一緒に歩いてくれた人

先日、わたしが一人で外出した際にどうやって目的地にたどり着いているのかという記事をアップしました。

行きたい場所に行くために|so-neco1982
https://note.com/sonec82/n/nf660a7b817d5

今回は、目的地の場所が全くわからない時や行き方が複雑な場合に利用する、同行支援=ガイドヘルパーのサービスについて書いてみます。

ガイドヘルパーさんは、視覚障碍者が外出する際に同行し、目的地に行って帰ってくるまでをサポートしてくれます。

このサービスは、ボランティアによって行われていると思われがちですが、それは間違いです。
そのような時代もあったのですが、現在ではそれに特化した会社や施設に雇用され、お給料ももらっています。

また、利用するわたしたちは市区町村から、受給者証、つまり
「あなた、ガイドヘルパーサービス受けてOKですよ」
という証明書をもらい、それを使ってサービス提供をしている会社と契約をしなくてはいけません。
そして、移動にかかる交通費などはヘルパーさんの分も含めて自分が負担します。

わたしは、基本的には一人で外出することがほとんどなのですが、
映画館やライブ会場に行く時にはこのサービスを利用しています。
このような場所は人が大勢集まって一人では歩きにくかったり、
会場も場所や入り口がわかりにくかったりするからです。

これは、あるガイドヘルパーさんのお話。

そのヘルパーさんには、何度か同行してもらったことがあり、歩きながらいろいろなおしゃべりができるようにもなっていました。

その日は大好きなトライセラトップスの20周年ツアー最終日のライブ会場に向かっていました。

「今日が最終日なんですけどね、本当は明後日、20周年の特別なライブがあったんですよ。でもチケットがとれなくて残念でした。」

わたしはこんな話をしたのだと思います。

ライブ会場に到着し、終了時間と待ち合わせ場所を確認し合ってわたしは入場しました。

ちなみに、会場側にあらかじめ連絡しておくと、中での誘導は運営スタッフさんがしてくれます。

ライブを楽しんだ後、会場の外にでると、ヘルパーさんがこんなことを言いました。

「so-necoさん、明後日のライブの立ち見のチケット売ってますよ!」

わたしは驚き、テンションがあがりかけたのですが・・・

ヘルパーさんの同行をお願いするにはきちんとした手順を踏んで依頼をしなくてはなりません。

ライブは明後日。しかもその日もすでに夜遅い時間。

行きたいけど・・・

「でも、今からじゃ遅いし、だめですよね?」

わたしは本当にあきらめた気持ちで言いました。

しかし、ヘルパーさんは思いもよらぬことを言ってくれたのです。

「いいですよ、わたしも一緒にライブ行きます!」

え?でも・・・

わたしがもごもごしているうちに、ヘルパーさんは自分もチケットを買ってしまいました。

チケット代はわたしが出します、という申し出にも
「いいんですよ、わたしも自分へのご褒美のつもりなので」
と、当日の会場への行き方などを話し始めてしまいました。

結局、チケット代の代わりにお菓子をわたして、当日は一緒にライブに参加しました。

この時はヘルパーさんがプライベートでライブに行ったという扱いになっているので、お給料も入らなかったはずです。

ヘルパーさんはトライセラトップスにはほとんど興味なかったと思いますが、スペシャルゲストで小田和正さんが出てくれたから少しは楽しめたでしょうか。

わたしのためにとっさにライブ参加を決めてくれたヘルパーさんには感謝してもしきれません。

残念ながら、そのヘルパーさんは会社内の移動によりわたしの住んでいる地区は担当できなくなってしまいました。

最後に、「いろいろな所に一緒に行けて楽しかったですね」と言ってくれました。

また会えたらいいなぁ・・・

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so-neco1982
いただいたサポートは視覚障害者が安全に道路をわたるための音のでる信号機の設置などを目的とした募金に使わせていただきます。