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シャニアニ2nd先行上映備忘録―要約すると、大感謝


 朧げな記憶のメモ。


 1話。
 あさひの、会話の間合いとトーン、動き、全部良過ぎる。1st LIVE後の忙しくなってきた日常に、あさひの登場によりテンポが加速していく感じのワクワク感が堪らない。
 「真乃ちゃんはどんなアイドルになりたいっすか?」「(頑張るって)何をっすか」という問いは、2ndシーズン通してのテーマになっているわけですが、なんであさひが真乃にそんなこと聞いたのかについては、2話────『straylight.run() playback』という遡る形で回収されるのもわかりやすい。
 ストレイライトのライブを見届ける283プロの面々の表情も印象的で、バチバチのWDCによる開幕にこちらとしても胸が躍る。

 ────というか、OP(プリズムフレア)、曲も映像も良すぎるんだけど!? 


 2話は、『straylight.run()』を20分尺に、かつ1話に広がりを持たせるように再構成・改変した回。シーンによって劇伴(BGM)もコミカルで、かなりテンポ感がある。シンプルにめっちゃ直感的に面白い。
 あと、1話の「負けない」が2話によって、多層的になる構成も好き。 
 原作を知っているとあの台詞も聞きたかった!と思うことはあれど、かなりキャッチ―に纏められていた印象。これだけキャッチーで、1話との接続と広がりをこれだけ持たせているのが本当に凄い。ストレイライトのコミュ、動くと見ごたえあるな~


 3話。4話へのブリッジパートでありつつ、シャッフルによる7、8話への導線にもなっている良い構成。
 咲耶さんとまみみのやり取り、甘奈と甜花ちゃんの秘密のくだりの表情……。こういう描写が本当に好き。
 テンポと密度のある回なんだけど、それに反してゆったりとした劇伴の主張が強くて、ちょっとふふってなる。4話のカタルシスのための印象付け?


 4話。最高。びっくりして、ハッピーになりました。
 まず、作画が凄い、曲が好き。特筆するなら、個人的にはMidnight Parade。まず、trapが劇場音響に激ハマり。こういう場での808はやっぱり偉い。そして、映像も良い。
 このハロウィンライブ回は、今まで観た全アニメのライブシーンの中でも断トツで観客になった気分になった。自分が今まで行ったシャニのライブと同じ感覚なんですよ。もはやデジャヴ。全ての空気感が現実のライブ。
 なんというか、アニメじゃないんですよね(?)。脚本化されていないというか、アニメよりライブ映像の方が近い。描いているというより、撮っている。あるいは、視線の先。
 これは3Dアニメだからこそっていうのもあると思います。アイドルを描くのではなく、アイドルにフォーカスを当てるという映像だからこその産物かもしれない。
 自分はアニメを観る時は、映像と自分との間に必ず境界があって、没入こそすれど映像と自分が溶けるような感覚ってないんですが、だからこそ、この回は衝撃でした。これは自分がライブ行ってるのと劇場っていうのもあると思います。あと、ワクワクしながら観てるのもある。それはもう、ライブじゃん。
 2期になってクオリティアップした映像、マジで劇場映えして好きだなぁと改めて。モデル自体がイラストベースの書き込み量だから、そのまんまシャニマスの映像化って感じになってる。


 5話は、天塵(前半)。かなり攻めてて、BGMも少なく、間を遠慮なしに取っている。ゲームでは生まれない空気感が出ていた気がします。
 嬉しかったのは「パリ」の話を雛菜と透がするパート。これって「海の向こう」の話をしてるっていうメタファーで、円香・小糸サイドの海や河原との対比、それによるミスリード等、原作ではこれが凄い機能してるので、この台詞入れてくれてありがとうの気持ち。
 あと、TV番組のところめちゃくちゃ良かった。現場の空気感とか、思ったより透キレてるなとか、「ほたるこい」の感じとか、踊ってる時の視線・表情とか……アニメだからこそ感じられた部分が沢山あって満足。


 6話は、5話のその後と、ブリッジパート。天塵の後半は、原作では花火大会でのライブですが、その立ち位置がアニメでは(2nd12話の)ツアーライブのステージになっていますね。今思い返すと、この構成がシャニアニ2ndを綺麗にまとめ上げているなと思います。流石に花火大会も観たかったけどやむなし。
 『アジェンダ283』を思わせるクジラのくだりが印象的で、実際これは11話に繋がってくる。


 7話。1期からアンティーカファン感謝祭シナリオの気配は匂わされてはいて、2ndでもちょくちょく伏線はあったわけですが、ついにという感じ。
 間や声色で、気まずさというか、言ってしまえない感じとか壊してしまうのを恐れる感じとかが凄い伝わる。なんかすごいリアル。反応や表情も、発見が多くて良かった。原作に+αがありつつ、アニメ化の特権も十分に浴びれたという感じ。
 愛しているものがただ幸せでいて欲しくて、その枷になりたくなくて。取り残されてしまったとしても、自分の心にはずっと居て、それでいいと言うには寂しくて。
 そんな彼女に向き合い、その胸で泣くことを受け入れてくれる場所がアンティーカなんですね。

