【112話】【ネタバレ】俺だけレベルアップな件【翻訳】
「このくそたれ悪質コメントたち! 兄貴の行く手を遮る者は絶対許せない!告訴状を受け取ってから後悔しても後の祭りだ!」
賢太は怒りの炎を燃やしてエゴサを繰り返し、旬に対するネガティブなコメントをことごとく通報して排除していた。
「今日ももう一件兄貴を攻撃する勢力の一つの根を絶つことに成功した。」
疲労と達成感で椅子の背に体をあずける。
「お疲れ様だね」
「あっ、兄貴!」
(いつものことながら気配もなく消え去ったり現われたりするな)
「変わったことないよね?」
「はい、 ところで兄貴その格好どうしたんですか?」
雨も降っていないのにびしょ濡れのスーツ姿の旬に疑問をぶつける。
「ゲートから出てきたところなんだ。 ギルドの設立にお金がちょっと必要だって言っただろう?」
「これは上級魔法石じゃないですか! 潜ったゲートって上級だったんですか?」
ボストンバッグいっぱいに詰められたら魔法石を目にして、賢太が驚きの声を上げた。
「すごいです。これで社員の給料は心配ないですね! さすが兄貴!」
「社員?」
「創立メンバーがもう一人必要なこと覚えてますか?」
「あ、ギルド作るのに3人は必要だって言ったよね? 社長、副社長、そして社員」
濡れた体をタオルで拭きながら旬が言う。
いくら頭数だけ満たす用途だとしても、短い付き合いになるわけじゃないし、どうせならまじめな人がいいだろう。それ以外に何かある?」
「至急解決しなければならない重大な問題がもう一つあります。 」
「うん?」
賢太のあまりの真剣さに旬が思わず動きを止める。
「僕たちののギルドの名前はお決めになりましたか?」
「あ···俺はまぁ何だって…」
「超超重大事項です、兄貴!兄貴と私の苗字を取って 「水菱ギルド」はどうですか? ですが語感があまりないので、 「賢旬ギルド」も悪くないですが、 僕の名が兄さんより前に来るという点は許されません。最後の文字を二つ取って「篠菱ギルド」と言ったり、 中間文字を切って「旬賢」もいい…」
「「ソロプレイギルド」はどう?」
「え?」
「どうせソロで回るギルドだろ。」
予想もしなかった旬のあまりのネーミングセンスに言葉も出ない賢太。
(これって笑ったほうがいあんだろうか…?あるんだ···兄貴にも出来ないことが。どんなにすごくてもやっぱり兄貴も一人の人間…)
考えていると、事務所のドアが叩かれた。
「どなたですか?」
「ここは水篠ハンターのギルド事務所ですか?」
「はい、そうですが…」
ドアを開けた先にいた人物を目にして賢太は飛び上がった。
「向坂雫ハンター?!」
「向坂ハンターがどんな御用向きでここへ?」
「その、えっと···ギルド···ギルドに入れてもらえませんか?」
応接用のテーブルを挟んで旬と雫は向かい合って座っていた。
「ここはどうして来たんですか? 」
「申し上げたじゃないですか。ギルド···加入しようと思いまして」
(何だ?これはどういう状況だよ。)
一切の経緯が説明されない状況に旬が困惑する。
「もしかして協会長の指示ですか?」
「え?あの方がなんで···」
「それとも最上ハンターが追い出したりしたんですか? 」
「いえ···」
「それでは一体なぜですか?どういうつもりで「ソロプレイギルド」に 入ってこられるんですか?」
「ギルド、ギルドの名前が 'ソロプレイ'ですか?」
至って真面目な質問だったが、向坂にとっては質問の内容よりもネーミングに衝撃を受けてしまった。
「俺と副社長が同意したギルドの名前に何か問題でも?」
「兄貴!ソロプレイギルドって! まさかもう決定した事項だったんですか。 私の意見はですね!!」
いつも従順な賢太もさすがに大声で抗議する。
「??何も言わないから同意したと思ったんだけど」
(いや、 一応落ち着こう。 賢太も状況が理解できなくて判断力が鈍っているんだ)
抗議の理由を自分のネーミングセンスの問題とはつゆ程も思わない旬は勝手に納得していた。
向坂に目をやる。
向坂は出された缶コーヒーを片手に赤らめて目をそらしている。
(目、鼓動、呼吸、平気を装おうと努力しているが、俺をだますことはできない。。
一体何のために、無理してまでソロプレイギルドに入ろうとするんだ?)
