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かわら版No.4 現地視察・旧西吾妻鉱山(硫黄鉱山)鉱毒防止施設視察の巻
今回は一般質問を振り返るは中休みにしまして、本日7月14日に会派・一新会の自主的な現場視察で、旧西吾妻鉱山(硫黄鉱山)鉱毒防止施設視察に行って参りましたので、その内容について書かせていただきます。僕もそうですが、現在の天元台になりますが、当地が、西吾妻鉱山・硫黄鉱山であったことは知らない方も多いのではないでしょうか※¹。
※¹大正元年に試掘権が設定され、硫黄鉱床を探鉱し精錬場が建設され硫黄が生産された。昭和11年に米沢鉱業㈱が設立され本格的に開始され、昭和24年には山形鉱業㈱に経営が移り、昭和30年設備の近代化が図られて最盛期を迎える。1年間に硫化鉄鉱3万トン、硫黄鉱5万トンを算出し有数の硫黄鉱山となったが化学硫黄の低コスト流通に伴い、昭和36年に閉山となった。
この旧西吾妻鉱山(硫黄鉱山)は、松川(最上川)の最上流部に位置し、農業用水等に利用されていることから、鉱毒対策がなされてきました。特に、昭和42年8月の羽越豪雨、44年7月の豪雨、その2度にわたる豪雨により上流部につくられた前の沢鉱滓堆積場の硫黄残滓が大量に流出したことから、昭和46年度から53年度、平成元年度、鉱害防止工事を本格実施してきた経緯があります。今回は、その鉱害防止施設を実際に見て現在の状況を大まかに確認して参りました。
結論から申し上げますと、現在は前の沢堆積場の表面被覆工、愛の沢堆積場擁壁工、抗廃水地下還元工等の実施により、旧西吾妻鉱山(硫黄鉱山)から流水する水質は、上流部の大笠山(処理原水施設)では、pH2.73の強酸性値を示していますが、浄化ろ過工程を経た下流部松川(大平橋)では、pH5.16まで酸性値は薄らいでいる状況です※²。
※²中性は、pH6.0以上8.0以下、pH7が純水。
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今回の視察で得た・考えたことは、西吾妻・現在の天元台の歴史的背景には、西吾妻鉱山(硫黄鉱山)の文脈があり、その結果として、豊富な雪解け水を水源として、毎分4,300リットルもの大量のpH2.73の酸性値の高い鉱水が、現在も上流部の大笠山(処理原水施設)で処理されている事実を知ることができたことにあります。この現状に対して、何をするべきなのか、あるいはどのような改善策や利活用策があるのか、にわかにはわかりませんが、現状の理解と把握をすることは議員として大きな意味があったと感じています。今後も、旧西吾妻鉱山(硫黄鉱山)鉱毒防止施設とその処理水の行方について、市民生活の安全と環境的配慮の観点等々から注視していきたいと思いますし、市民の皆様に事実をお伝えしていきたいと思います。
かわら版No.4