週末レビュー1月19日:サントリーから見る30代世代の意識の変化、癌の疑い、飲食マーケティングの大切さ、魚がし福ちゃん

まず、13日にサントリーの国際支援チームの方と会ったのでその話。16日ニューヨークに戻る予定だったにも関わらず、出発当日に血尿が出て、出発が延期になってしまった話。次に今週、自分が神戸で経営している海鮮丼屋のマーケティングを友人に依頼した話。最後に自分が一押しの渋谷にある魚を提供する居酒屋の話。

サントリーから見る30代世代の意識の変化

自分がニューヨークで始めようとしているスタートアップの提携企業となって頂くべく、サントリーの方と会って食事する機会があった。提携の話は比較的順調に行きそうだ。今日話したいのはそこに出席していた若手営業社員の方について。自分と年齢も近く、改めて、日本のサラリーマンのマインドって変わってきているなと感じた。超人気企業であるサントリーであっても、やはり仕事ができる人たちはどこか息苦しさを感じているような口調だった。また、客観的に見ると、せっかくのタレントの力を引き出せていないと感じた。自分が最近まで勉強していたコロンビアビジネススクールでは、投資銀行やコンサル出身の人が多いことも背景にあると思うが、事業会社出身の人も含め、多くの人が、自分のことを会社に能力を提供して対価を得る個人事業主のような立ち位置でいる。少なくとも彼らのキャリアに対する考え方などを聞くとそんな感じだ。日本の投資銀行、コンサルに勤める人も同様の意識を持っていると思うが、彼らはほんっとうのマイノリティなので別で考える。日本の多くのトップタレントは古臭い日本の社会の序列やルールにうんざりしながらも、古くからのブランドから離れられないジレンマを感じているんだろうなと思った。おそらく時間の問題だと思うが、彼らのフラストレーションがいずれ何らかの形でサラリーマン社会に変化をもたらすと思う。自分もそのフラストレーションの変化をもたらしている一人だと思う(僕も元々は会社にずっと勤めるつもりだったのに辞めたので)。ただ、日本の場合、フランスで年金問題に対して、デモ行われているみたいに目に見えて訴えを起こすみたいなことはなく、少しずつ、いびつに変わっていくんじゃないだろうか。それは間違いなく自分が生きているうちに起こるだろうし、どういう社会になるのか、見てみたい好奇心もあるので、ある意味楽しみにその変化を待っている。

癌の疑い

ニューヨークに出発する朝、突然血尿がでた。少量だったが、人生で初めてだったので、急いで病院に行ったところ精密検査が必要だと言われた。超音波で見ても石が見当たらないのに出血があるのは腫瘍の可能性があるとのことだった。というわけで内視鏡とCTの検査を翌日受けることに。フライトは一週間ずらすことにした。

結果何もなかった。正直大したことにはならないことを予想していたが、もし癌だったらどうするか、考える良い機会になった。自分の周りに癌と診断された親しい人もいるので、癌を申告された時の落ち込みというのは尋常じゃないことは理解しているつもりだ。ただ、結構しょうがなく思えたし、全く後悔がなかった。今自分は社会人同期の中では客観的に見ると負けの部類に入るが、自分が今までやってきた事、今チャレンジしている事、全てに置いて、死ぬことを前提に考えてやっているので、こうすればよかった。。。みたいなのは浮かんでこなかった。

僕がそう考えるようになったのはスティーブ・ジョブズがスタンフォードの卒業commencementで語ったスピーチを聞いてからだ。"Remembering I will be dead soon is the most important tool I’ve ever encountered to help me make the big choices in life. Because everything – all external expectation, all pride, all fear of embarrassment or failure – these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important."

"Your time is limited so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma – which is living with the result of other people’s thinking. Don’t let the noise of other’s opinions drown out your own inner voice, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary."

