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かわら版No86 米沢市の下水道事業とその使用料について

いつもお読みいただきありがとうございます。

米沢市の下水道事業は、わかりやすく言いうと赤字です。どういうことかと言うと、下水道事業は、公営企業会計に属し、独立採算制が原則です。しかしながら、使用料収入だけで賄うことはできていません(米沢市が一般財源から不足額を補填しています)。

この点、国では自治体に求める経営指標があります。使用料単価150円/㎥及び資本費参入率50%以上の2つです。上記の“赤字”という意味はこれをクリアする必要があるという意味でもあります。

現在の米沢市の下水道事業はこの指標をクリアできないわけであり、それゆえ広報よねざわ202412122頁「市長コラム」下水道使用料金の改定・値上げを米沢市民にお願いしようとしているわけです。

具体的には、必要額9,000万円程度を見込み、改定率18.6%です。一般的な家庭(3人~4人世帯で月20㎥使用)では625円の値上がり幅となり、1月当たりの使用料は3,377円から4,002円となる想定です。米沢市は、令和6年度の米沢市議会・3月定例会での議決を得ることができれれば、改定の時期は、令和7年9月検針分(10月請求分)から実施したいとしています。

まとめます。米沢市は、使用料収入では賄いきれない、国の経営指標の不足分9,000万円を、使用者の負担として値上げしたいわけです。

もっとも、実は、米沢市の下水道使用料は、この値上げ要請で解決するのかですが、結論は解決しません。

と言うのも、令和6115日の答申が示すように「今後一層人口減少傾向が続き、米沢市の下水道事業に伴う収入は、有収水量とともに減少していくことが確実」であり、上記で示した国が自治体に求める経営指標の資本費参入率50%以上ですが、上記値上げで一時的に回復しますが、R10・49.5%、R11・49.1%、R12・43.4%、R13・42.3%、R14・40.0%、R15・31.6%、R16・32.3%、と50%を割り込む水準が想定されています。

すなわち、一回の値上げでは、米沢市の下水道事業の赤字傾向・財源不足は改善されず、抜本的な解決になりません。このままだと近い将来また値上げをせざる得ない状況であり、これが継続的に続く状況と言えるわけです。

米沢市の下水道事業は、値上げサイクルの悪循環期に突入したわけです。

米沢市には、米沢市民への値上げ要請だけでなく、下水道事業の経営環境を前提とした、より根本的な問題解決を求めます。

この度も最後までお読みいただきありがとうございます。

かわら版No.86



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