空腹の夜襲。
夜襲だ。
土曜の夜に高確率でやってくる。
空腹の夜襲だ。
サタデーナイトという甘美な響きに
脳も胃も踊り出しちゃってるのだろうか。
なかなか眠くならない。
そして何か食べたい。
食べ応えのある何かを。
何か、というか、
カップ焼きそばを。
ソースの香り高きパサパサの麺を
勢いよくすすり、口いっぱいに頬張りたい。
こんな時間に食べない方がいいのは、
十分わかっている。
きっと我慢した方がいい。
いや…
でも…
ぬぅ…
よし…。
私は、
この空腹の夜襲に応戦することにした。
作戦はシンプルだ。
冷蔵庫から炭酸水を取り出し、
勢いよく飲む。
秘技、「炭酸水胃ふくらましの術」
これはいい。
レモン風味の炭酸水が、
私の味覚と胃袋を徐々に満たしていく…
と思ったらすっとこどっこい。
満腹感もつかの間、
刺激された私の胃袋はさらに踊り出した。
ノリノリである。
作戦が裏目に出てしまった。
カップ焼きそばを食べたいという
私の欲求は爆上げしてしまった。
こうなったらもう降参である。
空腹の夜襲に降伏した私は
スマホと財布を手に握りしめ、
コンビニへと向かおうとして
玄関の扉をあけた。
その瞬間、冷たい風が頬を切った。
いや、冷たすぎる風が頬を切った。
むり!むりむりむりむり!
さむいさむいさむいさむいさむい!
ガチャン!!!!
3秒も経たないうちに家の中に戻った。
カップ焼きそばは諦めよう。
てゆうか寒い、お風呂入って寝よう。
てな具合で私はいま、
あたたかいお布団の中にいる。
カップ焼きそばは食べてない。
夕飯以降、何も食べてない。
誇らしいことだ。
夜襲に完全勝利した。
ありがとう冬。
ありがとう寒気。
そういえば今週は三連休だから、
明日の夜も空腹の夜襲があるかもしれない。
がんばろう自制心。
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