冬になると腹巻きみたいな藁を木に巻くのはなぜか?
皆さんは、公園や道端で、こんな木を見たことはないだろうか。
私はふと、こんな風に、腹巻きみたいに、藁が木に巻かれているのを見て、不思議に思った。
「なんで、一部分だけに、藁を巻くのだろう・・・」
もし、藁を巻くのが、防風や防寒が目的であれば、木全体を巻くべきである。
もしかすると、木全体に巻くのは大変だから、一部分だけにした、という見方もある。しかし、私が見た限り、巻く位置はいつも同じである。もし全体が無理だから一部分・・・であるならば、巻く位置もバラバラになっても良いはずだ。きれいに巻く位置が同じであるのはおかしい。
この疑問に対し調べてみたところ、この木に藁を巻くことを、「こも巻き」と呼ぶらしい。「こも」とは草の名前で「こも」で巻くから「こも巻き」とのことである。
こも巻きをするのは、防風、防寒が目的なのではなく、害虫予防なのだそう。
詳しくは以下に記すリンクを参照して欲しいが、簡単に説明すると、葉っぱを餌にしていた害虫が、冬になって葉っぱがなくなると、幹を伝って地面に降りてくる。そこで、根っこの少し上ら辺、人間で言うと肩の位置くらいのところに、こもを巻き、そこに害虫を住まわせる。(あったかくて餌(草)もあるこもは、最良の寝床)
春になると、そのこもを取って、害虫ごと焼却してしまう、と言う害虫対策とのことだった。
ここで私が思ったことは、この藁を、なぜ害虫対策、いわゆるトラップだと言うことに気付かなかったかと言うことだ。
全体に藁を巻いてないことに気付いた時点で、防寒が目的ではないことには気付いていた。しかし、トラップであることには気付けなかった。
これは思うに、「攻め」の観点が抜けていたからだと思う。
防寒は寒さからの「守り」の行為である。これがもし、「攻め」の観点が自分にあれば、「守り」の選択肢がなくなった時点で、「攻め」(ここでは害虫を倒す)が目的であると勘付けたかもしれない。
木が生き残ると言う目的に対しては、冷たい風と言う敵以外にも、虫という敵がいたのだ。
今回は「守り」と「攻め」と言うMECEの観点を、こも巻きから気付けたと言うことに感謝したい。
今日は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
参考にしたもの
○松の幹に巻かれた「こも巻き」。害虫駆除というけれど、あの“腹巻き”に効果はあるのか!?
https://tenki.jp/suppl/romisan/2016/11/29/16721.html
○「こも(菰)」の漢字の字源
漢字源改定第六版 1585ページより