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【ブログ】ハンドメイド備忘録vol.3【2024.10.31】
こんにちは。久しぶりの更新です。オッパ川解説記事の完成が非常に遅れてしまっていて、続編楽しみにされている方には大変ご迷惑をお掛けしております。この場にてお詫びさせて頂きたく存じます。
というのも、私生活でいろいろと忙しく動けない状態が続き、川にもあまり行けていない始末です。ただ、現在は水温的にも場所を当てれば良い釣果に恵まれるタイミングだと思います。
シーズン初めは高活性な魚が満遍なく配置されるので釣り方が合えば難しい事は何もないのですが、真夏以降はベイト依存の傾向が結構強くなってくるので、タイミングや場所選びが難しくなります。潮も夜潮なので前半とは流れの効くタイミングがズレますし、秋雨で水位変動も相まって再現性に難ありの時期でもあります。
トップウォーターメイヘム
秋シーズンといえば北上川水系はトップウォーターでの反応が良くなる時期です。県南は真夏の朝マズメが良いですが、県北は今時期の夕方〜ナイトのトップが楽しいタイミングです。旧北なら真夏朝マズメも県南同様のパターンで釣れる事が結構あります。
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他の河川でも、水温15度くらいに下がったタイミングでナイトトップに非常に反応が良い場合が多々あります。時期にして11月くらい。
トップの良いところは、アクションをつけて水面をかき乱すと魚の活性が一時的に上がったり、ラインのプレッシャーがないので見切られにくく、スレにくい事だと思います。
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トップウォーターゲームを苦手とするシーバスアングラーは意外と多いですよね。苦手というか造詣が無いという感じで"まあなんとなく使ってなんとなく釣れるんだけど、トップである必要性を感じない"という方が大多数だと思います。
シマノ・マルジンの嶋田プロはトップは楽しいし、釣れるんだけど、その状況でトップじゃないと釣れないか?というとそうではないのでマルジンとして作る理由があまりないという趣旨の発言をしていました。
実際その通りだと思います。特にリバーだと圧倒的にサブサーフェイスの方が釣れるし、ボイルがボコボコに出ていてもスイミングペンシルのダイビングで仕掛けたり、一枚噛ませた方がゼロヒャクで反応がいいです。
しかし、いろいろ試してみると、場所とタイミングによっては特効ルアーとなる場合があります。
今回はそのあたりをお話ししたいと思います。
●リバーゲームのどん詰まり感
ここ最近川から離れていたのは、毎年ながらすこし飽きてしまっていた部分があります。今年の個人釣果はサイズに関しては過去最低レベルでしたが数だけは馬鹿みたいに釣っていて、それは狙っている魚の種類をちょっと変えたからかもしれません。
というのも、サイズを狙うというより全体的に魚の密度が高い場所を探したり、活性の高い魚のメインボリュームがどこにいつ配置されるのかという事に興味を惹かれたのが大きな理由だと思います。
やっぱりどうしても、川の釣りというのはルアーとタイミング、エリアのいくつかのパターンの組み合わせで、それを最短でどう探すかという部分がコアになります。
それでももちろんルアー使い込み、ポイントの通込みも大事なのでそう簡単にはいかないし、やり甲斐はあって、それはそれで立派な一つの価値だと思います。
初心者の頃は釣れればなんでも嬉しい訳ですが、それはやり始めたばかりで知識や技術や釣果を得るうちに、次第に全体像が詳らかになっていく体験に感動するからですよね。
つまり、何が言いたいかと言えば結局のところリバーの釣りは数パターンのタイミングと場所、何種類かのルアーのパターン、トレースコースの組み合わせをいかに最短で答え合わせするか、というゲームなので…ずっとやっていると、個人的にはどうにも飽きてしまう部分が否めなません。初心の感動を取り戻したい。
そういった意味で、最近の個人的な興味は新たなメソッドの開拓。ポイントの開拓というよりエリアの開拓。全く違うゲーム構成を構築すること。よその地域のゲーム展開をここ宮城に持ち込むこと。
8割型無駄ですが、それが実った瞬間の感動と驚きには、大きな価値があります。
●ペンシルの優位性
