「どうせ、最後は社長が決める」という社員の諦め【情熱社長倶楽部】VOL.101
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【今週のご相談内容】
私はこれまで、会社のことはすべて自分だけで決めてきたので、
その体制を変えていこうと、最近の会議の場では、
まず社員に「どう思う?」と意見を求めるようにしています。
しかし「特にないですね」と言われてしまったり
「社長はどう思っているんですか」と逆に質問をされたりと、
なかなか意見が挙がってきません。
そんなある日の会議中に、社員から
「結局、社長が決めたことが最後は正解になるので、
私たちが意見を言っても無駄ですよね」
と言われてしまいました。
私としては、そんなつもりはまったくないのですが
そのように伝わってしまったようです。
どうしたら、社員から意見が挙がるような組織になるでしょうか。
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【今週の回答】担当:代表取締役 長友威一郎より
ご質問ありがとうございます。
私も同じような経験をしたことがありますので、
お気持ちはとても理解できます。
まさに経営者様が「がんばる経営者」になっており、
社員様を信じていたつもりでも、
最終的には自らの判断を優先してしまうからこその結果ですね。
ただ、経営者は会社の最終責任を負う役目があるからこそ
その判断が一概に間違っているとは言えませんし、
相談内容からは、会社のステージが
「経営者様が組織をつくる段階」から
「皆で組織をつくる段階」に
上がるタイミングであることを感じます。
そこで実施していただきたいことは、2つあります。
1つめは、会議以外の場で
社員様の声を聴くということです。
会議の場では、先入観や固定観念から
「どうせ話を聴いてもらえない」
という諦めが先行してしまったり、
「他の人には聞かれたくない」という思いから
社員様の本音はなかなか出てきません。
だからこそ、必ず個別で声を聴くようにしてください。
「意見が挙がらない」場合でも、
社員様は経営者様や会社に対して
何かしらのリクエストを持っていますので
まずは社員様の意見にしっかり耳を傾けている
という姿勢を見せることで、本音を拾うことができます。
そして、そのあとは、
拾った本音を現場に活かすための具体的な行動を
社員様と共に考えることをおすすめします。
「結局、社長が決めたことが正解になるので、
私たちが意見を言っても無駄ですよね」
という声が挙がっている場合、
社員様から信用を取り戻し、
組織が変化するまでは、時間がかかりますので
未来を見据えて根気強く対応していただきたいと思います。
2つめは、社員様に未来を語り
「現状のGAPの改善に伴う責任は、
経営者である私がすべて担う」と宣言することです。
社員様は「今」の仕事をしているからこそ、
目の前の問題に意識が偏ってしまいます。
もちろん、今を見ることはとても大切なことですが
「社長ひとりが組織をつくるステージ」から
「皆で組織をつくるステージ」に上がるためにも、
経営者様が未来を語り、
その未来を共につくり上げて欲しい
という想いを伝え
現状とのGAPを共に考える時間を
設けていただきたいと思います。
そしてこの際のポイントこそ
GAPを埋めるにあたって伴う
・行動して失敗してしまったら・・・
・行動のあとのクレームがあったら・・・
・何か組織に悪い影響があったら・・・
などの結果責任は、経営者である私がカバーするから、
恐れずに挑戦して欲しいと伝えることです。
というのも、社員様が意見を出せない理由のひとつに
「結果責任が担うことの怖さ」があるからです。
だからこそ経営者様が
「どんな結果になっても、
おもいっきりやってくれ!」と伝えることで、
想いに共感し、
本当はもっと会社を良くするために行動したい
と感じている社員様から順番に変化が見えてきます。
自らの意志を出し、失敗を恐れず行動することは
経営者様が描く理想の姿かと思いますが、
最初からそのような力を持つ人財は稀だからこそ、
理想の姿に近づくような環境づくりが大切です。
「おもいっきりやってくれ!」
と伝えている以上、経営者様には、
口出ししたい瞬間も、信じて任せる
という忍耐力が問われてきます。
しかし、継続すれば必ず、
「社長は言いたいことがあっても
黙って見守ってくれているんだな」
ということが社員様に伝わり、
変化の兆しが見えるのではないかと思います。
以上が、社員様から意見が挙がるような
組織をつくる上で実践していただきたい項目です。
何度もお伝えしているように、
変化には時間がかかりますが、
社員様を変えるより、経営者様自らが
少しでも「変化に挑戦」することが
社員様の自主性を高めていく一番の近道となります。
ぜひ実践してみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また組織づくりに関するご質問があれば
いつでもお問合せください。
長友 威一郎