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かわら版No.84 シティプロモーションを、戦略的に行う。
いつもお読みいただきありがとうございます。
何かを戦略的に行うとは、体系的な視座に基づき、目的に対して、計画を立て、戦術的な実践を通じて、検証を繰り返しながら、未熟な結果を作り込んでいく継続的で執拗な営為、と定義します。
したがって、例えば、シティプロモーションを、まちの魅力化された物事等を各々の購買につなげるための一連の活動と定義した場合、これを戦略的に行うとは、どういうことでしょうか。
シティプロモーションを、戦略的に行う
①体系的な視座に基づく
体系的とは、誰もが理解できるように、客観的に、内容や知識等が整理されていることです。視座とは、単なる視点ではなく、体系的理解を前提に、全体像をある程度把握し、柔軟な差配を可能にする広角的視点です。シティプロモーションでは、①まちの魅力②プロモーションについて、体系的な視座を獲得しなければなりません。そして、そのためには、まちの魅力をまとめ深い理解を得ること、基本書等を通じてプロモーションを学ぶことが前提です(この点、プロモーションを含むマーケティングの専門家の役割は重要です)。
②目的
シティプロモーションの目的は、まちの魅力化された物事等を各々の購買につなげること、です。
もちろん、さらにビジョン等に基づく高次の目的が設定されている場合もあります。
③計画
何を、いつ、どのように行い、どのような効果を、いつまで上げるのか。を明確にします。
④戦術的な実践を通じて
一般に、プロモーションは、マーケティングの一部であり、消費者に購入検討に入ってもらう一連の活動を指します。そして、そのプロモーションの領域は、4つに分けられます。「PR活動(Public Relation)」「広告活動(Advertising)」「SP活動(Sales Promotion)」「人的販売活動(Sales)」です。実践は、目的と具体的な内容や状況、制約条件に応じて選択しなければなりません。なお、こういった分類や概念は、各基本書等において幅がありますので、一つの共通の言語と理解を持つ必要があります。
⑤検証
結果を評価する必要があります。これはアカウンタビリティ(説明責任)の部分です。行政としてありがちなのは、アカウンタビリティが組織の中で業務を進めるためのルーティンの一環でしかなく なっている場合です。説明責任が果たされてない場合や結果責任の所在が不明なことがあります。なぜ取組んだのか、どれほどの効果があったのか、何を改善すると次につながるのかなど、失敗談のような不利益情報を含め真摯に検証し公開することが大切です。
⑥未熟な結果を作り込んでいく継続的で執拗な営為
結果に完全はありません。常に未熟であることを前提に得られた結果を改善し、戦略や戦術のブラッシュアップを図ります。そして、これが大切ですが、思い通りの結果が得られなくても説明責任を果たしながら “ながく、しつこく” 継続的に取組むことが重要です。
最後に、シティプロモーションを、まちの魅力化された物事等を各々の購買につなげるための一連の活動としました。そして、認知度を上げるための一連の活動とはしませんでした。理由は、広義では、シティプロモーションを、まちの魅力化された物事等を各々の認知度や購買につなげるための一連の活動と定義しても良いとは思いますが、一般的にプロモーションは購買活動を指す用語です。あと、この点が重要なのですが、認知度を上げたからといって購買につながるわけではありません。特に、米沢の場合、すでに米沢自体の認知度は高く、物事の認知度や魅力を訴求したからといって、それが全体の購買や各購買行動につながらないのです。
私は、シティプロモーションの専門家ではありません。ですが、自分でできるだけ考えて言語化し理解しようとする基本的な作業は大切なことだと思っています(同時並行で基本書や専門書を読むことで理解が深まります)。これからも市民の皆様と丁寧に学び考えていきたいと思います。
Learning by doing. やりながら学び、精緻化していくことが大切ではないでしょうか。
この度も最後までお読みいただきありがとうございました。
かわら版No.84