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そもそも魔王って倒さなきゃ駄目なのか?【第2章 謎のシスター少女編 6】

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ーフィールド リベール街道ー

リベール街道


マサアキ
HP 76
MP 0
LV.8



【女性が倒れている!】


人が倒れているな

「人が倒れているっすね…」

「お昼寝か~?」


こんなフィールドのド真ん中でか?

開放的過ぎんだろ


「じゃあ日向ぼっこ?」

同じだろうが


「とりあえず…声をかけておいた方がいいっすよね?もし意識とか無かったら大変っすから」


頼むわ


「はい。───すいませんあの…大丈夫っすか?」


「マサアキおいら知ってるよ。こういうのってなんぱっていうんだろ?」


「人聞きの悪いこと言わないで下さい!」




「……うぅ…ぅ…早く……村に戻らなければ……しかし…魔物にやられた傷でうまく体が動きません……」


「…どなたか……助け──」

「………………」


ジィ〜……
【女性はこちらの様子をうかがっている!】


「な、なんかボソボソ言ってると思ったら、今度はめちゃめちゃ見られてるっすね…」


めちゃめちゃ見られてんな

何だ?俺ら田舎もんだから珍しいのか?


「……はぁ…ようやく人が通りがかったと思ったら…弱そうだしアホそうです…」


「気のせいっすか?心配したにも関わらず初対面も初対面の女性に罵倒された気がしたんすけど」


確実にされたな。なんだこの女


ムク…
【女性は体を起こした!】


「…少し待っていて下さいね…」


いや、起きれんのかよ


ピッピッ…プルル…
【女性はマギアフォンをつかった!】

マギアフォン


「…もしもしお母様?はい…見込みのなさそうな人達を三人程…ええ…はい…ナンパがどうとか言ってまして…おそらく下心にまみれた…ただのスケベな連中なのですが…いかがいたしますか?…」


「みるみるうちにボロカス言われていくっす。な、何すかこれ…?」


誰がスケベだよ。ウマオさんは声をかけたからともかく、何で俺らまで


「いや自分にしたっておかしいっすよ、声かけただけなんすよ?」


「なぁなぁ、すけべ?ってどういう意味だ?」


悪い意味で男らしいって意味だ。お前は深く知らなくていい




「…はい…はい…でもいいのでしょうか…?この人たちは一旦スルーして…もう少し粘ってみてもいいのですが…え?…はい…確かに入り時間は早かったですけど…」


入り時間って何だよ


早い時間から倒れ込んでたって事?バイトなのそれ?


「…はい…わかりました……いや…まだ見てます大丈夫です…視線が揃いも揃って私に釘付けなので…すぐにこの場を去ることはないかと…」


「マサアキさん、今これ自分ら一体どういう状況なんすか?」


俺が知るかよ

やり取りを聞いてる感じ、何かの審査にかけられてるっぽいけど


「…あ…そうなのですか…最悪豚さんでも良いと…ではこの人達でも大丈夫なのですね…」


ただ、たった今一つわかった事はあるな


俺はあの女をぶん殴りたい


「気持ちはわかるっすけど抑えてくださいマサアキさん!」



「…えぇ…了解しました…では失礼します…はい…とりあえずやるだけやってみようと思います…」

ピッ
【女性は電話を切った!】


「ふぅ…」


コテン…!
【女性はその場に倒れ込んだ!】


「…うぅ……早く…村に…戻らなければ…しかし魔物にやられた傷で体が上手く動きません…」


「…どなたか…助けてはくれないでしょうか…」


おい、なんか何事もなかったかのようにチープな劇が再演したぞ


「本当何なんすか?我々はどういう気持ちで見たらいいんすか、この子を」


「…あぁ…丁度いい所に…旅の御方とお見受けします…」


丁度いい所ってだいぶ前から居ただろ


「…何と凛々しい方達なのでしょう…一片の悪もない心が精悍なお顔立ちに現れていますわ…」


あんたスケベで弱そうでアホそうで見込みないとか言ってただろうが



「…ここでお会いしたのもきっと天のさだめ…折り入ってあなた方にお願いがあります…聞いて頂けますか?…」


聞いて頂けると思ってんのか?


