《 some ori 通信 》15通目のメルマガ【黄茶の染料号】
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こんにちは。
五月も終盤、緑が濃くて、虫が飛んで、夕方いつまでも明るくて、初夏の様相となってきましたね。
お元気いらっしゃいますか?
最近、ずっと気になっていた染料のある「色」について調べました。
専門的になりますが、今日はそのことについて書こうと思います。よかったら、お付き合いください。
《 目次 》
1. 黄茶の染料
2. 教えを乞う
3. 染料店
4. ほんまもんの目利き市
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1. 黄茶の染料
私が絹糸を染めるのに使っている染料は、「酸性染料」です。染料はいろいろあるのですが、特に絹を染めるのには、この酸性染料が最適と思っています。色数が豊富で、混色が自由で、発色がきれいなところが長所です。
ところが、長年使っていて、自由に色が出せるはずなのに、困った色が一つあるなと思っていました。「黄色に寄った茶色が思った色と濃度にならない」のです。
長年の懸念でした。
赤茶系は思った色になるのですが、黄土色を含む黄色味の茶色は、染料を調合して色を作るのに大変難儀していたのです。
染料の仕入れ元も、田中直染料店と藍熊染料店の2社使ってますが、どちらで買ってもうまくいかず。田中直さんには思う色の商品がなく、藍熊さんには黄系の茶色はあるのですが、濃度が薄いのです。
どうしてもうまくいきません。
2. 教えを乞う
それで、解決するぞと決心して、教えを乞いました。一人でもんもんと悩んでいても解決しませんものね。
質問させていただいたのは、このsome ori 通信でも以前ご紹介した染太郎先生です。私、先生には絶対の信頼を寄せております。染めの神様!
ありがたいことにすぐにお返事いただいて、黄茶の色がないなら混色を試せと。
この混色、もちろん、今までもやってましたが、ごくごく薄めてやってみるというのが、染太郎先生のアドバイスでした。濃いと効果が見えにくいと。
絵皿にとって、10~20倍にも薄めるのです。それを筆先で、ごく少量から混色して行く。そして布に垂らしてみる。クマになれば均染剤を使う。
なるほど。すぐ実験です。
茶系2色と補色の緑系3色を少しずつ調合していきましたが、エンドレスで組み合わせがあります。結果、欲しい色そのものズバリではありませんが、「この傾向の色が欲しい」というまでは導くことができました。もっと粘ってやれば、きっと、ズバリが出せると思います。
3. 染料店
求める色は出せそうになりましたが、私の中のモヤモヤはまだ払拭されません。それは、なぜ、黄茶を染めるちょうどいい濃度の染料が売られてないの?という疑問です。
それで、発売元の藍熊さんと田中直さんに電話して、聞いて見ました。
その結果わかったのは、茶系の染料はもともと微妙で、黄茶の色素はとても薄いのだそうです。調合して作るのはすごく難しいものだってこと。黄色は特に要注意。それを分かって使いこなすしかない。
例えば、絵の具や顔料は、物質と物質が混ざって混色されるから目で見て分かるけど、染料はそこのところがちょっと違って、繊維に染みていって初めて着色される。
むー。
染料への探求はまだまだ続きます。
4、ほんまもんの目利き市
善林英恵さんとコラボで作っている鞄が、この度、京都で初お目見えです!
「ほんまもんの目利き市」と銘打ったフリーマーケットに展示スペースを設けてくださることになりました。
A4サイズが入る、カジュアル着物にあう鞄。もちろん洋服にも大活躍。ぜひ手にとってご覧ください。
5月27日日曜日、京都上京区笹屋町で、1日限りですので、関西にお住いの方はもちろん、この日、京都にお出かけになる方も、どうかお見逃しなく。
詳細は以下のブログをご覧ください。
http://www.someoriyoshida.com/blog
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
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