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FX用語集:難読漢字編

FXの勉強をするにあたり,金融用語や経済用語を理解して,その都度覚えていけば勉強の効率がグッと高まるが,金融用語・経済用語には横文字も多いし,たとえ日本語であっても「普通そうは読まんやろ!」とツッコミたくなる読み方をする漢字も多い(いわゆる重箱読み・湯桶読みなどは当たり前).また,普段はあまり使わない言葉・漢字も多いから,いざ書けと言われると書けないものも多い.

本稿では,FXを中心に(金融・経済・財務分野も少し含めて),初見では確信を持って読めなかった,もしくは,漢字で書いてみろと言われても書けなそうな専門用語を独断と偏見でピックアップしてみる.「大人ならFXやっていなくても,その位の漢字知ってるだろ!!」などというツッコミは受け付けない.社会経験の乏しい限界オジサンなのだから大目に見て頂きたい.

ピックアップはするが,専門用語の正確な意味や定義を自分が述べるのは何か違う気がするので,意味などをすべての用語について書くことはしない.必要に応じて各自お調べ頂きたい.また,間違いを発見してくれた方は,優しく教えてくれたら嬉しい.


あ行

  • 相対市場(あいたいしじょう):「そうたいいちば」ではない.Over The Counter market(OTC市場)とも言われる.対義語は取引所市場

  • 一段高(いちだんだか):価格が上昇し続けたとき,何らかの原因でさらに上昇すること

  • 一目均衡表(いちもくきんこうひょう):一目山人(いちもくさんじん;細田悟一)という日本人が考案したテクニカル指標.One glance equilibrium chart.

  • 上影(うわかげ):ローソク足の長い上髭(うわひげ).対義語は下影(したかげ)

  • 上髭(うわひげ):ローソク足の実体の上の線分.対義語は下髭(したひげ)

  • 上値(うわね):「うえね」ではない.対義語は下値(したね).上値抵抗線(レジスタンスライン)など

  • 追証(おいしょう):追加証拠金(ついかしょうこきん)の略.英語ではmargin call.「ついしょう」ではない.湯桶読みの典型

  • 大口(おおぐち):機関投資家やヘッジファンドなど

  • 終値(おわりね):金融では「値」を「あたい」や「ち」とは読まずに「ね」と読む

か行

  • 下位足(かいあし):より短い時間軸のチャート.対義語は上位足(じょういあし).様々な時間軸のチャートを見て相場を分析することをマルチ・タイム・フレーム(MTF)分析という

  • 乖離(かいり):divergence.オシレーター系のテクニカル指標が実際の相場とは逆方向に向かって動いている状態.例)MACD:Moving Average Convergence/Divergence(移動平均収束乖離 or 移動平均収束発散)

  • 外為(がいため):外国為替,foreign exchange

  • 貸方(かしかた):財務用語で,貸借対照表の右側

  • 貸付(かしつけ):「たいふ」ではない

  • 賭ける(かける):bet.儲ける(もうける)と区別.

  • XX月限(XXがつぎり):「XXがつげん」ではない.例えば,先物(さきもの)取引の満期日(maturity date)が含まれる月が6月なら,その先物は「6月限」といわれる

  • 貨幣(かへい):money,通貨,お金

  • 上期(かみき):1年を半分に分けたときの前半.対義語は下期(しもき)

  • 借入(かりいれ):「しゃくにゅう」ではない.対義語は貸付(かしつけ)

  • 借方(かりかた):財務用語で,貸借対照表の左側

  • 為替(かわせ):「ためがえ」ではない.exchange

  • 元本(がんぽん):「げんぽん」ではない.原本(げんぽん:もともとの文書)と区別

  • 元利(がんり):「げんり」ではない.元本(がんぽん)と利子を合わせたもの

  • 緩和(かんわ):金融緩和は英語でmonetary easing,対義語は金融引き締めで英語はmonetary tightening

  • 期首(きしゅ):ある期間の始まり.対義語は期末

  • 期先物(きさきもの):期近物(きぢかもの)でないの先物

  • 期近物(きぢかもの):先物取引で限月(げんげつ)が最も近い商品

  • 既発債(きはつさい):既に発行されている債券.対義語は新発債(しんぱつさい)