そこで目をつけたのが、一つはビッグペンシルゲー。最低16センチ。それも阿武隈川や旧北上川のフィーディングタイムのボイル撃ちや大型ベイト着きを狙うのではなく、ニュートラルで"食いにくい魚"を狙う釣り。一般的にはいわゆるコノシロパターンの釣りとして受容されています。
これが非常に面白い。ペンシルの優位性はロッドワークによる入力。流れが速いエリアでいえば、ルアーが「アップクロスにあるうちに操作できる」数少ない種類のルアーでもある。
逆に流れの緩いエリアであれば”流れを使って騙す”ドリフトゲーが通用しにくくなるので、食わせやすい動きを角度を問わずにずっと出力し続けられることになります。
まず基本的なルアーの性質としてはそういうものだということ。次に大型ペンシルだと”そもそも食わない魚”に口を使わせることができる場合が多々あって、例えばナイトゲームだとライトをつけると足元にボケーっと浮いている個体とか。
こういう魚は日中でも、目視で発見して、普通のルアーを入れても絶対に反応しない。バイブを鼻先でチョンチョンしたら食いそうだと誰でもおもうでしょうが…。
しかしこのような個体をずっと観察しているとよくわかりますが本当に反応せず、反応をとれるのは大きめのペンシルか、2oz以上のビッグベイトのみ。
彼らはそもそも餌を食うモードに入っていないのです。このような状態のシーバスが普通にリバーゲームをやっていて、フルキャストした先に居てもおかしくはなく、そういった雰囲気が感じ取れるとき。
例えばポイントに通っていて、明らかにその場所にシーバスがいるのは確かだけど、何を投げても食わない、そういった時がデカトップの出番だといえます。
●ビッグベイトゲーム
同じ”やる気のない魚”を攻略するゲームであるビッグベイトゲームについて少し脱線してみたいと思います。
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中下流と清流を含めた一般的なリバーゲームが情緒と想像の…"アナログの釣り"であるとすれば、ビッグベイトゲームというのはいわば、理論と実体の"デジタルの釣り"。
疑う余地の無いヒットパターン。魚を寄せる戦略と、食わせの戦術。全てが明快で奥深い。
ストラクチャー付近にボケっと浮いたシーバスを見つけ、ルアーを駆使してその個体を挑発したら、魚自身どう動くのか?
ルアーをデッドウォークさせて、追ってきたところでテーブルターンさせて食わせるのか、ストラクチャーすれすれにねちねち誘って、ルアーと魚の睨み合いに持ち込んで、誘って食わせるのか。
どうしても追わせきれないから、激しくジャークで誘って、周囲のシーバスを大集合させて競争させて食わせるのか。
これらをルアーの着水点から足元までの構造物、天候、風波等を利用して一発勝負します。捨て投げも場合によってはできますが、ほとんどの場合、”勝負する”食わせキャストは一回まで。スカしたら終わり。
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食うパターンがすべて法則性に基づいて明確に存在するので、リバーのドリフトゲームのように疑念を挟む余地がありません。逆にリバーゲームはその不毛さに対峙することこそ美学的なのだと思います。
ヒットに持ち込むまで、ほとんどの場合サイトで全て見えるので水中で何が起きているかよくわかります。一般的なリバーゲームはブラインド要素の方が大きいので、釣れなかった時の考察もアングラーにとって都合のよいものになりがちです。
実際、常にベイト偏食=マッチザベイト=ベイトサイズのルアーの図式に非常に拘る人も多いですが、本当にベイト偏食しているときというのはもっぱらバチ抜けの中の一部や港湾のアジボールの下に着いたスクールとかの話であって、全体でいえばそこまで執着している状況は珍しい方だと思います。
要は秋に低水温になると、表中層で反応が悪くなってボトム強波動に反応するようになると。ゆえにボトムのハゼに偏食しているんだ、という話になる。でも、そもそも低水温化するとボトム強波動に反応しやすくなるので、=ボトムのエサを食ってるとは言えないという話。(そういう地域もあるのかもしれないが)
そういう釣り人の終わりなき妄想。妄想から来るある種の神経症的な風説はSNS全盛の時代にますます拍車がかかる一方です。特に釣れなかったときにそういう類の言い訳をしがちです。
ビッグベイトの場合はそのような要素は一部を除いてほとんどなく、知恵を凝らしてリアクションとテクニック釣るゲームなので、その明快さが非常に良いところ。
もちろん基本的な事としてベイト濃度のあるところに魚はほとんどいるわけでベイトは重要ではないというわけじゃない。
