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ようやく観れた『PERFECT DAYS』
2月23日(雨のち曇)
ようやくようやく映画『PERFECT DAYS』を、オットと鑑賞。
久しぶりの夜の六本木とあって、映画の内容云々の前に、非日常感がすごかった(ムスクとタバコの香りがする男性が隣に)。
この映画は通常の映画作りと異なる。
簡単にまとめると、ユニクロ取締役の柳井康治さん(ユニクロ創業者の柳井正さんの次男)が、個人のプロジェクトとして、渋谷区にある17箇所の公共トイレを生まれ変わらせようと、有名建築家に設計を依頼した改装プロジェクト(THE TOKYO TOILET)に端を発する。そしてそれらの公共トイレを美しく使い続けてもらうための活動として、音楽や映像をつくることを決め、ヴィム・ヴェンダース監督にショートフィルムを撮ってもらえないかと打診。すると大変に乗り気であり、気づけば1本の映画になるぞということで、であれば主演は役所広司さんにと監督自身が熱望したという経緯があるそうだ。
アウトプットが映画であっても、スタートが違えば資金が集められるという、これまでとは違う映画づくりの形を見せてくれたのではないだろうか。
映画(エンタテインメント)だからこそ、非日常を味わいたいという人もいるだろうし、それを否定する気持ちはないのだけれど、どんな突飛な設定であっても「きっとこの世界のどこかで生きている誰かの話」と感じられる作品が好きな自分にとって、主人公・平山も彼を取り巻く人たちも、間違いなくすぐそこで生きている人だった。
オットは、映画のタイトルが、劇中に使われている音楽「PERFECT DAY」ではなく、その営みの積み重ねを表すような「PERFECT DAYS」であることが非常に腑に落ちたようだった。
「豊かさってなんだろう」という問いを残していく、滋味深い映画だと思った。今夜は、劇中でかかっていたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「PaleBlueEyes」を聴きながら眠りたい気分。