  • 限月(げんげつ):先物取引の満期日が含まれる月.「きりつき」ではない

  • 控除(こうじょ): 一定額を引くこと.特に,収入から一定額を引いて課税額を求めること

  • 現物取引(げんぶつとりひき):通常の取引.信用取引・先物取引・オプション取引などと区別される

  • 国庫(こっこ):「こくこ」ではない.立法・司法・行政の機能の主体としての国と区別して,財産権の主体としてとらえた場合の国のこと

  • 後場(ごば):午後の取引市場

さ行

  • 裁定取引(さいていとりひき):arbitrage.異なる市場における同じ商品の価格差を利用して利鞘(りざや)を稼ぐ手法

  • 裁量取引(さいりょうとりひき):discretionary trade.対義語は「システムトレード」

  • 遡る(さかのぼる)

  • 先物(さきもの):英語ではfutures.取引所取引の一種.注意したいのは,国内で為替先物は上場されておらず,「為替先物取引」と言ったらそれは「為替先渡取引」のことを指す場合が多いこと

  • 先渡取引(さきわたしとりひき):フォワード取引.相対取引(あいたいとりひき)の一種.

  • 差金決済(さきんけっさい):差額決済とも.英語ではContract For Difference(CFD).対義語は現物決済(げんぶつけっさい)

  • 指値(さしね):値段を指定して注文すること

  • 三空(さんくう):4つのローソク足がすべて隙間(窓という)を空けて並んだ状態で,逆張りのチャンス

  • 三山(さんざん):下落相場への転換サインとなるチャートパターン

  • 三川(さんせん):上昇相場への転換サインとなるチャートパターン

  • 三尊(さんぞん):下落相場への転換サインとなるチャートパターン.ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ.逆さまになると逆三尊(ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム)となり,上昇相場への転換のサイン

  • 三兵(さんぺい):連続する3つの陽線(陽の三兵)や陰線(陰の三兵)で,順張りのサイン

  • 地合い(じあい):相場の状態

  • 地金(じがね):金属を塊(かたまり)にしたもの.鋳塊(ちゅうかい)やインゴットとも

  • 直物取引(じきものとりひき):スポット取引.対義語は先物取引

  • 市場(しじょう):英語ではmarket.「いちば」ではない

  • 実需筋(じつじゅすじ):対義語は投機筋(とうきすじ)

  • 尻尾(しっぽ):底値付近のこと.「頭と尻尾はくれてやれ」は投資格言

  • 下値(したね):「しもね」ではない.対義語は上値(うわね).下値支持線(サポートライン)など

  • 下髭(したひげ):「しもひげ」ではない.ローソク足の実体の下の線分.対義語は上髭(うわひげ)

  • 四半期(しはんき):1年を4等分したうちの1期間(3ヶ月)

  • 下期(しもき):1年を半分に分けたときの後半

  • 週足(しゅうあし):時間軸が週のチャート

  • 収支尻(しゅうしじり):収入から支出を引いたもの

  • 償還(しょうかん):債務を返済すること.redemption(動詞:redeem)

  • 證券(しょうけん):証券の旧字.securities.証券化はsecuritization

  • 譲渡(じょうと):有償・無償を問わず,財産や権利を他人に移転すること.有償の譲渡は売却,無償の譲渡は贈与

  • 新発債(しんぱつさい):新しく発行される債券.対義語は既発債(きはつさい)

  • 出納(すいとう):出し入れ.「しゅつのう」ではない

  • 成約(せいやく):「じょうやく」ではない.約束が成り立つこと

  • 前場(ぜんば):午前の取引市場.対義語は後場(ごば)

  • 蔵相(ぞうしょう):大蔵大臣(おおくらだいじん)の略

  • 相場(そうば):「あいば」ではない

  • 遡求(そきゅう):recourse.手形・小切手の支払が拒絶された場合に,その所持人が裏書人・振出人などに本来の支払の代償として一定金額の支払を求めること.償還請求とも

  • 底値(そこね):一番低いときの値段

  • 損切り(そんぎり):英語ではstop loss(S/L).ロスカット(loss cut:強制決済)と区別.対義語は利確(りかく)または利食い(りぐい)

た行

  • 高値(たかね):高い値段,または,ある期間で一番高い値段.対義語は安値(やすね)

  • 他行(たこう):よその銀行.「たぎょう(よそへ行くこと)」ではない.

