ミニオン見ませんでしたかー?
わたしには、自分と同じように視覚障害がある友人が何人かいます。
今日会ったのは、弱視なので多少視力はあるけれど、視野が狭いというハンデも持っている女の子。
視野が狭い、つまり見える範囲が狭い。
細い筒の中を覗いて外を見ている感じです。
彼女の場合は、相手の目を見ると口の辺りはもうぼやけてしまうそうです。
そんな彼女には3人のお子さんがいます。
見える範囲が狭い彼女にとって、よく動き回る子供たちを見るのは大変なこともあるようですが、そんなことは苦にならないと言うくらい子育てを楽しんでいるパワフルママ。
しかし、当然トラブルもあります。
昨年のこと。
家族でハロウィーンのイベントに行くことになりました。
ところが、だんなさんが急用でイベントの後半からしか参加できないことに・・・
しかし、子供たちも楽しみにしているということで、前半は彼女一人でお子さんたちを連れて行くことになりました。
楽しいイベントで興奮している子供たちはやっぱり動く動く。
人も大勢いる中、一番下の子を見失ってしまいました。
焦った彼女ですが、ちょうど、だんなさんも合流して一緒に探し回りました。
お子さんがミニオンの仮装をしていたので、
「ミニオンの格好した子供見ませんでしたかー?」
と叫び続けていたら、
「俺たちも一緒に探しますよ」
と、いろいろな仮装をした若者たちが手伝ってくれて、
「ミニオン見ませんでしたかー?」
と、みんなで探したそうです。
ほどなくして、大学生カップルがミニオンを発見して連れてきてくれました。
親の心子知らず。
ミニオンはミニオンでイベントを楽しんでいたようです。
そして今度は、
「ミニオン見つかりましたー!」
と叫びまわったそうです。
障害があるというのは、不便だし面倒だし、たまに理不尽な思いもします。
だけど、思いがけず人の温かさに触れることもあります。
障害があってもいい、なんて言えるほどわたしは強くないけれど、
目が見えなかったから出会えた人や経験できたこともたくさんあるから、前を向いて生きていける気がします。
ちなみに、この事件で彼女はとても反省しましたが、
「目が見えないのに、そんな場所に子供を連れて行くなんて危険だからやめたほうがいい」
なんて言わないでくださいね。
彼女は子供たちを愛しているからこそ、トライ&エラーをこれからも続けていくのです。
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