かわら版No.38 米沢市の財政見通し、について
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先日、3月4日の議会に米沢市の今後の財政見通し(令和15年度見込)までが示されました。結論から端的に申し上げますと、歳出超過・歳入不足です。
ところで、米沢市は、平成27年度に財政運営が危ぶまれる事態となり米沢市財政健全化計画を策定しました。その時の目標は以下のとおりです。
① 実質単年度収支 黒字化
② 財源調整基金残高(平成 32 年度末) 20 億円以上
③ 経常収支比率 特殊要因を除き、95%以下
①の意味は、その年の収支をプラスにする。②の意味は、市の貯金を、令和2年度末(平成32年度末)までに20億円以上にする。③の意味は、特別なことがない限り、毎年度の予算のうち、市が自由に使えるお金を5%以上確保する、ということです。そして、この基準を守りながら持続可能な財政運営をやっていきましょう、としました。
ところが、3月4日の議会に米沢市の今後の財政見通し(令和15年度見込)は次のようなものでした。
市によると、令和8年度までの大きなマイナス要因は、庁舎建替事業の旧庁舎解体費や市立病院建設事業の医療機器整備に係る市債の返済などで返済期間が短く年度負担が大きいこと、とのことです。
上記基準に当てはめると
① 実質単年度収支 10年度中7年度マイナス
② 財源調整基金残高 令和8年度以降 20 億円を下回る
③ 経常収支比率 特殊要因を除き、10年度中6回95%以上
市は、歳入の確保策は、ふるさと納税の拡大といいます。令和6年度から実施予定の学校給食無償化の主財源の一つです。この他、3月8日の予算特別委員会の総括質疑で、新しい歳入の確保策は、クラウドファンディングとネーミングライツとの答弁がありましたが、現在の予定では、クラウドファンディングはある事業で50万円を予定するのみで、ネーミングライツは実施予定はなく、アイディアであるとのことです。
市長の公約では、学校給食費の無償化をかわきりに、学童保育の利用料無償化、玄関前から目的地までの送迎乗合タクシー(デマンドタクシー)の低料金化などなど、市の財政負担の大きい政策が掲げられています。しかし、上記のとおり、歳入については、ふるさと納税の拡大の一点を論じるのみで、予算特別委員会では他の政策の説明は特にありません。
市議会議員となり初の予算特別委員会、昨年9月の決算委員会では質問することが許されていない次年度予算の内容でしたので、市の歳入の確保策を楽しみにしていたのですが、正直残念です。このままでは財政見通しに不安が残ります。上記にある「互いに知恵を出し合いながら、前例踏襲を打破し、斬新かつ柔軟な思考と創意工夫をもって予算編成に当たるよう通知した。」この言葉の選択と重みを知ることはできませんでした。
僕は、初年度予算案なのだから、遊びがあっても、創造的でも、予算編成の向こう側に夢を感じることができるのであればいいのではないか、そう期待していたのですが、、、なかなかそうはいかないようです。
明日3月11日から14日まで予算特別委員会が続きます。しっかり質疑にあたります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
かわら版No.38