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第一次風呂戦争。

ある日の午後8時。

仕事も終わり、夜ごはんを食べ、
だらだら漫画タイムを満喫し、
そろそろお風呂に入ろうと席をたった。

履いていたずぼんを脱ぎ、
上のトレーナーは着たまま、
下半身パンツ一枚で部屋を出た。

ら、
お風呂場に向かう途中、
台所のシンクにたまる
夜ごはんの洗い物が目についてしまった。

あー、まだ洗ってなかった。
お風呂あがりに洗うのはいやだなあ、、
洗っとくか。。

私は、下半身パンツ一枚の姿のまま、
お皿洗いをはじめた。

そしたら、である。

お皿洗いも終盤に差しかかったころ、
ガチャリと、
同居している姉の部屋の扉があき、
こちらへ向かって来た。

その姿はというと、

上半身キャミソール一枚で
下はスウェットを履いている。

そして手には
着替えらしき布を抱えている。

こ、これはもしや、
今からお風呂に入るつもりじゃ、、

や、どう考えても
今からお風呂に入るじゃないか。

私はいとも簡単に、
姉の次の行動を察した。

そして姉もまた、
私の下半身パンツ一枚の姿をみて察したのだろう。
思わず目を合わせて笑ってしまった。

「私が先に入る」

先手必勝、姉が宣言した。

先に言われてしまった。
嫌だ、私が先に入りたい。

風呂戦争ぼっ発である。


「私の方が先に部屋を出たんだから、
 私が先に入る」

私は、負けじと主張した。

姉はムッとした顔をし、
「いや!私の方がもう上脱いでるんだから、
 私の方が裸に近い!!!」
と謎の主張をぶちかましてきた。

いやいや、そんなこと言ったら、
私だって下半身パンツ一枚である。

「私の方が!裸に近いね!パンツだし!」

洗い物を終え、臨戦態勢に入った。

「はっ!上着てない方が寒いんだから、
 私の方が裸に近いね!」

「私の方が足丸出しで寒いし、
 肌色の面積が多いんだから、
 私の方が裸に近い!」


どちらが裸に近いのか。
互いにあれやこれやと理由をつけながら、
熱い議論を交わした。

そしてついに、

「もー!そんなの関係ない!
 何が何でも私が先に入る!」

と、姉が言い放ち、
強行突破でお風呂場に向かった。


なんでやねん。

裸に近い方が先に入れるんちゃうんかい。

そもそも裸に近いってなんやねん。

わし、ただただ
寒い格好で皿洗っただけやないかい。

やりきれない。


そんな気持ちを抱えながら、
私は部屋に戻り、そっとずぼんを履いた。


今後、
お風呂の前に皿洗いをことがあるならば、
全裸で洗おう。

そんなことを、ぼんやり考えた夜だった。

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