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かわら版No.75 宿泊税について 観光振興等の市の自主財源の確保は?
いつもお読みいただきありがとうございます。日々寒さが増す季節となりました。風邪等も流行っているようです、くれぐれもお身体にはご自愛くだいませ。
さて、今回のテーマは宿泊税です。近年各自治体の観光振興の自主財源として注目をされています。そんな中で会派では宮崎県宮崎市を訪問し、宮崎市が現在導入に向けて検討を進めている宿泊税を視察・調査して参りました。
宮崎市では、宿泊税のあり方を検討するため、宮崎市宿泊税検討委員会を設置して検討を進めています。背景・目的は、①人口減少傾向に加え、高齢化の進展により生産年齢人口や就業人口が減少するなど、税収減となる見込みであることから、新たな財源の確保が喫緊の課題であること。②誘客促進や観光消費額の押し上げに繋がる更なる施策を展開していくためには、安定的かつ持続可能な財源の確保も必要であること。このような状況を踏まえ、法定外目的税である宿泊税の導入検討のため、検討材料となる他市の導入状況把握や多様な視点から検討を進める機会が必要であることから、検討委員会を設置して導入に向けて議論を重ねてきたそうです。
①②は、米沢市にも当てはまる課題です。また、現在、米沢市には、財政政策の中の一つである財源政策、とりわけ自主財源政策について何か取り立てて推しているものがありません。米沢市には、早急に財政政策と財源政策を区別し、財源政策についても体系的で戦略的な徹底的な議論をしていただきたいというのが、私の願いであり提言です。
もっとも、小野川温泉街や白布温泉街を有する米沢市は、持続的に投資を行い、当地の付加価値を創出し、米沢の観光産業にとって重要な受皿となる米沢の温泉街に対して、これまで十分なバックアップはできているのでしょうか。この点、米沢市は、白布温泉街については、西吾妻山×天元台高原×白布温泉エリア リボーンプロジェクトとして、2020年4月1日~2025年3月31日(5年間)取組んでいますが、米沢市の観光産業の一丁目一番地というべき小野川温泉街にあっては目立った取組はなされていません。
やはり、米沢市は、小野川温泉街についても、米沢市の観光産業の最重要地ですから、最重要政策として、当地の具体的な振興策をその財源政策を含めて政策プロジェクトチームを編成し、取組むべきです。
さて、宮崎市では、宮崎市宿泊税検討委員会が審議を進めており、令和6年11月14日(木)時点で、第5回目の当該委員会まで開催されています。
宿泊税は、地方税として安定性と継続性があり、法定外目的税として、必要な財政需要の規模に応じて財源確保のための制度設計が可能です。特に宮崎市は、観光消費額が約960億円(令和4年度)で内宿泊費額は約280億・宿泊者数は約200万人弱と大規模であり、宿泊税を一律定額200円とした場合、約4億円程度の宿泊税収が想定され、それを市の自主財源として、観光振興に資する取組に活用するとし、①受け入れ環境の整備・充実、②観光資源の磨き上げ、③国内外のプロモーション、の3つの使途をお考えであるとのことでした。
米沢市にとって重要な視点は、持続的な自主財源を確保することで、地元の観光産業や温泉街などの皆様が、将来像の見通しや展望を持つことができ、具体的な計画や事業、行動することができるということではないでしょうか。宿泊税、そして、入湯税など各税の法的性質を適切に判断して、自主財源の確保に動いてほしいと思います。
この度も最後までお読みいただきありがとうございます。
かわら版No.75