お店で使っている茶器の話②
こんにちは。名古屋で伊勢茶カフェの店長をしています、松本壮真です。
すいません、『毎日投稿チャレンジ』唐突にだいぶサボってしまいました…。
今日からまた再開します。
途中まで書いてそのままになっていました…。なので時間軸的に文章がおかしい部分があるかもしれません。
今日は前回の続きで、お店で使っている茶器の話をします。急須の話ですね。
この「ひとしずく」は革命的でした。つくり手はさんはおそらく気づいていなかった気がしますが、お茶業界の常識が覆りました。「最後の一滴まで絞りきれない」んです、この急須。でもウチは使っています。それは、むしろ最後の一滴まで絞りきれない方が結果として良かったからです。
※ステマではないから商品名は書かないと前回書いたのですが、さすがにこの特徴的すぎる形は調べたらすぐ出るので商品名書くことにしました
特徴的な形の「ひとしずく」
コレ実はですね、ちょっと気をつけた方がいいです。というのは、急須の網目が粗めなので深蒸し煎茶には向きません。深蒸し煎茶の茶葉は細かいので急須の網目から出てきちゃうんです。『あれ?深緑茶房は深蒸し煎茶専門じゃないの?』と思っていただいた方、よく知っていただいて嬉しいです。
深緑茶房は深蒸し煎茶専門店?
その辺少し説明しますね。「正直、美味しければ何でもいい」と思う方もいると思いますが、それでも「深蒸し煎茶」「普通煎茶」など説明しますね。笑
深緑茶房は深蒸し煎茶専門店です(※深蒸し煎茶の説明は下記の米印)。これは加工する蒸し器が『深蒸し専用』のものを使っているからなんです(火力とかも強めです)。なので定義上は深緑茶房のお茶はすべて「深蒸し」です。ただ一見、「深蒸し」「浅蒸し」みたいに考えてしまいがちですが、本当はもっと細かいんです。「蒸し時間の短い深蒸し」「蒸し時間の長い深蒸し」とかがあるんです。というわけで、深緑茶房の『茶寿』『千寿』『深緑』といったお茶は「蒸し時間の短い深蒸し」です。
『茶寿』『千寿』『深緑』は全国的にも珍しい程の早摘みのお茶なので、芽が若く繊細なんです。なので長く蒸しちゃうとボロボロになってしまうので、短い蒸し時間で仕上げます。
※深蒸し煎茶とは、普通・浅蒸しの煎茶に比べて2〜3倍ほど時間を掛けて蒸す製法で、煎茶に比べて茶葉が細かく、渋味が出にくかったりします。見た目で判断する方法としては、ザックリ「黄色いお茶は(普通・浅蒸し)煎茶」「緑色のお茶は深蒸し煎茶」です。
長くなりました。話を戻します。
再び「ひとしずく」急須の話
そんなわけで、『ひとしずく』を使う際の注意点を2つ。
①茶葉の細かい深蒸し煎茶は向きません
②普通に淹れると急須の中にお茶が残ります
『ひとしずく』に使うのは『千寿』『深緑』で、蒸し時間が短くて茶葉がしっかりとしているお茶です。これで①のデメリットをクリア。
②なんですが、これ一見大問題です。お茶業界は何十年も(もっとかな?)「最後の一滴まで絞りきってください」と言ってきたからです。絞り切る理由としては「最後の一滴が濃い」「急須の中にお茶を残すと2煎目以降に渋味が出る」が主に挙げられます。
いや、それが絞りきれないってもう欠陥品じゃない?って話です。
最後の一滴まで絞り切る必要はあるのか
ご安心下さい。この「最後の一滴まで絞りきれない」って実はメリットなんです。………これすいません、お茶に詳しい方じゃないと何言ってるか全然わかんないかもしれないです笑
これって本当に衝撃の事実で、何十年も常識とされていた事がひっくり返ったんですね、実は。
僕もこの「最後の一滴まで絞りきれならない」という方法は知りませんでした。この方法はお茶教室に来てくださっている『薫風流』の先生からお聞きしました。『薫風流』では実は1煎目のお茶をあえて「残す」そうなんです。「2煎目も美味しく飲むために残す」という淹れ方をするんですね。
それを聞いて実際にやってみたんです。
そうすると、「急須にある程度お茶を残したほうが2煎目もしっかりと旨味を感じる」事ができました。
あれ?じゃあ「急須にお茶を残すと渋味が出るっていうのは嘘?」という話になりますよね。でもこれも本当でした。15分くらいほうっておくと、確かに2煎目で渋味を強く感じる味になりました。
つまり結論としては、「15分以内なら急須の中にお茶を残した方が2戦目も旨味や甘みをしっかり感じる事ができる」という事がわかりました(お茶によって時間に差があるかもしれません)。急須の中にお茶が残っても全然OKという新しい常識を発見できました。
こういった結論に至った事で、深緑茶房名古屋店では「ひとしずく」という急須をつかっています。今日書いたように、いくつか使う際のポイントはありますが、それさえ守れば見た目にも癒やされますし、よい急須だなと思っています。
今日はここまでにします。
ではまた明日。
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