こういった一般的なリバーゲームとは正反対の釣り方はとても興味深くて、普段いかに精度の粗い釣りをしているか思い知らされます。ほぼサイトゲームなので観察から釣り方へのフィードバックもしやすい。
水深の深い護岸などで、ビッグベイトを足元の水面に叩きつけてから、エイトトラップしていると、それだけでどこから湧いてきたのかシーバスが5,6匹群れになってルアーを追いかけ始めたりします。(連投していると着水同時に水面炸裂したりもする)
それだけルアーサイズとスプラッシュ、サウンドというのは場合によっては、シーバスに対してテキメンに効果があります。大げさにいってしまえばデカペンシルとは、ビッグベイトのエイトトラップをキャストして出来るルアーのようなイメージです。
そう考えるとこれほど今までの釣りの領域を広げる可能性のあるルアーはほかにないかもしれません。
アングラーが目視で魚の行動を確認できることは非常に勉強になる事間違いなし。
●ペンシル開発
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そういった経緯から16センチサイズのペンシルを開発してみることにしました。ペンシルベイトは基本的に「水平浮き」か「垂直浮き」かに分かれます。「シンキング」のものは…ちょっと文脈が違いますが、皆さんご存じシンキングペンシルですね。
これらの違いは基本的な使用方法と得意とする動きの違いからくるものです。二種類のタイプはそれぞれ得意とする動きがあります。それは一般にスケーティングとウォーキングといわれるもので、ドッグウォークアクションを出力した際にスライド幅がワイドに。かつ慣性運動が効きやすいものがスケーター(水平浮き)。
それにくらべて、ウォーカー(垂直浮き)に近くなるほど、ウォーキングの幅が狭くなりクイックに動くようになります。アマゾンペンシルとサイレントソルトスキマーが対になっていると考えるとわかりやすいかと思います。
まあ、これは実際、全体的にそういう傾向があるというだけで、注意しなければならないのは垂直浮きだとスケーティングしないとかいうわけではありません。そして大体のペンシルベイトはその中間の斜め浮きになっていると思います。
これらはボイルしているとき(フィーディングに入っているとき)ほど垂直浮きのほうが食わせやすく(ダイビングアクションが出やすいので)ニュートラルな状態になっているときは水平浮きのスケーターのほうが魚を呼びやすいです。
なので正確に言うと、浮き姿勢の問題というよりも左右にスライドさせたときに運動幅が大きいものが"離れた"魚を呼びやすいということです。逆に流速の早い場所での定点ボイルや、一部ストラクチャー絡みのポイントはスケーティングでほとんど食いません。言い方を変えると着水したルアーが魚と近すぎる場合スケーティングが効きにくい=水深が必要ということです。近いほどクイックに、かつダイビングの動きが必要になる。
まず、入門としてこのあたりを抑えておきます。
トップというのは釣り方もルアーの構造もシンプルであるがゆえに奥が深い。
料理もシンプルな調理方法ほど素材の良さや、料理人の腕が試されるように、ペンシルベイトは微妙なアクションのニュアンスで食うか、見切るかの分水嶺があるので、実はかなり難しいルアーでもありますがルアーフィッシングの面白さを突き詰めたモノでもあり、その本質的な部分を理解したときはこれ以上無い武器にもなります。
では、食いにくい場合はスケーティングするものを安易に選べばいいかと言えば違います。先ほどのビッグベイトの釣りで、魚が追跡してくる話をしました。
追跡させる事の重要性は魚を集める事にあります。これはサイトで確認するとわかりやすいのですが、ルアーを追跡してくる個体が1匹だと口を使わないが、2〜3匹だと競争になって焦って魚が口を使うパターンが非常に多いです。
このような場合、スケーティングでゆっくりワイドに誘うより、速い速度で小刻みにスプラッシュを立てながら途中にポーズを入れるようにするとバイトが得やすいです。
(つまりこれは、エイトトラップの最中に速度を落として、食わせの間を作るのに似ています)
なので、このパターンだとクイックに動く方がよく、似たような状況としてストラクチャー絡み…タイプとしては壁になるようなもの。面の釣りじゃなくて、線の釣り。そういった場所も同じような傾向があります。
ストラクチャーにタイトについて居る場合、ベッタリ通さないとでない。スケーターだと、ピンから離れすぎてしまうし、いいアクションになるように、動きを乗せてやってから、ピンを通過させようとすると、、これが非常にやりずらい。