  • 建玉(たてぎょく):英語ではポジション.「たてだま」「けんだま」ではない.金融では「建」は「たて」,「玉」は「ぎょく」と読む

  • 建値(たてね):ポジションを建てたときの価格

  • 騙し(だまし):チャート上でトレンドの継続や反転を示唆するシグナルが出たものの,その通りに価格が動かずトレーダーが予測を誤る状況.

  • 月足(つきあし):時間軸が月のチャート

  • 強含み(つよぶくみ):相場が上がり気味の状態

  • 定款(ていかん):会社を起こすときに作る企業の原則が書かれた書類

  • 出来高(できだか):売買された商品の数

  • 梃子(てこ):レバレッジ

  • 手仕舞い(てじまい):保有ポジションを決済すること

  • 騰(とう):価格が上がること.弱い順に,堅調<急騰<暴騰.下がるのは弱い順に,軟調<急落<暴落.

  • 堂島米会所(どうじまこめかいしょ)

  • 途転(どてん):リバース注文

な行

  • 仲値(なかね):金融機関が外国為替取引をする際の基準となるレート

  • 値頃感(ねごろかん):価値相当またはお得な値段である感じ

  • 値幅(ねはば):価格の変動幅

は行

  • 場味(ばあじ):相場の調子や傾向

  • 始値(はじめね):ある期間で初めに成立した取引における価格

  • 破綻(はたん):物事が綻(ほころ)びて,繕(つくろ)えないほど手詰まりになること

  • 日足(ひあし):時間軸が日のチャート

  • 補填(ほてん):補充(ほじゅう)と似ているが,損失した分すべてを補うのが補充で,補填は損失を部分的に解消すること

  • 本間宗久(ほんまそうきゅう):山形県酒田出身の米相場師.酒田五法,ローソク足の考案者

ま行

  • 区々(まちまち):銘柄によって価格の上げ下げがちがうこと

  • 名目(めいもく):対義語は「実質」.多くは,「インフレを考慮していない」という意.名目金利など

  • 目線(めせん):チャートが持つ優位な方向.上目線(うえめせん)または下目線(しためせん).

  • 儲ける(もうける):賭ける(かける:bet)と区別

  • 保ち合い(もちあい):「たもちあい」ではない.揉み合い(もみあい)とも.英語ではconsolidation

  • 戻り値(もどりね):下落トレンド中の一時的な値段の上昇

  • 揉み合い(もみあい):買いと売りが拮抗(きっこう)しているときに現れる相場.保ち合い(もちあい)とも.英語ではconsolidation

や行

  • 約定(やくじょう):「やくてい」ではない.売買が成立すること

  • 安値(やすね):安い値段,または,ある期間で最も安い値段

  • 翌日物(よくじつもの):インターバンク市場で行われる短期の資金貸借取引の一種

  • 呼値(よびね):買いや売りの意思表示がなされた取引の希望価格

  • 寄付(よりつき):相場が始まったときの初めの値段.「きふ」ではない

  • 弱含み(よわぶくみ):相場の下がり気味な状態

ら行

  • 蝋燭足(ろうそくあし):ローソク足と書くのが一般的

  • 利確(りかく):利益を確定する決済取引.対義語は損切り(そんぎり).英語ではtake profit(T/P)

  • 利鞘(りざや):売買によって得られる差額の利益金.値鞘(ねざや)とも

  • 両建て(りょうだて):買い建てと売り建てを両方保有すること

  • 利付債(りつきさい):クーポンの付いた債券.対義語は割引債(わりびきさい)

外国語

  • bp(ベーシスポイント):basis pointの略.万分率の単位.1bp=0.01%.例:12bps=0.12%

  • bulge(ボージ):ボリンジャーバンドのbandwidth(バンド幅$${4\sigma}$$をミッドバンドで割ったもの)の極大点.「バルジ」と読みたくなるが,エルは殆ど無声音.極小点はsqueeze

  • LIBOR(ライボー):London InterBank Offered Rateの略.ロンドン銀行間取引金利

  • MACD(マックディー):Moving Average Convergence/Divergenceの略.移動平均収束拡散手法

  • pip(ピップ):percentage in pointの略.複数形はpips(ピップス).さまざまな通貨ペアで用いることのできる通貨の共通単位.例:ドル/円なら12pips=0.12円(12銭),ユーロ/ドルなら12pips=0.0012ドル

  • REIT(リート):Real Estate Investment Trustの略.不動産投資信託

  • TONA rate(トナーレート):Tokyo OverNight Average rateの略.無担保コール翌日物金利


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