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かわら版No.83 再生可能エネルギー・ゾーニングマップについて
いつもお読みいただきありがとうございます。
令和7年1月17日及び19日の2日間、米沢市が主催した「再生可能エネルギー導入に向けたエリア設定」説明会がありました。
説明会は、主に米沢市の再生可能エネルギーのゾーニングマップについてです。ゾーニングマップとは、地域内における再生可能エネルギーの導入ポテンシャルについて、各法令、自然環境調査、専門家や県の聞き取り調査を踏まえ、保全エリア、調整エリア、促進可能エリア等を区分し、各エリアを明確化した地図です。そして、この内容を広く公表し、今後の無秩序な開発を抑制しつつ、地域や市民が納得できる自然エネルギーの「導入場所」定めるものです。
上記の中で、今回のゾーニングマップは、米沢市における太陽光発電、風力発電についてのものです。ゾーニングマップ策定の狙いはいくつかありますが、私が思う重要なポイントは、①市民等への公開つまり広く公開することで情報共有し予測可能性を示すこと、②再エネ発電事業者の資料として、事業計画段階でのエリア特性や環境等の留意事項等を示すことで、合意形成の質を担保すること、にあると考えます。
また、ゾーニングマップ案においては、陸上風力発電及び太陽光発電について、上記のように、①再生可能エネルギーよりも環境保全を優先する保全エリア、②再生可能エネルギー導入のポテンシャルが見込まれるが調整が必要な調整エリア、③再生可能エネルギー導入のポテンシャルが高いと認められる促進可能エリア、が示されました。米沢市内の各地域やその場所が、具体的にどのエリアに当たるかについては、今後米沢市は、市民に対してゾーニングマップ案の公開とパブリックコメントを実施する予定とのことです。
米沢市は、この度のゾーニングマップ案を示すに当たり、その説明資料中の「事業者が留意すべき事項について」において、「明確にエリア設定することが難しい情報もあるため、ゾーニングとは別途、事業者が留意すべき事項を文書で表現する。」としています。しかし、この点、説明会の参加者から質疑において、「米沢市の地域特性に応じた“規制エリア”や“禁止エリア”を必要性に応じて検討すべき」であったり、「規制ルールについては、米沢市として条例を制定すべき」とのご意見もありました。私の考えでは、このようなご意見の背景には、説明会で示したゾーニングマップ案が米沢市民や米沢市の環境に対して十分に配慮された内容だと納得感を得るに至っていない合理的な “懸念” “不満” “不安”があります。
米沢市には、再生可能エネルギーの導入が国家的政策であり、地球温暖化防止にとって不可欠だとしても、一方で、地域として米沢の環境を守りその価値を保全することも同時に重要であることを常に念頭に置きながら、米沢市民と自然の声に耳を傾ける謙虚さと努力をお願いしたいと思います。
この度も最後までお読みいただきありがとうございます。
かわら版No.83