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帆布に出会ったはなし


今日は10月10日。
トートバッグの日。

という流れでこの話を書こうと思います。

もう30年ほど前の話。
学生時代を京都で過ごしました。

夏だったと記憶している。
所属ゼミの一環で岡山県倉敷市に研修旅行に行きました。

美観地区や美術館周辺を教授やゼミ仲間と散策中、視界に倉敷帆布の幟が飛び込んできて、その印象だけが強く記憶されたのです。

生地は研修には関係なかった(児童栄養学だったので 笑)のと、
団体行動だったのでただ通り過ぎただけなのですが、
とにかく今でも倉敷、というキーワードで「倉敷→帆布の幟」になっているくらい強い印象を残しました。

惹かれた、というよりは 圧倒的な印象、というのが正しい気がします。

そして、岡山の倉敷を訪れたのは現在までその1度だけです。

もともと触れて心地いいコットンやリネンの生地は
厚みや用途関係なく好きで
街で見かけると撫でてしまう癖がありましたし
バッグも今思えば普段から帆布のものを好んで愛用していました。






それから更に10年程経ったころ。
旅行中の高速道路サービスエリアで、ハンドメイドの帆布バッグを販売しているコーナーがありました。

当時は個人の作家さんの作品をお見掛けする機会はあまりなく、
珍しさもあったかも知れませんが
その時感じたのが
「私にも作れるかしら」でした。

鮮やかな赤と青と白の帆布のフレンチカラーで
パッチワークされた小さな帆布のトートバッグは
これまた強い印象を残し
わたしの心の深淵をそっと撫でてゆくような感覚。

その後、「帆布」というワードは
折に触れてわたしの感覚を擽り続けたのです。




帆布のバッグを作り始めたのは今から9年まえのことです。
(随分と寝かせたな)


それまで地元でバリニーズエステティシャンを生業として
個人サロンを営んでいた私は結婚を機にサロンを閉店、
主人の仕事の関係でお隣石川県の七尾市に引っ越しをしました。

引越し先でもサロンを始めるつもりで場所を整えたり準備をしましたが
とても静かで長閑な田舎だったそこではお客さまが来る気がしない。

VIVA!専業主婦!(言い回しが古い)

”バッグを作ってみよう”

帆布で作ろう、と思った時に検索をかけたのはやはり「倉敷帆布」のキーワードでした。生地を注文して、いざ。

家庭用ミシンでは
無理に進めばミシンは唸った後ストを起こす。
針は何本も折れて飛ぶ。


厚物用の職業ミシン購入に至るまでは
そう時間はかからなかった。




最初は本を真似て、そこから徐々にオリジナルに。


販売当初からの定番トートバッグM

その2年後には、地元福井県に戻り
自宅兼お店「工房&ギャラリーもりのすみか」を開業。

現在に至ります。
6年目になります。


ずっと強い印象に残っていた、一級品の帆布で製作出来ていること、

大切な倉敷の伝統に触れながら日々ミシンに向き合えること。

とても幸せです。



加えて「かばん」というアイテムもとても魅力的に見える。

大切なものを中に入れて。
自分だけの世界を創るような…。

カバンは宇宙だ。

人それぞれが持つ、宇宙。
それは開けても閉めたままでも無限。

わたしだけの、セカイ。




現在は暮らしの小物、服など
バッグ以外にも アイテムが増えました。


この秋 あったかアイテムを製作したいなーと
思案中です。

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