものである。
ふるさとは変わり行く。
常に変化していよう。
それが人のすむ土地
人のすむ都市。
我がふるさとはどこへ行く。