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(第3話)旅立ちの日に【3/4】

こんにちは。村長のぼうまいです。
岩手県で「ぼうまい村」村づくりをしてます。

今は村の拠点が決まって、リノベしたり周辺整備をしたりしている真っ最中です。これからそばを植えたり養蜂を始めたり、ホップを栽培したり、飲食を始めたり、宿泊業を始めたり、ガイドもやりたい、やりたいことやることが渋滞しててなかなかおもしろい毎日を過ごしています。

そんな村長のこれまでを全4話の短編小説風に配信していきます。

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第3話 「旅立ちの日に」


前代未聞のビジネスピッチプロポーズから数ヶ月、岩手県花巻市で地域おこし協力隊の募集の話を小耳に挟む。

詳しいことはよくわからないが、どうやらプレゼン型という採用方法らしい。

その頃わたしはちょうど、そこで会社を辞める準備をして、スペインへのワーキングホリデーの情報を集めているところだった。ワーホリにいくか、地域おこし協力隊を受けるか・・・。

最初の就職を海外でしてしまったわたしにとって、国境を越えることと県境を越えることはだいたい同じだった。

季節はリンゴの花が咲き始める頃で、勤めていた会社は全社員テレワークに切り替わった。実はこの時、わたしの勤めていた地方創生のなにかをしている会社は事業が傾き、親会社に吸収合併され、一部上場の企業へと成り代わっていた。

テレワークになったのだから、会社を辞めなくても移住も、村づくりもできる、そんな状況になってきた。

勤めていた会社を辞めるいうと、当然周りは反対した。特に身内からの反対は強かった。思うように言い返せず、悔しくて泣きそうになり、堪えた涙もたくさんあった。いろんな言葉を受け取ったが、印象に残っている言葉がある。

「こんなに反対されてても、やりたい気持ちがあるぼうまいはやっぱりすごい。俺やったらもう諦めるわ」弟の言葉だった。


死ぬこと以外かすり傷


世の中にはやりたいことがあってもどうしてもできない人がいる。できない理由は家族だったり、お金だったり、身体的な問題だったり、人によってさまざまだ。

どうしてもできない人たちの分までできる人がやる選択をしないと。できない理由がないのにそれをやらないことは怠慢だ。サボりだ。

だから結局会社をやめることにした。そして、彼とも別れることになった。彼と別れた明確な理由はわからない。でもそういうところなんだろう。

そして「村づくり」について学ぶためとあるオンラインサロンに入った。

バタフライエフェクト


大人のコミュニティにいちいち説明なんかない。オンラインということは今自分が生きているエリア外の活動になる。だからもし問題を起こしたとしても辞めてしまえば0。最低でも0。入る前に戻るだけ。マイナスにはならない。

そう思えばなんのハードルも抵抗感もない。そこで享受できるメリットがひとつでもあればただのプラスになるだけなのだから。

オンラインサロンに入ってすぐ高額な1泊2日のイベントがあったので、とりあえず参加、実行委員をしてみた。

なにかやりたいことが明確でないうちはなんでもやってみる。どれを選んでどれを捨てるのか、そんな判断材料を集めるためにまずはやってみる。

そんな性格のせいで高い月額の費用を払って、さらに高い合宿代も払って、ビジネスピッチにも出た。

どんな組織でもそう。自ら行動しないことにはなにも生まれないし、なにも生まない。ただ与えられたものを受け取っているだけじゃミルクを欲しがる赤ん坊と同じだ。もし今自分の身に起きていることが誰かから与えられているものだと感じるのであればそれは決して当たり前だと思わないこと。


与えられたものには最大限の感謝と誠意を持って、行動しなければならない。なぜならそれは与えた側からすれば投資であるからである。相手にその意識がなくても、だ。


ここで改めて好機というのは誰の前にも転がっているということを思い出す。このビジネスピッチに出るという選択が後のわたしの人生に大きく影響するのであった。

人生は目の前のチャンスに飛びつくか飛びつかないかの二択である。 

ぼうまい


次回 最終話 「ぼうまい村始動」


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