だから、一口にペンシルと言ってもそのときの状況やポイントによって様々な種類やアプローチを組み合わせて試す必要があります。
●作業過程ギャラリー
今回制作したのが
●パンカータイプ【190mm 100g】推奨#2~#1/0
●ペンシル【160mm 52g】推奨#3~#1
の二種類。16センチのペンシルはビッグペンシルと言ってもいいのかもしれないですが、普通に釣れるのでビッグベイト感は個人的に全然ありません。セミロングタイプ?という言い方がしっくりくるかも。
パンカータイプは言わずと知れたBLAK DOG BAITS.coのランカーパンカーを模したモデル。純正品は尋常ではない値段で取引されていて、似たガレージビルド品でも1万はくだらない金額です。ハンドメイド品なら1.5万~くらいが相場かとおもいます。
それもそのはずで、こういう非常に水押しが強く、かつクイックに動くシーバスにも使える大型フラットサイドペンシルがABSの量産品で存在していないので、こういったルアーの可能性を知っている一部のアングラーが欲しがるのもよく理解できます。
この特殊なボディー形状は、おそらくマスキーパイク用ルアーから派生したタイプのものかと思われ、菱形を横に伸ばしてペンシルっぽい形状に無理やり変形させたような印象です。要は一本モノのグライドベイトをペンシルにしたような感じ。
バランスはセンター気味の水平浮き。やや浮力高めの普通の大きいペンシルとして使えます。プレーンの状態はわざとそう言う感じにしておきました。なんでかっていうと、使用する場所の平均的な波の高さや塩分濃度、ストラクチャーを絡めるのかどうかで、ベストセッティングが変わってくるのでウェイトシールとフックの番手で調整してほしいからです。クイックに操作したいなら「お尻の背中側」にウェイトシールをはって浮き姿勢傾けると追従性が上がります。またスケーティングの動きを強くしたいならば、お尻&頭それぞれにウェイトシールを貼ってペンチでアイの位置を少し曲げてもいいです。
ボディーサイズが大きいので正確に作っても個体差がかなり出ることから、それぞれの個体を一本ごとに調整ウェイトが入っています。
16センチモデルのほうはスティック状で重さ約2ozクラス。浮き姿勢は垂直に近い斜め浮き。こっちはかなり浮力が高く作ってあります。というのももともとこれは淡水域の食わせにくい遠距離定点ボイルを撃つために作っていたので、プレーン状態だとじゃじゃ馬な感じで、飛距離はスピニングなら70mくらいは飛ばせると思います。
16センチ2ozという設定からわかるようにベイトタックルマスト、というわけではなくスピニングのMHクラスで投げられるようにこの規格に収めました。ベイトでの使用前提ならもう少しボリュームある方が使い道があるんですが、いろんな場所で使える最大公約数を今回とりました。
カウンターウェイトの位置は個体差が少しありますがベリーフックちょっと前くらいにウェイトを足してやると、オープンエリアの流れが緩い場所で使いやすい感じになります。クイックな操作感を残しつつ、複雑な動きを出したいなら背中のややお尻側にウェイトを貼ると、回転運動しやすくなります。背中ウェイトはセンター位置でも試して欲しい使い方。
そして一定のロッド角度でミディアムリトリーブするとスイングウォーブラーやスプラッシャーのようなフリフリスイムもするのでただ巻きも使い方の一つとしてあります。また通常のドッグウォークの動きであれば、デジ巻きで十分泳ぎます。流れが速いところだと、ダウンに入ったら少し竿を捌くような感じで水流を逃してやるのがベスト。
基本的にある程度流れがあるところのボイル撃ちで使うならば、プレーンの状態でダイブアクションを中心につかってみてください。ウォーキング時のダウン耐性が半端ではないので、激ダウンでドッグウォークさせてブレイク沿い(どダウン方向)を通したりすることもできます。
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フラットサイドペンシルでボディー形状は一本モノグライド系の影響があるような形状をしています。浮き姿勢は水平。形状を見ての通り左右にパンする速度が尋常ではない速さになります。
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桐材の使用とコーティング剤をアート用の高性能エポキシに変えました。高価ですが仕上がりと保護能力が非常に高く気に入っています。道具や機材費、なにより材質を使って実験を繰り返すのに非常にお金がかかります。かれこれ30万以上費やしていて、かなりキツイ(ヤバい)
