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【141話】【ネタバレ】俺だけレベルアップな件【翻訳】

「これ以上捜査を秘密裏に進めることはないという話です」

アダムホワイトは締め上げられていた苦しさを振り払うように早口で続けた。

「アメリカ政府は、今回の事件で国家権力級ハンターという貴重な財産を失いました。 その犯人を捕まえるためなら手段と方法を総動員します」

「ハンター管理局は、ミスター水篠と良好な関係を築きたいと最後まで思っていました。そのため公開手配前に先にこの事実を知らせるためにこの場を設けたんです」

「招待されて出席した席で突然お父さんの顔が公開されれば、さすがのミスター水篠も戸惑うでしょうから」

(10年前に行方不明になった父さんが···魔物になって帰ってきたって?)

旬は手渡された父の写真に釘付けになっていた。

「大丈夫ですか?」



部下がアダムにそっと声をかけた。

「問題ない。 ただちょっと力が抜けただけだ」

(サイコキネシスか。物質を動かすといっても、そこらの上級魔法ハンターたちのものとは次元が違う。 これだけのサイコキネシスは国家権力級だけが持っている力だと思っていましたが···)

(いや、この人こそが史上6人目の国家権力級。
急いで副局長にこの事実を知らせなければ)



【国際ギルドカンファレンス】

各国を代表するギルドを招待し、ハンター界の動向と展望について話し合う重大な行事だ。
数日後、米ハンター管理局は、招待ギルドリストを公開した。

母国アメリカのスカベンジャーギルド代表、トーマスアンドレをはじめとした、各国の錚々たるメンバーの中で、日本代表として我進ギルドの名前があった。

我進の参加は国内外を問わず大きな話題を呼んだ。 ギルド所属の最上級ハンターは、ギルドマスターの水篠旬1人だけだった。

しかし、そのたった一人のハンターが最上級ハンターが多く在籍する世界の数多くのギルドと比べても劣らないという事実を、アメリカハンター管理局が公認したも同然だった。


「この度、国際ギルドカンファレンスに日本代表としてハンタースではなく、我進ギルドが招待され、多くの関心を集めております。 そのことについてハンタース社長、 最上ハンターは どう思っていらっしゃいますか?」


「米ハンター管理局の選択は当然と考えます」

記者からの質問に最上は冷静に答えた。


「「理解する」ではなくて当然なんですか?」

「はい、当然だと思います。」



「でも我進ギルドは実質たった一人のギルドでしょう?」

「でもその一人が、水篠ハンターじゃないですか。
戦闘に動員できるギルド所属人数を1人と定義したら、すでに水篠ハンターには数百人のギルド員が存在することになります
架南島ゲートを含め、彼の実力を直接見た私があえて申し上げれば···世界どの国のギルドと比べても我進ギルドの武力は引けを取らないでしょう」

「それでも毎年、韓国を代表してギルドカンファレンスに参加してきたハンタースギルドの立場としては、あまり気分が良いものではないと思いますが…。」

「アメリカ行きの機会を失したことは正直痛いですよ。 パスポートも更新しておいて待っていたんですからね。しかしそれ以上に誇らしいです。 どうしても手に負えない魔獣に出くわしたとき、迷わず頼ることのできるハンターが現れたのです。
実際に私と私のギルドメンバーたちは水篠ハンターに助けられたことで、生きて帰ることができました。
私は韓国を代表するハンターとして水篠ハンターが選ばれたことを心から誇りに思っています」



会見場から出ると、部下が嬉しそうに報告してきた。

「社長!午前に発生た北関東のゲート。 僕たちが予約を取りました。 A級ゲートですが、測定値はそこまで高くはないそうです」

「それは何よりです。
ところで今回も我進ギルドは予約申し込みをしなかったんですか? 」

「はい。今回だけでなく、最近の我進ギルドはとても静かですね」

(水篠ハンターがDFNから帰ってきて4日目···あのダンジョン破壊の化身がまだゲートに姿を現していない。 周りはお祭りムードなのですけどね…)

(白虎の白川や死神の黒須ならともかく、私は違う。 木から落ちたリンゴを見てただ喜んでばかりいては、猿と対して変わらない)

