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コロナ禍で結婚式をキャンセルした話〜業者との闘い〜

前回は中止するまでの経緯を書いた。今回はその間起きた業者との闘いについても記録しておきたい。

まず、式場の対応に特に不満はない。元々の契約も一回までの日程変更は費用負担なしでOKとなっていたし、あれだけ情報が錯綜していた中担当の方は親身に対応してくれた。

問題は二次会代行業者だ。「コロナでも開催できる、にも関わらずキャンセルするのは客都合」という主張を頑として譲らなかった。呆れる。

契約書に「感染症の流行で開催できない時は不可抗力が成立する」と書かれているのに、ここでいう感染症は第一類感染症であり、コロナは第二類感染症のため該当しないとのたまった。

バカか。

でももっとバカなのは私であった。

今ならいやいやそれは違うでしょうと反論できる余地がいくらでもあると思えるのに、当時の私はそれを聞いて、そうなんだ…じゃあどうしよう…と顔面蒼白だった。大バカである。

その後も、自己都合ではなくコロナ理由によるキャンセルだからキャンセル料は満額負担はしないと主張する私と、キャンセル料は規約通り支払え、と譲らない業者とで平行線になった。

何度もやり取りするうちに相手もイライラしてきたのか衝撃的なメールを送ってきた。

タイトルには「最終通告」というそれらしい文言も加えてきた。

内容はこうだ。

私からの要求が悪質過ぎてもはや悪意しか感じない。さっさと規約通りの金を支払え。応じないなら裁判するしかない。裁判するにあたり弁護士を雇うがその費用も含め裁判にかかる費用は全部請求する。覚悟しとけ(とまでは言ってない)

笑える。必死すぎる。一消費者相手にここまで脅し文句を羅列するほど怒っているのだ。

ここまで怒っているので裁判について行政書士に問い合わせると、弁護士費用や裁判費用を裁判前に相手に請求することはできない、というかそういう決まりはないとのこと。

アメリカでは裁判に負けた方が支払うという制度があるらしいが、日本ではその制度を採用していない。敗訴した時の費用負担を恐れて訴える人が減ってしまうということを懸念してのことだそうだ。

もちろん、敗訴した方が裁判費用の負担をするケースもあるだろうが、そうだとしても裁判後に決まることであって訴える前から相手に請求することなどできるわけがない。

ましてや今回争っている金額は微々たるもので訴訟としては少額訴訟に分類される。裁判するためにかかる印紙代や手数料なども数万だ。

ちょっと調べれば誰でもわかってしまうようなこんなことを脅しに使うとは、稚拙過ぎてお粗末すぎてもはや哀れだ。

しかしここでも、もっと哀れだったのは私だった。どんだけ愚かなのだ私よ、と当時の私に突っ込みたい。

何と私はこのメールを受け取って読んだ瞬間ショックと怒りと悔しさで家で1人携帯を前に泣き叫んだのだ。狂気の沙汰だ。

そのままの勢いで親や兄弟に連絡し、結婚式をしなければよかったと泣き喚き、少し前に有料(1万払った)相談していた弁護士にも電話して、あんたの言う通りに交渉したのに裁判沙汰になったらどうしてくれる、もう死んでやると怒鳴った。メンヘラの本領発揮だ。

さらに、最初に業者と交渉していた夫にも噛みつき、そもそもあなたの初動が間違ってたからこんなことになったんだと激務で疲れている夫を夜な夜な責め抜いた。こんな私と婚姻を継続しようと思ってくれた夫には感謝しかない。

その後、一通り泣いた後闘うのも疲れた私は、業者にはもう滔々とお金がないことだけを訴えよう、と思い至った。

実際に私はコロナの影響で退職し、夫もコロナの影響で減給を余儀なくされ生活の余裕はなかった。

そんな中でのキャンセル料請求に心身ともに打ちひしがれ、お金もないし争う力もない、払いたくても払えないことを業者にメールした。

すると業者からの返信は↓

事情は分かった。でも自己都合には変わらないからキャンセル料は払ってもらう。ただし、半額にしてやるよ。

というものだった。

いよいよ疲れ果てた私は、この内容で合意した。

キャンセルを申し出るまでの日々私たちが円滑に二次会を遂行できるよう色々と対応してくださった労力(メールのやりとり2、3回のみ)への対価と、コロナ不況で路頭に迷ってしまうかもしれない哀れな業者への募金として、キャンセル料を支払った。

かくして、愚かな業者と、もっと愚かな私との互いに精神を磨耗しただけの闘いの日々は幕を閉じた。

最後までコロナは関係なくキャンセルは自己都合だと譲らなかった彼らは、感染が全世界で収まりようがない今のこの状況を踏まえて何を思うのか知るよしもないが、彼らに二次会の運営を任せなかったことは正解だったという事実は疑いようがない。

続く。




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