【感想】漸近線、重なれ※ネタバレあり
2024年4月1日19:00
初日観劇しました。
あと4回観ます。
まとまりのない感想があっちゃこっちゃいってるけどゆるして。
舞台を観て、こんなに登場人物の心情とか、人柄について考えたのは初めてかもしれない。
パンフレットを読んで納得したけど、役者は物語をみせるのが仕事、みたいな話をしてて、なんか、二人の思うつぼでしたね。
“僕”の優しすぎて擦り切れてしまいそうな性格がとても寂しくて、綺麗だった。
いつも誰から見てもわかりやすい、フィジカルの強さを生かした役を充てられることが多いけど、今回の役は『動』を理解して実行している人じゃないと表現できない『静』だと思う。
そんな洋平さんを優しく見守って、支えている小沢さんがこれまた素敵なんだなあ。
“僕”が音楽を辞めた人であること、が私との共通点でした。
音楽って高尚そうに言っても、ただの小学校のブラスバンド部なんですけど。笑
ボカロや打ち込みを目の前に、自分が演奏することの意味を見いだせなかった僕
顧問の先生に「演奏したいだけならパソコンで打ち込めばいい、楽器で演奏する意味を考えなさい」と言われ、答えを出せなかった私
ピアノを買ってもらえなかった僕
トロンボーンを買ってもらえなかった私
でも、音楽を嫌いになったわけではなくて。
離れただけで、音楽っていう存在は隣にいるんだよね。
母親に「他人」と言われて悲しそうな僕を見て、ああ、洋平さんだなあって思った。
私は、血の繋がりがあろうが、いくら仲が良かろうが「結局は他人」っていう意識が強いほうなので、割と母親寄りの考え方。
昔からみんなに愛されて、みんなを愛している洋ちゃんには、ある意味理解のできない考えなのかもしれない。
だからこそ、あんなにわかりやすく『悲しくて寂しい顔』ができたんだろうなあ。
あ、いや、たぶん、理解はしてると思う。
でもその、考え方の基礎が、他人を他人と考えてこなかった人だから、あの表情ができるんだなって。
私には、きっとあの表情はできないから。
大丈夫かな、伝わるかな。
結論、そんな、天然記念物みたいに大事にされてきた洋ちゃんが好きだなって話です。
『同じ平面上にある』がこの物語の希望の光なんだと思った。
その考え方は私の中になかったなとも思った。
自分の考えが変わるほどではないけど、重ならない、でも隣にいる、その事実を知れただけでも、少し嬉しいような、今日よりも少し明日の景色が明るく見えるような気がします。
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