新規事業開発の失敗を振り返る その1

先日、自分達のチームが解散する旨が社内に伝えられました。

社員も幹部も新規事業開発というチャレンジに対して、結果ではなくプロセスに注目して称賛してくださいました。

しかし、我々が新規事業として作ったプロダクトはなぜ失敗したのか。

自分達には何が足りなかったのか。

当然チーム内でも話し合い、ある程度の結論は得たのですが、自分の中でも言語化し、きちんと消化していきたいと思います。

結局どんなプロダクトだったのか?

社員のモチベーションを上げる。これが最初に上から課せられたミッションでした。

外部からツールを導入するのではなく、自分達で何か作って社内課題を解決することで、課題設定から一貫したプロセスを経験を社内に積むということも目標に入っていました。

どんな課題に取り組むか考えたところ、若手が「将来何をしたらいいか分からない」という声を聞くので、キャリアの悩みを解消してみたいとPdMが言い、これがスタートとなりました。

我々は社内webプラットフォオームを作ることになりましたが、ここから微妙に間違っていたのかもしれません。

いきなりアイディアを実装しちゃった

先輩が「xx(職種)になるには」というコンテンツを書いて、一箇所に集めれば若手のキャリアの悩みは解決するんじゃね?

しかもそれを自動的にTodoリストとして引っ張ることができたら、そのTodoをこなすだけでキャリアに対する迷いが無くなるのでは?

というアイディアをいきなり作ってしまいました。半年かけて。

自分たちは自分たちのアイディアに熱狂していました。

これは世界を変えると。

そんな競合製品はみつからない。いけると。

キャリアという難解な課題に風穴を開けられる気がしていました。

プロトタイプは作って見せた。エンドユーザーだけに

早速若手に「こんな製品考えてるんだけど、欲しい?」と聞きました。

若手は「是非見たい!」「楽しみ!」という声を送ってくれました。

自分達の仮説は間違ってないと確信しました。

問題は、プロトタイプを見せる人が若手だけに偏っていたことです。

誰も書かない、書けない

我々は「キャリア」という問題を甘く見過ぎていました。

キャリアは偶発性が高く、再現性を担保できないのです。

「こうすればこういった職業につける」と言語化できる中堅、ベテランエンジニアがいなかったのです。

彼らの話は参考になるものの、真似しようにも再現性が無く、Todoリストのように落とし込むことはできなかったのです。

それでも草の根でベテラン社員に頼みこみ、何とか書いてもらうことでコンテンツはある程度揃いましたが、当然新しいコンテンツは増えません。

「キャリア」という言葉は重く、誰も気軽に書けなかったのです。

ここで、我々はピボットを決意するのです。

ここまでの振り返り

・なぜ自分達でリストを作ろうとしなかったのか。自分達が気軽に書けないコンテンツを、どうしてユーザーが書けると思い込んでいたのか。

・中堅、ベテランエンジニアが書いてくれたコンテンツは「読み手」にとっては非常に有益でした。しかし、書き手にとっては書いていて苦痛で、メリットが無かったのです。

・そもそも書き手の理解が不十分でした。実は若手よりも中堅エンジニアの方がキャリアについて悩んでいたのです。悩んでいるのに若手に対して自信をもって「こうするといいよ」なんてアドバイスができるはずありません。

・一方、読み手の理解も不十分でした。若手は「現場でどうやったら一人前になれるか」という課題を持っている人が大半で、中長期的なキャリアに悩んでいた若手は少数でした。

デザイン思考に当てはめると、共感と定義のフェーズで既に失敗していると言えるでしょう。(当時は必死だったんですよ・・・)

まとめ

ユーザーの理解、共感力が足りなかった、正しくユーザーに問いかける技術が無かったたのが第一フェーズの失敗と言えます。

間違ったユーザー理解が進み、一つのアイディアにコストをかけ過ぎました。

続き

https://note.com/solon/n/nc99ef997a45


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