「それでも我進ギルドと競争がないおかげで、売上がなんと40%も上がりました! 」

「ここに猿がいる···」



目をキラキラさせて喜ぶ部下に呆れて思わず呟いた最上

「はい? 」

「なんでもありません。協会の方では何かわかっていることは?」


(等級再審査の前は、一日に下級ゲートを3、4個ずつクリアし、S級になってからは他のギルド区域のゲートまで足を伸ばし、遂には単独でDFNまで行ってS級ダンジョンブレイクを解決して帰ってきた人がこんなに静かなはずがない)
最上は眼鏡を光らせた。




「中国から水篠ハンターの資料要請がきました」
犬飼晃がそう報告した相手はハンター協会会長。

「資料?個人情報のことかね?」

個人情報の公開は本人が拒否しているため他国へは断っているのに、わざわざお伺いを立ててきたことに疑問符が湧く。

「いえ、個人情報ではありません」

「というと?」

「水篠ハンターのレイド記録や関連記事のような公式資料を頼みたいと」

「確かに中国側も最上級ハンターの個人情報の公開は期待しないだろう。しかし、なぜ今になって水篠ハンターに関心を持ったんだ?
どの国からのラブコールも受け入れないという彼の意思は、明確に伝えておいたはずなのに…」

「資料を要請してきたのは中国政府ではありません。 個人の要請でした」

「個人だと?」

「中国の七星級ハンター、リウ・ジーガンが関心を持っているようです。」

その名前を聞いて後藤が驚いたのも無理はない。

中国は世界規格のハンター等級に従わず、自国独自の等級体系を使っている。
五つ星を保有する五星級が最も高い等級だったが···ただ一人、劉志康だけが唯一等級外分類で「七星級ハンター」と呼ばれる。


「 そのリウ・ジーガンが水篠ハンターに関心を見せただと?」

「彼は巨人型の魔獣と戦って倒しました。それで巨人を始末した「水篠ハンター」に興味が湧いたようです」


(強者は強者を見抜くというのか···。)

「その要請、断ってしまえ。 困るなら表面的な資料だけ出してくれ」

後藤は嬉しそうに笑った。




【スカベンジャーギルドの社長室】

「明日がミスター水篠の入国日です」

「もう明日か」

ローラがトーマスに報告していると、社長室の扉が開いた。

「お呼びですか?」

「おお!ちょうど良いところにきた。
急ぎ伝えたいことがあってね。 まあ、単刀直入に言うとしよう。
水篠ハンターに関わるな。
ミスター右京」



突然、家族の仇の名前を出されて右京将人がその場で固まった。

「ミスター右京のお兄さんと水篠ハンターのことは、僕も知ってるよ。 疑わしい部分もあるだろうし、 正確に知りたい気持ちもあるだろう」

「ですが…」

言いかけた右京の言葉を、トーマスの人差し指が制した。

「ミスター右京に発言権を与えた記憶はないが?」

その顔は笑っているが右京を黙らせるのに十分な威圧感があった

ローラはその様子を壁際から見ていた

(大人しく聞いていた方がいいわよ。
あれほどまでに最高レベルのハンターに脅威を感じさせるほど威圧できる人はいないわ。 さすがトーマスね。
でも···獲物への執着は右京将人あの人もトーマスに負けない)

「"絶対に水篠ハンターには接触しないこと" カンファレンス期間中にはギルド所有の別荘に行って休暇でも楽しんでくるといい。
どうだ?私の願いを聞いてくれるか?」

右京の肩に手を置いてトーマスが問う。
返事はなく、右京は黙っている。

「ミスター右京?」

「………言われた通りにします」

「よし、行って良いよ」


「これでいいんでしょうか? 」

右京が出て行った扉を見つめてローラが呟いた。

「いや、これくらいで未練を捨てるはずがない」

「ローラ、水篠旬がアメリカを離れるまで、ミスター右京の監視を徹底しろ」

「彼が···受け入れるでしょうか…」

「まあ···ちょっと息苦しくはあるだろうが、死ぬよりはましだろ」


廊下に出た右京はあまりの屈辱に憤怒の表情を見せた。


遅くなりまして申し訳ありません。

いつも、誤字脱字だらけの翻訳お読みいただきありがとうございます!
今回は最上さん出番久々にちゃんとありましたね!
ストライプのスーツあんなに似合う人います!?😂
そして最後の右京の顔www

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