結びイブキ

朝もやの肥中漁港から
古寺にそびえるイブキを眺める。
複雑に入り組み、
古い漁港を見守っている。

私は祖父の家から、朝の木、昼の木、夜の木を
優しさを感じながら、涼しさを得ながら、
時に威圧を感じ
幼き私は古寺のイブキを眺めていた。

イブキは見ていただろうか。ーー私は漁港の小さな人間。
イブキは知っているだろうか。ーーここがどこであっても。

あのイブキはこれからどれだけの
小さきものたちを見守ってくれるだろう。
確認をする術は私にはもう、ない。

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