ちょっとこのスピーチの正確な和訳は後でもし気が向いたらするとして。簡単に言うと、ここで言っているのは、死を意識した瞬間、自分が必死になって気にしている恥だったり、失敗に対する恐れだったり、そんなものは全てなくなる。それがなくなった時、本当に重要なものだけが見えてくる。

人生の時間は本当に限られているので、他人のお城を建てる事に時間を使わず、自分の直感や心に耳を傾けて、行動して、後悔なく生きようと。そういうことを言っている。自分はものすごく共感していて、今もこのことを毎日意識していきれていると自信を持って言える。

だからなのか、精密検査を受けて結果を待っていた時も不思議と怖くない自分がいた。もちろん実際に知ったら、抜け殻のようになるのだろうけれど。

飲食マーケティングの大切さ

僕は2年前から神戸の中央市場で海鮮丼店を営んでいる。これは両親が始めた海鮮丼店と居酒屋の信用のバックアップとサポートを得て、神戸市から場所を借りて行なっているお店だ。市から借りられるので家賃の好条件と、両親のチェーンが持つ仕入れのサポートによって、ものすごく良い品を安い値段で提供できている。単価は高いけれども原価が平均50%以上かかっている、普通の飲食店では絶対にできない原価設定である。

店舗リンク:https://goo.gl/maps/kj9y8tFo5BHrzGBx5

お店は全部自分で手作りで建てたので、全くお金がかかっていない。その甲斐あって、2ヶ月で投資回収をし、わずかな利益だが、以来、2年近く黒字を継続している。

少し利益も溜まったので、広告をかけようと思ったが、広告なんて継続的に価値を提供するものではないので、その前にマーケティングの根幹になるものを考えることが先だと考えた。

自分では考えられないので、友人でマーケティングに精通している人に時給2万円、5時間の仕事をお願いした。結果、ものすごく良いアイディアをたくさんもらうことができた。広告は集客においてものすごく重要な活動である。ただ、自分の商品やマーケティング戦略の全体像が出来上がってない状態で集客をするのは結構な無駄金になる可能性が高い。飲食店のマーケティングは日米問わずかなりずさんに行われているというのが最近飲食業に関わる仕事を始めて思っている事。飲食店のIT化が遅れていると言う話ばかり注目されるが、まだあまり話題にあがっていないマーケティングが全くできていない問題も深刻だと思う。逆にいうと誰もやってないので、こっちが真剣にやれば、かなり良い結果を得られるという事になる。特に地元神戸のような田舎でマーケティング戦略を持って飲食店経営をやっていけば、かなり楽勝なんじゃないか。と友人からのアドバイスを受けて感じた。

魚がし福ちゃん

僕の実家は魚を扱う飲食店を神戸大阪で十数店舗経営していて、魚の仕入れを手伝っていたこともあり、僕は魚には結構詳しい方だと思う。そういうこともあって、2008年に東京に初めてきて以来、本当に魚が美味しいと思う店に出会うことがなかった。正確に言うと、関西風に魚を出してくれるところが少ないと言うべきなのかもしれない。東京は基本魚の旨みを引き出すために魚を寝かせる(熟成させる)。なので今まで高級寿司店や和食屋で魚だけを出してもらったりしても、あまり美味しいと感じなかった(通常の魚通の人はもちろん美味しいと感じると思います)。

何が自分にとって違うかと言うと、関西、特に僕が育った神戸では瀬戸内海で育った、活けの魚を身がプリプリのうちに食べるのが一番美味しいとされている。これはおそらく、瀬戸内海の魚の方が太平洋や日本海側で獲れる魚よりたくさんプランクトンを食べる機会に恵まれ魚の身自体に旨みがあるので、熟成させる必要がないからだと「聞いたことがある」。

とにかく僕はしっかり血抜きをした、熟成前のプリプリの魚が好きと言うことだ。前置きがめちゃくちゃ長くなったが、渋谷にある「魚がし福ちゃん2号店」はそのクオリティの魚を提供してくれるお店である。しかもめっちゃくちゃ安い。

お店リンク:https://goo.gl/maps/ur132yPu5k5TKTzX7

オーダーは1回までしかできないので、必然的に回転が早くなる。早く開けて、早く閉める。しかも回転中は最大の回転率で回す。非常にホワイトなお店だ。

3000字近く書いてしまった。今週はこんな感じです。


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