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建築が生き物のように感じられる

 現代の建築にとって断熱材は欠かせないため、ほとんど全ての建築がまるで皮下脂肪のように断熱材を抱えているという例えは、建築を生き物のように捉えた愛着ある表現だと感じます。生活のほとんどを建築の中で生きている私たちにとって、建築は私たちを守るものとして最も直感的に認識され、アスファルトで覆われた地面ばかりを歩いていると、現代人にとって母なる大地はいつしか母なる建築に置き換わっているのではないかと思えてきます。それほど大地との感覚的な接触の体験が減っている気がしています。

 ところで、建築業を生業としていると、地盤調査や解体現場などで、アスファルトが剥がされ土が露出したとき、いつも圧倒的な母なる大地を感じさせられます。大地に支えらて建築が立ち上がるということを感覚的に体験するからだろうな、と。最近では通勤路で同時に複数の住宅建替え工事が進んでおり、そっと覗いて大地との繋がりを確認したりして…この体験は、私は登山を趣味としているけれど、山では感じられない都市ならではのダイナミズムだと感じます。

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