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母と私の大丈夫日記 2

『うつとわかって良かった!良くない?』

ニ月十九日
明日は月曜だ。
たしか母のカレンダーには「二十日歌声」と書いてあった。
「歌声」は、あまり縛りのないサークルのようなもので、行きたい時に行き、声楽家の先生の指導のもと、2時間くらい楽しく歌う会だ。だが、今の母には無理だと思った。行く気がしなければ、E先生の所に行って、食事がとれない分、点滴か何かしてもらえないか相談しようと考えながら実家に行った。
夕飯の後、(この日も、母はほんの少ししか食べられなかった。)母が
「あなた、どう思う?今の私の状態。」
と聞いてくるので
「うーん、気持ちの問題だと思うけど。胃はなんともないんだし、食べれば、ちゃんと収まるもんね。下痢もしないし、吐いたりもしないし。。。」
「そうなのよね」と母。
明日さー、と言おうとすると、母がいきなり
「ねぇ、私、うつ病じゃないかしら?」と言い出した。
え、うつ病?聞いた事はあるけど、そうなの?と驚いた反面、どうして今まで気がつかなかったんだろうという驚きもあった。
母は「家庭の医学」の本を持ち出し、
「ここのね、うつ病のところ、よく読んだら、何だかピッタリなのよ」
そうだ!それだ!思わず私は叫んでしまうくらい嬉しかった。
原因がわかれば対処ができる。良く効く薬もあるんじゃない?きっと。
私はむしろウキウキして、早速ネットで近所の心療内科を探し始めた。
最初は私が車で連れて行くけど、元気になれば1人で薬だけもらいに行ったりって事も考えられるから、あまり遠くない方が良いよね。
いろんな病院のHP検索したり、評判もみたり、位置を確認したりと忙しい私を横目に母は、
「本当はうつじゃないって言って欲しかったのに」とボソッと呟いた。

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