 咲耶STEPも割と最近追加されたこともあり、一層グッときた回。
 ここから新曲と手書き文字タイトルラッシュ。もはやタイトルの文字は対比でしょこれ。この文字の演出、バチバチにハマってて泣かせに来てる。


 8話。ありがとう。
 原作の『薄桃色にこんがらがって』とはまた違った生感のある演技が刺さって感涙。20分って短い〜とは思いつつも、もう反対ごっこが余すことなく観れただけで嬉しい。アニメだけ見ても、1stのアプリコットや2ndの諸々の文脈はありますが、原作を知ってるとより3人の気持ちが汲み取れて、もう……


 9話。大筋の要素としては『The straylight』の一部。『The straylight』のアニメ化、というよりは、2ndシーズンのテーマの応える形で愛依ちゃんについての言及回という感じ。同時に、あさひのミュージカルのくだりや冬優子の考え方など、ストレイライトとしてもアイドル個人としても、これ以降原作では言及されていくものが顔を覗かせる回でもあります。ED後のシーンがめちゃくちゃ好き。


 10話。暖かいね……
 ちょこ先輩(【かきまぜたら*ミルク】『夢と憧れを追いかけていた』『バイバイ、そしてはじめまして』『大好きなクライマックスへ』)回なんだけど、「どんなアイドルになりたいか」という問いを全員に与えることで、他の放クラの面々からもGRADあたりの文脈を感じれるのも良かった。
 そして、「どんなアイドルになりたいっすか」「(頑張るって)何をっすか」にかなり直接的に沿ったお話でもある。EDの新曲が本当に良くて、サビで放クラのそれぞれの答えが書いてあるのが映し出されるのがズルい。あとやっぱり手書きタイトルの破壊力。
 これをきっかけに、プロデュースシナリオや【砂糖づけ・ビターエンド】【うつくしいあした】【はじめましてラストダンス】等、他のコミュを読む人がいたら嬉しいなぁ。


 11話。個人的激刺さり回。
 透GRADの表現を交えて透にフォーカスを当てた話でありながら、ある意味で2ndシーズンを象徴し、まとめ上げて最終話に向かう話でもある。
 世間が祀り上げる偶像を生かす、SNS上の♡───心臓の鼓動。何もしていなくても、ただ"撮られる"だけで、"浅倉透"は生きているのだとして。反してその被写体自身───透は、自分の息が白くなるのを見て「こうしないと生きているかわからない」と溢す。
 1話の「(頑張るって)なにをっすか?」という問いが去来する。被写体でいるだけで勝手に生きていることにされるのだ。その心臓の音は誰も捕えない。ただ消費者の♡だけがその偶像を生かすとするなら。何を頑張ればいいと言うのだろう────。
 そうして、あさひの問いをかつて受けた真乃との会話が描かれる。

 シャニアニ2ndの7-11話は、その結末が途端に世界を動かしたわけではない。
 エンタメ化された激情ではなく、どこまでも彼女たちのスケールで、静かに膨らんだ混沌と向き合う。
 問いを終わらせることではなく、一歩踏み出す────走り出す話なのだ。

 そうして、その足は、最終話のステージへ向かう。






 12話(最終話)。













 良すぎる~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 なんですかこれは。ありえない作画の良さなんですけど。表情、カメラワーク、全てが最高のライブシーン。


 まず、誰もいない、明りも点いていない会場を、真乃が「まるで息をしていないみたい」というところが好き。11話の透の言葉から繋がる台詞でもあって、逆説的にそこが海になるという流れにもなっている。飛べるんだって。クジラ。

 イルミネ『星の数だけ』。なんでイルミネの歌ってこんなに良い?
 最初のライブと対照的に、胸を張ってステージに立ってるのも良い。
 11話のめぐるの「一緒じゃないけど、一緒だよね」に微笑む3人が、そうしてその光がノクチルに届いていくのを見れて嬉しい。

どんな日も
迷い道の今日も ムダではないよね
今はただ 踏み出そうって
心の声が聞こえる

星の数だけ/イルミネーションスターズ

 7-11話を象徴するような歌詞。迷うことを肯定して、それでも踏み出そうとする人へのエール。イルミネーションスターズは、そんな寄り添うような光を届けてくれる。


 そして、『いつだって僕らは』。
 息をしている会場の光に海を見出し、いつかの無邪気さで、ステージを駆けていく。その表情がとにかく良い。
 てか、作画もカメラワークもえぐい。『いつ僕』って決して振りが激しいわけではないのに、ものすごくダイナミックだった。それが彼女たちの感情とシンクロして見えて、最高の映像。

 で、『プリズムフレア』。OPがここにきてついに、という感じですが、これがまたありえん最高……
 表情がもう全て。で、歌詞をよく聞くと、いや、これまさに2nd seasonじゃん、って。
 フルだったわけですけど、最後の方は「終わる~~……!」という悲しさも感じつつ、満たされた気持ちでした。


 とにかく、ありがとうございました、の一言です。











 いや、3rd seasonやってくれ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~










 『桑山千雪のパジャマ・ジャム・ジャミング』聞きながら書いていたんですけど、めちゃくちゃ良いですねこれ。毎月やって『桑山千雪のパジャマ・ジャム・ジャミング』。



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