散々言ってくれやがって、豚さんにでも聞いてもらえよ


「なぁマサアキ~町は?」


そうだな


行こうウマオさん。よく分からないが体は何事もないみたいだし、これ以上付き合ってやる道理も義理もない


「わかったっす」


「…あぁ!お待ちください!…」


「…お願い致します!話を聞くだけでも良いのです!…」


しつけぇ、嫌だっつってんだろ


「…後生です……アメちゃん…あげますから…」


お前俺達を何だと思ってんだ



「…どうしても駄目なのですか?…弱った可愛い女の子がここまで頭を下げているのですよ?…男の人はこういうので興奮するものではないのですか?…」


するかよ。あんた頼む気あんのか?


さっきから色々態度がおかしい


常識をたずさえてから倒れ込めよ


「その言い方もおかしいっすけどね」


「…どうしてでしょう…マニュアル通りやっている筈なのですが…」

【女性はマニュアルの書をつかった!】


マニュアル?何マニュアルって?

正しい倒れ込み方とかあんのかよ


何でそんなもん持ってんだ


「……あ…名前を名乗るという工程を忘れていました…だからですか…」


だからじゃねーよ?


「…やはり…お母様の言う通り一夜漬けで行き倒れデビューは無理のある話でした…もっと前から入念に練習していれば……反省しましょう…」


反省する部分そこじゃないだろ



「…どうしましょう…すみません…もう少しだけ待っていて下さい…」


ピッピッ…プルル…
【女性はマギアフォンをつかった!】


「…もしもしお母様?度々すみません…名前を名乗るのを忘れてしまいグダグダになってしまいました…申し訳ありません…」


おい、本日二度目の放置プレイだぞ


「………行きましょうか。正直もう助けようなんて感情全くないっす」


「マサアキ!そこの木でファントムクワガタとれた~!ツノ!ツノ!おいらといっしょ!」

ファントムクワガタ

そうだな、グリルも飽きたらしい


「では荷車に乗って」


「…あ…少々お待ちくださいお母様…」


「…拘束魔法…タイムバインド…」


【女性はタイムバインドを放った!】

カチン…
【3人の動きを封じた!】




「…お待たせしましたお母様……いえ…何でもありません…大丈夫です…相も変わらず私の美貌に釘付けで固まっています…」


て……め…一体…な…んのつもり…だ


「…あら?…私の魔法を受けて口がきけるとは大したものですね…」


なめ…んなよ…村む…す…めに比べりゃ…こんな…


「…そうですか…あなたは魔法に耐性があるのですね……しかしやはり動く事は出来ないようですね……少しの間その状態で待っていて下さい…」


…くっ…このアマ…!


早く…解きやがれ…!


「…はい…そうなのです……なのでもうだまして連れて行くのは…望みが薄くて……どうしたらいいのか私にも…ええ…なので作戦をBに切り替えようかと……よろしいですか?…」


…く……!…


「…はい…はい…大丈夫です……次はうまくやってみせます…それでは一旦切りますね……失礼します…」

ピッ
【女性はマギアフォンを切った!】


「…お母様が心配していました…これで決めませんと…」


コツコツ…
【女性はマサアキに近寄っていく!】

……ぐ…この……!




「…お待たせしてしまい申し訳ありません…少々お身体を失礼します…」

スス…
【女性はマサアキを調べた!】


う……くっ……!な…何を……


「……ふふ…初々ういういしい反応可愛いですね…ただ…あなたが期待しているようなことは起きませんので…あしからず…」


「…見たところ…特別強靭な肉体を持ち合わせているわけではないですが…全く鍛えていないというわけでも無さそうですね…年もお若く見えますし…案外いい頃合いかもです…」


「……これならあるいは…バミラにも…」


…………?…



【マサアキにかかっている魔法が解けた!】


っ…!


動…ける…?


「…あら?…」


解けた…!よし!


「…拘束魔法…タイムバ───」


ガツ…!
【マサアキはリリアルを地面に押さえつけた!】




〜To be continued〜

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