コーティング剤や塗料の相性、美しく仕上げるための処理などは各ビルダーの極秘になっていることが多いので結局ネットで情報を探しても無駄で、とにかくトライ&エラーの繰り返しです。
エポキシなのにクリア系のラッカーが色流れ起こしたり、剥離したりするので、原因究明と改善に膨大な労力と時間がかかりました。対応としては2液ウレタンを使用した色止めで解決。
ひと段落着いたので効率の良い作業スキームを見出すまで全速力でこれから頑張らないといけないですね。しばらく販売しても赤字ですが、いいものを作っていればそのうち帰ってくると信じて、今が踏ん張りどころです。
●実釣編
今回は基本的に流れのあまりないエリアでの実釣。明暗やストラクチャー依存気味だと非常に釣りやすかったです。ペンシルゲーを腰を据えて取り組んでみて理解できたのが、ラトル音と水押しの有効性についてでした。
ラトル音はあった方がいいのか?という論争は度々ありますが、結論としてはラトルありと無しのペンシルは両方とも必要だということ。
ラトル音が魚を呼ぶんだとか、ベイトの泳ぐノイズに近いんだとか様々な推察が溢れかえっています。しかし、確実に言えるのは「魚の反応」です。
どんなに能書きを垂れようと、それを否定しようと、魚から反応があるものは確実な事実として有効性が認められます。
この釣行の前後はペンシルに非常に反応が良い時期で、多いときは30発は炸裂バイトが出るような感じでした。
しかし、だからといって何にでも反応が出るわけではなくむしろセレクティブな雰囲気でした。もちろんこういう時こそ、傾向分析が大事になります。何が釣れて、何が釣れないのか。
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単に魚を釣るより、何に反応しているのかという分析こそが応用力に繋がるという信条なので、そこが気になって仕方ない。
ずーっと投げていると明らかにスラムドッグモンスターやアマペンに反応が偏るタイミングとハンドメイドの16に反応が偏るタイミングが明確にあるのが、わかります。また、流速やボイルにまで湧き上がっているかどうかでも微妙にルアーサイズとアクションにうるさくなる傾向があることもわかりました。
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まず、アマゾンペンシルのようなラトル音が激しくワイドにスケーティングするタイプが釣れる際はサイレント系のペンシルは釣れなくはないが、釣れにくくはなります。正確には釣果として見劣りするような感じ。
で、だんだんラトル音に慣れてくると反応が鈍くなり、サイレント系に突如ガンガン食ってくるようになります。だから、多分魚のテンションや学習によって音の有無が有効かどうかが違うわけですね。
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その日はそうだったというより大体いつでも1時間くらいのペースでそれが交代する感じです。だからそのポイントのベイトがなんであれ、ペンシルゲーにこだわるなら両タイプのルアーが必要だと感じます。それは明らかな傾向として言えること。
また、ある程度流速が出てベイトが集まり、シーバスもボイルまで湧き上がっている状態だと14〜16センチ規格のロングなものより10〜12センチのクイックに動くタイプのペンシルの方が反応がよくなります。ベイトに照準するという部分もあるでしょうが、クイックに動くのが重要な要素で、誘い方も素早く連続でウォーキングさせて途中でポーズを噛ませた瞬間に食う事が多いです。
これは多分、ビッグベイトを使っているときの複数匹が追跡してくるパターンに近いかなと思います。
だから、イメージとしては14〜16センチくらいのペンシルは中層くらいに魚がある程度散開しているようなタイミングにスケーティングや強い水押しでコールアップさせる感じ。
10〜12センチはエサを追って捕食モードになっている魚を追尾させて食わせるイメージ。
そういや、このルアーの名前考えないとイカン。呼びずらすぎる。
この16モデルはウェイトチューンや浸水具合によってアクションがかなり変わります。ウェイトシールで、前方側に少し傾けてやってダイビング気味に、かつスライド幅が大きくなるようなチューニングを施すと物凄くナチュラルで非常に水押しの強い動きになり、これが凄まじくシーバスに効くので、いろんなチューンを試して欲しいです。そうすれば自分専用の世界に一つだけの最強のペンシルが仕上がります。
