二十


成人式。特に思い出は、ない。

ひとりで大きい会場に行って、何人かの仲が良かった友達とその場で喋って、たまたま高校生時代の元カノとばったり出会して記念写真だけ撮って、終了したら真っ直ぐ帰った。同窓会にも参加せずに、夜は確かバイトをしてた気がする。


形式上、「◯◯中・成人式」というLINEグループがあった。

どこから僕のLINEを見つけてきたのか不思議なのだが、当時何の繋がりもなかった幹事(むしろ僕のことを「いじめていた」部類)の女子バレー部キャプテンから、「久しぶりに集まろうよ!」というメッセージと一緒にグループLINEの招待が来て、「何言ってんのコイツ?」と僅かな憤りを憶えながらも、とりあえずは無言でグループに入った。

ただやっぱり、そのグループで発言するのはカースト上位だった数人だけで、あれよあれよという間に同窓会場や予算が決まっていく。

日程のアンケート機能には全部バツで回答、当然トークはずっと無言。いちいち届く通知が鬱陶しくて、すぐに通知をオフにした。


成人式が終わってすぐ、溜まっている通知を見ることなく退会して、それ以来どうなったかは知らない。



高校は同じ中学の人間が少ないところを選んで入学したので、成人式では中学までの人間しかいない。とても、居心地が悪かった。


今も定期的に遊ぶ友人は、高校生以降に繋がった人たちばかり。グループも3つしかなく、合わせて両手で収まる程度。その人たちが結婚なり出産なりしてから初めましての人を含めればもうちょっとだけ多いけど、自分と直接友人になったのは、それだけ。


友人が少なくて寂しいとか感じたことはなく、むしろ周りが、「それ絶対今回限りしか遊ばんやつやん」みたいな会をインスタのストーリーやらXやらで投稿をしているのを見ると、気持ち悪いと思ってしまう。


こんな状態なので、恐らく相対的に見ればかなり錆びついた生活を送ってると思われるかもしれないが、僕はこれで充分幸せに暮らしている。


ゴールデンウィーク、お盆、年末年始の大型連休の時にだけグループLINEが動き、滞りなく集まり、それまでにあったことをだらだらと話す。

それだけでいい。無闇に残したり増えたりする交流は、要らない。と言いつつ、noteで、ある意味交流を増やす矛盾。


結局、人間関係の広さはさして重要ではなく、所属するグループで「自分が認められること」が、一番大事なんだと思った。



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