【138話】【ネタバレ】俺だけレベルアップな件【翻訳】
「そうだ。 あいつらが支配者たちの兵士だ」
「あの支配者ってやつらが俺たちの世界に怪物たちを···魔物を送ってくるんだよな?」
「言っただろ。 やつらは戦争を準備している。彼らはこの世界を戦場に変えて再び君主たちと戦おうとするのだと」
「よくわからないんだけど···。 なんで怪物を送ったからといって地球が戦場になるんだ?」
「単純な理由だよ。 あんたたちの世界に魔力を吹き込むためだ」
魔物がゲートから出た災いなら、魔力はゲートから出た祝福だった。 ハンターだけでなく、多数の一般人がそう考えた。
魔石と魔晶石
魔力の凝縮されたそれらは、現在最高のエネルギー源だ
(それらが戦争のための踏み台だったと?)
「力を持つ者であれど、存在しない力を作り出すことはできない。 支配者たちは捕らえた捕虜を利用することにしたんだ。」
「魔力の濃度が次第に濃くなっている。
それは、魔物たちの血を吸って大地から芽吹いた果実。
魔力は世界を強化させる。 戦争の衝撃でも焼失しない世界を作るのが彼らの計画だ」
「それじゃ戦争っていうのは…?」
「君主たちと支配者たちの再対決」
「やがてあんたたちの住む世界は地獄に変わる」
地獄城の惨状を思い返し、旬の中に戦慄が走る。
「時間がない」
「君が我と接触したという事実が知られれば,君主も支配者も黙ってはいないだろう。もしかすると支配者たちの使臣がすでに動いているかもしれない」
「さっきから何度も、あいつらが俺を狙っているっていうけどさ···理由は何だ?」
「本当に何も知らないんだな」
「実は君の力は君のものじゃない。「その力が君に渡った」ということは、元来の主人が君主たちを裏切った証拠だ。 君主や支配者の双方に敵がいる」
「しかし、我だけは君の味方になって戦うことを誓う。 だから、我を助けてくれないか」
「単純に俺の味方になるなら影の兵士になる方がいいんじゃないか?」
(何だ···一瞬彼の姿が··· )
「君主と支配者は霊体で構成されている。
霊体は死んだら破壊されて影にはなりえない。 だから我は君の兵士にはなれない。 もう私を助ける理由は十分では?」
(状況は理解した。 でも、何故か妙にひっかかる)
(何か···何か見逃してる)
「鎖を切ってくれ」
短剣を呼び出して君主に近づく
「あんたは俺の側に立つと言っただろう? 」
「もちろんだ。
君が私を助けるなら私も君を助ける。正当かつ完全な君主間の取引だ」
吊るされていた右腕の鎖が旬によって断ち切られる
(一瞬、彼が重なったのは···ただの勘違いだったのか)
自由になった腕を確かめながら君主はそう思った。
もう一方の腕の鎖に手を伸ばした旬がピタリと動きを止める
「じゃあ、だったらお前は人間の味方なのか?」
君主からの返事はない
「なんで黙ってるんだ?」
見下ろす旬の目はどこまでも冷たく鋭い
「信実の誓いのせいか」
「あんたの首の後ろに刺さった魔法石····それがある限りあんたも支配者たちの命令を聞かざるを得ないよな」
「他の魔物たちのように「人間たちを殺せ」と」
「取引不成立だ」
解放された右腕が旬に向かって振り下ろされた。
「あんたを生かしておくのは危険すぎる」
その腕を避けて、手に持つ短剣を君主の胸に突き刺した
「なっ!?」
「災いになるかも知れないからな」
痛みに耐えながら、君主が声を絞り出す
「いや···訂正しよう。 災は我ではなく···お前だ」
旬の連撃を受けて君主の口から血が吐き出される。
片腕での反撃を軽々とかわし、再度胸に短剣を突き刺す。
「お前たちの世界の住民たちと捕虜になった混世の住民たちの戦いが激しくなればなるほど、世の中はさらに熾烈な戦場に変わっていくだろう。 願わくば···」
「お前が守ろうとするすべてのものが、戦争の業火に焼かれて灰になりますように」
「そんな思い通りにはさせない」
旬が君主の首を落とすとシステムの通知が届いた
[ダンジョンの持ち主を倒しました]
[九君主の一人である太古の君主 『レギア』を倒しました]
[経験値を計算中です]
[大量の経験値が入って時間がかかる可能性があります]
「影の兵士に出来ないのは惜しいけど…これは戦利品として持って行こう」
旬の手には魔法石が握られていた。
[レベルが上がりました!]
[レベルが上がりました!]
[レベルが上がりました!]
[レベルが上がりました!]
[レベルが上がりました!]
[レベルが上がりました!]
[レベルが上がりました!]
[レベルが上がりました!]
[レベル122]
超豪邸といえる邸宅の広大な芝生の上に一機のヘリコプターが着陸した。
「今日訪問があるとは聞いてないが」
屋敷の主人である国家権力級ハンター、クリストファー·リードが、玄関口から不機嫌な声を出した。
「お久しぶりです、副局長。 そしてセルナー夫人」
「折り入って申し上げたいことがありますので、人払いをお願いできますか」
ヘリコプターでセルナー夫人と共に訪問したハンター局の副局長が言う。
「あの二人が帰るまで誰も私の部屋の周りに近寄らないように」
「承知いたしました」
指示を受けたメイドは理由を尋ねることもなくそう答えた。
応接室に2人を通して、クリストファー・リードは不機嫌を隠そうともせずぶっきらぼうに話し始めた
「何の御用でこんなに遠い所まで来られたのですか。
もし東部のどこかに発生したというS級ゲートのこおならはっきり申し上げます。 私は行きません」
「私はゲートのために来たのではありません、ミスタークリス。それよりはるかに深刻な問題があります」
「S級ゲートより深刻な問題ですか?」
「ミスタークリス、あなたは近いうちに殺されるかもしれません」
紅茶を口元に運ぶクリストファー・リードの手が止まった。
※君主って9人もいるんですね!
↑
原作読んだのに覚えてない
ちなみにレギアはもっと見目麗しい感じを想像してました。
完全に読みが外れてゴールドロジャーそっくりな人でした。
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