●ルアーを使いきる
最近はビッグベイトを使ったピンの釣りが面白くて、開発したビッグペンシルも活躍しているのが嬉しいトコロ。
このピンの釣りは一般的なリバーシーバスマンが想像するようなピンとは違って本当のピン。場合によっては魚が見えていて、それをテクニックで釣るサイトゲーム。
大体の場合、川でピンといったらテニスコートから良くて車数台分といった感じで、正確にはゾーンって言った方がしっくりくる感じです。
しかしこの釣りは本当に点の釣りなので非常にテクニックが要ります。もはやバス釣りに近いので、バスに復帰したい気持ちまで出てきます。
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もうここ一ヶ月間ジョイクロで何本掛けたかわからない感じでした。釣り人はルアーの動きにのみ注意が向きがちですが、操作時の速度感やジャークした時の強い水押しも非常に大事です。
シーバスは割と早い速度の動きを好むので、バスの速度だとついて来てもバイトまで至らない事が多いです。それと、レンジと水押し。レンジは魚の目線より数センチ上で、強く短く、キレのある一定ピッチのショートジャークを好みます。
これはストラクチャー依存の魚が特にそうで、オープンの地形変化絡みだともう少し違うアプローチが必要です。
8インチクラスのペンシルも出したい魚のイメージは同じだと思います。激しく高速に誘ってからのポーズ。そこで下から突き上げてくる個体。
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オープンだとどちらかというと、ロングジャークで左右に2〜3回弾いて、グライド軌道をとらせてから、腕が取れるくらいの高速巻きで5〜10m巻きます。そして間髪入れずに1回ないし2回もう一度グライド軌道をとらせて、ステイ。
このステイのときに突き上げてくる魚のみを狙います。これは川でもかなり反応を取りやすいメソッド。数投して、この誘いに乗る魚がいればすぐ出てきます。
緩急のついた誘いは凄くこの釣りでは大事です。それはストラクチャー依存の魚でもそう。シェードが絡んでいたりすると、ルアーを追ってもシェードから絶対に出ようとしない魚も多い。
このシェード内を並走してルアーを追ってくるをいかに見切らせず、食わせるかが最もテクニカルな部分。余談ですが、ルアーを見切ってもド突いてくる個体もいます。ルアーがスイミング中に同じ速度で着いてくる個体は諦めますが、ルアーよりも早い速度で追いかけてくる個体。これは完全にロックオンしているので食います。そういった観察もとても重要です。
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完全停止で食った個体。デカい。ロックオン系なのでラインを貼ってステイさせたらズドン。全部サイト。住処から出てくるトコロ、捕食する瞬間丸見えです。魚の行動パターンを読んでブラックジャックみたいに斬り合いをします。
このジョイクロの多彩性が神ルアーの所以ですが、口を使うバイトゾーンが非常に狭い場所だと、もう少しルアーの研究が必要です。
完全停止で食う場合もこのようにあるはあるんだけど、やっぱりどちらかというとスイム中に誘って動かして仕掛けた方が食う。
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この魚が1番学びのある釣果個体でした。シェードにぼけ〜っと尻尾を出して浮いてた個体。ジョイクロで2発アタックをもらいましたが、どーにも食わせられない。
シンクレートを早めにしないと、着水からルアーを見過ぎで見切られる。沈むと惰性で食わせの間が短くミスバイトする。周囲の魚のご機嫌を伺ったところ、どうにもペンシルもいいらしいという事がわかった。
でもハッキリ見せると見切るが、ギリギリだと魚からルアーが見えず、追尾する体制に入るともう遅い。なのでより精度のある操作にするため、スナップを外して直結。フックを一つ外して超クイック仕様。
これでストラクチャーにカチカチ当てながら、魚とルアーがバッティングする「食わせるべき場所」まで挑発しつつ、追跡させ、今!という時にダイビングからのテーブルターンでポーズ。ボカン!追尾開始から炸裂バイトまで全部サイトで100点の取り方を出来た魚でした。
この釣行で、ペンシルで出る魚が水中でどう動いているのか?完全に確信が持てたので、とても大きな学びになりました。
まだまだ開拓の余地のある釣りはあって、学びも沢山あります。