「5年後に引き継ぎたい」が、候補者がいません【情熱社長倶楽部】VOL.215
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【今週のご相談内容】
私は、二代目経営者です。
20代後半で創業者だった父が
突然亡くなったところから代表となり、
右も左も分からないまま
なんとか事業をここまで守ってきました。
ただ、私もいつまでも経営者で
いられるわけではないので、
事業承継について考えていかなくては
いけないと思っています。
なので「あと5年には・・・」と思っているのですが、
そんなに簡単にいくわけもなく、
時間だけが過ぎている現状です。
同じ会社に同族で会社を継いでくれるような
社員もいないですし、今幹部を任せている社員にも、
会社を任せられるかと言われれば、
そうではないのが正直なところです。
ここから、代表を継いでくれるような社員を
育成していきたいと思っていますが、
どれくらいの時間をかけて、
どのように育成していけばいいでしょうか。
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【今週の回答】組織人事コンサルタント 濱川 桃子
ご相談いただきありがとうございます。
今回は濱川が回答させていただきます。
お父様から引き継がれ、いよいよご自身も
引き継ぐ側として今後の企業の在り方を
考えられていらっしゃるのですね。
最近は事業承継に関する話題を
非常に身近なところで耳にする機会が多くあります。
弊社のクライアント様においても、
営業活動として出会う経営者様においても、
同族承継や内部昇格の話はもちろんですが、
ここ1、2年では、M&Aを検討され譲渡企業側、
また譲受企業側のどちらのお話も
お聞きすることがかなり増えている印象で、
皆さんがお悩みの課題かと思います。
そこでご質問にある、後継者育成にどの程度の
時間をかける必要があるかという点においては、
どのくらいの期間をかける、というよりも、
【いつまでに引き継ぐかを明確にする】ことが
最も大切かと思います。
これまで出会った経営者様で
「あと〇年ぐらいには~」と願望レベルで
考えられている方は残念ながら、
どんどん先送りにされがちです。
ただ目安として、事業承継の意思を伝えてから
次期経営者様が就任する期間として
最も多いのは、【5年】という
アンケート結果があるようですし、
実際に私が今クライアント様で
お付き合いさせていただいている企業様も
約5年で引継ぎの期間があり、
今年の11月に事業継承されるそうです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
そして、どのように育成するかですが、
まずはご自身が今経営者として行っていることの
【棚卸し】からスタートされてみては
いかがでしょうか?
今は「対象者がいないから始められない」
という感覚の方が強いかと思いますが、
先代から突然引き継ぐことになったご状況を
思い出されてみてください。
おそらく、お取引企業様との関係性や
お客様の引継ぎや現状把握、
既存の従業員様との関わり、営業活動など
先代がやられていたことを
一つずつ向き合っていかれたのではないかと思います。
当時と同じように、今ご自身がされている業務を
1つ1つ確認してみてください。
その全てを、たった一人の方に委譲するのではなく、
“複数名”にそれぞれが“得意な役割”を任せることで、
後継者候補の方も出てくるのではないかと思います。
非常に繊細でシビアな話題かと思いますが、
やるべきことは過去のご経験から
見出すことは出来るのではないかと感じました。
今回の回答が貴社の後継者育成の
きっかけになれれば幸いです!
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
株式会社ソリューション
組織人事コンサルタント
濱川 桃子