weekly review 2024/09/09~15: 新店舗構想、生産性問題への取り組みと付加価値革新
今週はピザ屋新店舗2店舗オープンに向けた準備、今の店舗のが抱える生産性問題への取り組み&不足している付加価値をどうやって補うかについて考えた。写真は今作っている2Brothers Pizzaのビックリマンシールキャラクター。
新規出店店舗構想
<新規出店構想1:フードコート>
来年の3月、神戸市須磨区にある須磨パティオという商業施設が、神戸市が同施設のマジョリティの経営権を取得する形でリニューアルする。その一環で新たにフードコートが新設される。市から声がかかり、そこに出店することが決まっている。
今のお店をオープンする時、知り合いの紹介でデザイナーにお願いをしたけれど、出てきたデザインレベルや締め切りやコミュニケーションする時のプロ意識の低さに愕然として、結局全て自分でデザイン、買い付けをして、仕上げだけを工務店にやってもらう形をとった。
今回の新しいお店も自分でデザインをすることにした。今回の出店で成し遂げたいことは、ピザ外食ファストフードのメジャー化に向けた土台作り。日本ではピザのデリバリーファストフードはあっても外食のファストフードはない。
コンセプトはピザ版のFIVE GUYS (ワンランク上のアメリカハンバーガーチェーン)。FIVE GUYSが醸し出すアメリカンな雰囲気を最大限取り入れたいと思った。安売りのバーガーではなく、一つ一つ手作り(ここのパティは鉄板で生のものを一つ一つ焼く&ポテトもじゃがいもから切って作っている)であるところも参考にしたいと思った。今の店舗は照明から何から全てヴィンテージ、アンティークのものを集めて雰囲気を出している。これは若い世代には受けが良い反面、年配の方やファミリー層のハードルを高くしていることがアンケートでわかっている。今回はマクドナルドのようなポップさもありつつ、FIVE GUYSが上陸したら醸し出すであろうアメリカらしさと、手作り感を感じさせるものにしたいと思った。
フードコートで何十年も一人勝ちを続けている丸亀製麺も参考にしている。生地は小麦粉から店内仕込み。それがお客さんに伝わるように職人が生地を作る過程が見えるような配置にする。
メニューはピザに加えて、フライドポテトの提供を始める。スライスピザ、ポテト、ドリンクセット590〜690円を全面に押し出して、ランチ、ディナーとして使ってもらうことを想定してメニューを作り込んでいく(今のお店では、ピザを単品売りしていることから、スナックにちょうどいんですよね〜というようなお声をいただくが、そこからの脱却をはかりたい)。
今回新しいお店をやるにあたって、かつ屋、モスバーガーなどの内装デザインをやっている大西良典さんにコンサルティングに入ってもらうことにした。チェーン店が得意な方からフードコートでの戦い方についてインサイトをもらいながら進めたかった。
彼から現時点で受けているアドバイスで実行しようと思っていること。まず一つ目はファミリー層の獲得のために、お母さんと、子供がシェアできるセットメニューを考案すること。年配の方が年金で繰り返し食べられるような価格帯と内容のセットメニューを考案すること。
アドバイスを受けてないけれど、、惣菜としてテイクアウトを促進する仕掛け(ファサード、メニュー構成)を作っていくことも絶対に力を入れたい。持ち帰り客も獲得できなければ、セットメニューがうまく行っても大勝ちすることはない、クリティカルな部分だと思っている。
<新規出店構想2:世界で勝負する JAPANESEAMERICAN PIZZA>
神戸阪急阪神三宮駅から春日野道の間の線路高架下の物件で、地産地消の JAPANESEAMERICAN PIZZAをコンセプトにしたお店を挑戦してみようと思っている。チーズは六甲牧場の牛乳を使ったモッツァレラを一から自分たちで作り、全てのピザのベースにする。
お店のスタイルは、今のような半立ち食いイートイン&テイクダウトではなく、店舗で座ってしっかりランチとディナーを食べる形でやろうと思っている。
ピザの大きさもニューヨークスタイルではなく、ナポリピザくらいの一人前サイズを考えている。価格帯は1000円、1500円、2000円と松竹梅くらいを目指したい。
内装は、神戸開港時、外国人が作った異人館のような雰囲気を出すために、赤いレンガ調の内外装を考えている。
上にのせるトッピングもベーシックなアメリカンピザ2割、残りの8割は日本の食材を使ったメニューで展開していきたい。特に地の食材、地元の小麦から生地を作り、魚介は、淡路島のウニ、鮑、シラス、明石の鯛、たこ、肉は但馬牛、神戸牛、神戸豚など、地産地消をテーマにやっていきたい。
参考にしているのは、アメリカフェニックスにある、pizzeria bianco。ここはニューヨークブルックリンでイタリア移民家庭で生まれ育ったビアンコ氏が作ったお店。ビアンコ氏はNYでもピザ屋で働いていた。アメリカではピザの本場であるニューヨークではなく、あてもなくフェニックスに移り住み、シェフとしての腕を上げ、地産地消にこだわった同店をオープンした。Netflixで彼にフォーカスしたドキュメンタリーの中で「if you put the shit in the oven, you get the shit out(釜にクソみたいな食材を入れたらどんなに腕があってもクソみたいなものしか釜から出てこない)」と語っている。というくらい、彼は食材にとことんこだわり、リーズナブルな価格で、創作ピザを提供している。自分もこれに習ったスタイルのピザ屋を一つやってみたいと思った。
生産性問題への取り組みと付加価値革新
<生産性問題への取り組み>
飲食店を始めて、知ったFL(food (原価)& labor(人件費))比率。今人件費率を25%にすることに取り組んでいる。
正直、平日お店は一人で十分まわるので、そこの人員をカットすれば25%は一瞬で達成する。ただ、それでお客さまへの提供スピード、接客の質が部分的にでも低下するのであれば、店都合のわがままでだと思う。これを解決するためにセミセルフレジを導入することを決めた。セブンで使われているようなものがしっかり導入できれば、提供スピード、接客の質を落とさずにやれる一助となる。加えて、在庫確認発注作業の自動化に向けて、ECの方の事業でずっと手伝ってもらっているエンジニアに声をかけて、フローチャート的なものを作り、おそらく自動化できるだろうという見通しだ立った。
もう一つ、人件費率を25%にする方法として、売り上げを上げる手法、自社デリバリーの準備が本格的に整った。UBERで走り回っているドライバー20人に声をかけ、LINEグループを作成。注文が入ったらグループラインに配達依頼を出す体制を構築した。あとはビラ配りを行うのみ。もしこれで大きな売り上げ貢献があれば、上の自動化と同時進行で行えばほぼ確実に達成できる見通しが立ってきた。
<付加価値革新>
上の人件費率25%を実現できたタイミングで新たな付加価値創出にその分の5%〜を投資に回そうと思っている。
まず、ピザ箱代の完全無料化。これは多くのお客様が嫌がり続けてきたもの。うちのピザを持ち帰りする際、箱大を100円もらっていて、これが持ち帰りのハードルを引き上げていると同時に「箱に金かかるのか!」という、リピート率向上の足枷になっているものを撲滅しようと思っている。
次にクレジットカード決済の導入。これは説明するまでもない。
最後に、ピザにかかる原材料の全体的な品質を上げること。ピザ生地の見直し、チーズは手作り、地産地消メニューの増加など、浮いたコストは全て投資に回す。