「向坂ハンターは覚醒して2年になっていないと聞いています。まだハンタースとの契約期間が残っているはずですが」
「違約金を払うくらいのお金はあります。」
(違約金を払ってまで入ろうとするのか?)
「弊社のギルドでは向坂ハンターのレベルに見合う契約金をお渡しすることができません。」
「···いいえ、かまいません。契約金はなくても大丈夫です」
「そこまでして私たちのギルドに来ようとする理由は何ですか?向坂ハンターの得になることは一つもないはずですが」
(どうやって説明すればいいのかしら…ううん、説明しても頭がおかしくなったって思われるだけでしょうね)
(最初はただ··· 香りにつられて好奇心で始めた。)
ダンジョンで採掘作業員として潜っていた旬との出会いを思い返す。
その後、ネットニュースでS級に覚醒したことを知った
(友谷稔の記者会見を台無しにしたって? 悪質コメントがすごく多いじゃない?やっぱりS級だったんだ、あの人…)
「実際に会ってみるとそんなに悪い人でもないのに…」
「架南島のレイドがもうすぐだっていうのに、私ったら何考えてるのよ」
(余計なことを考えるなと、そんな暇はないと思っても···灰色だけの世界で、唯一色が見えた)
そして架南島レイドでアリと対峙したときのことを回想する。
(怖くて、怖くて…死ぬかも知れないという思いが襲ってきた。そして…)
その次に目を開いた時、そこは洞窟の中ではなかった。
「向坂ハンター」
慌てて体を起こした雫に、協会長の後藤が声をかけた。
「意識が戻りましたか」
「ここは···?」
「ヘリの中です。 今はハンター協会に着陸して、まもなく向坂ハンターを病院に搬送する予定です」
「あ…もしかして水篠ハンターが来ましたか?」
向坂の問いに、会長が無言で頷く。
(やっぱり···。 夢じゃなかった。
今回は本当に死ぬところだった。 いや···死んでた。もし···万が一決して死を避けられない状況が訪れたら··· )
「どうする?」
自分自身に問うたことを思い出す。
(言えないよ。何て言うの···最後の瞬間まで側にいたいなんて)
ますます赤面して固まる向坂を、疑いの目で旬が見る。
(何のつもりだ? 言えない事情があるのか?
なんで答えられないんだ? 顔まで赤くなるのを見ると、何か隠しているに違いない。
どういうつもりかは分からないが···もしかしたらかなり前から準備された計画かもしれない)
鈍感としか言いようのない盛大な勘違いをした旬が厳しい声を出す。
「答えてくれるつもりはありませんか」
「···楽に···楽に暮らしたくて···。じゃダメですか?」
「あ···いいえ。」
「楽に過ごしたいなんて言い出すなんて、ハンターズでどれほどひどい扱い受けたんでしょうね、兄貴。」
(向坂ハンターは22か23くらい。 「S級ハンター」の称号が若い彼女には負担が重く感じられるんだろう。今回のレイドでひどい目に遭ったりもしたし。気の毒ではあるけど…)
「実は、ギルドには加入テストがあります。」
「はい?募集文にはそういう内容はありません。」
「作られたばかりの規定なので、うちの副社長がミスしたようです。賢太、ちょっと外でお菓子や飲み物を買ってきて。」
「は、はい!」
勝手にミスに仕立て上げられた裏切り行為には一つも文句を言わず、賢太は勢いよく返事をした。
「どんな試験ですか」
(···本気か? )
「僕が指定する召喚獣に勝つんです」
「···私に対する評価ってその程度なんですか、水篠ハンター?」
鋭い目でまっすぐに旬を睨みつける向坂。
「どんな召喚手ですか。」
「向坂ハンターには特別に一番強い相手を選んでさしあげましょう」
「 ···いいですよ。」
※歩く18禁じゃあーーーー‼️‼️
歩く18禁じゃぞ⁉️⁉️
けしからん‼️
けしからんぞ‼️
旬かっこよすぎてもう…もうっ…
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ただし実行は自己責任でお願いします。
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