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かわら版No.87 雪に、ついて
いつもお読みいただきありがとうございます。
米沢は豪雪地帯です、今年の雪による米沢市内の人的被害は重傷者18名(米沢市市民環境部防災危機管理課調べ・令和7年2月12日現在)です。重い被害であり、まさに災害です。上杉雪灯籠祭りでは、山形新幹線が雪が原因で運休したことで大きな経済的損失がありました。市民の日常生活においても今年のような大雪の場合には、精神的、身体的、経済的負担等が重く圧し掛かります。雪が及ぼす悪影響について、米沢市には、人命と経済的損失の両面から、事前事後の対応策を十分に検討していただきたいと思います。
また、2月臨時会で、除雪対策事業費2億5千万円の補正予算が承認されましたので、今年の当該予算は当初予算と合わせて10億円を超えました。市にとっては大きな財政負担になりますが、除雪関係事業者に対する支出である側面を考えると地域内経済効果も大きいわけです。地域経済の分析的視点から言えば、地域で得た所得が地域住民にいかに分配されるか、地域内での消費や投資による循環の在り方つまり“支出面”の在り方が重要です。米沢市ではその分析は実施されているのでしょうか。
“雪に、ついては”、ひとそれぞれ受け止め方が異なります。例えば、米沢市内では、雪に感動する観光客の姿を目にました。具体的には、名古屋からの帰りに大雪の米沢駅に降りた私はためいきを、外国人観光客の方々はーおそらく初めての雪国だったのでしょうー歓喜の声を上げておられました。
私たち米沢人には、雪は、我慢と忍耐と辛抱を強いるものです。この雪の大変さは米沢に長く暮らす方であればあるほど、実感としてあります。現実だけを見れば雪の負の側面とそのイメージが大きいかも知れません。
ところで、ジャマイカの伝説的レゲエミュージシャンのボブ・マーリーの、彼の有名な言葉に、
“Some people feel the rain, others just get wet.”
「雨を感じられる人間もいるし、ただ濡れるだけの奴らもいる」
雪も同じです。雪を楽しめる人もいれば、ただ憂う人もいるのです。これだけの大雪が降る米沢です、政策としては、この現実を受け止めて、徹底的に雪の正の側面、プラスのイメージ、雪を楽しむ視点から、米沢市は、雪マーケティングの日本一、いや世界一を徹底的に目指してみてはどうでしょうか。雪の可能性を一度本気で誰もが追いつけないレベルまで全振りして考えてみることがとても大切なことであるように思います。
雪で大変な思いをしている市民の皆さんのご苦労を、なんとかそれでも米沢の未来につなげていきたいものです。
この度も最後までお読みいただきありがとうございます。
かわら版No.87