【122話】【ネタバレ】俺だけレベルアップな件【翻訳】
ゲートの前に佇む旬と、相変わらず派手な兜を被った賢太。
周りには規制線が張られハンター協会の協会員たちが野次馬を制している。
「兄貴···こんなの初めて見ます。」
「こんなに大きいゲートだなんて···! 」
(関西のゲートを見たらもっと驚いただろうな)
「 行こう」
記者たちが規制戦から身を乗り出して、我先にと旬にマイクを向ける
「水篠ハンター、 こっちを見てください!」
「 アジンギルドの最初のレイドになりますが感想を一言お願いします! 」
「ギルド名をアジンに決めた理由はありますか?」
「創立メンバーの諸菱明菜さんとはどんな関係ですか!?」
「騒がしくて申し訳ありません水篠ハンター」
犬飼が旬に近づきながら言った
「犬飼課長、俺の情報って確か保護されているんじゃなかったですか?」
「ハンターの情報は保護できても、ゲート位置の情報を保護することはできません。これからはSNSも注意が必要ですね」
「あー…気をつけます」
(あのUPされた写真ね)
「兄貴、でも回収チームや採掘チームは 呼ばなくてもよかったんですか?俺一人じゃ無理だと思うんですけど」
「 大丈夫、仕事は影がやるから」
呼び出した影兵たちの魔力を犬飼が測定した
(なんと···全ての召喚獣がB級以上だ。 A級ゲートの攻略許可基準を軽く超えてるな。これまで贔屓かどうかをめぐって争っていたなんて、みんな馬鹿みたいだな)
「チェック完了しました」
「ただし…」
犬飼がいつも隙なく着込んでいるスーツを脱いだ
「あ。 」
「おぉ~! 」
「水篠ハンターのレイドが本当に安全なのか, 協会長が見守って来るようにおっしゃいました。今日1日だけ監視課の一員として同行してもよろしいでしょうか」
「犬飼課長こそ大丈夫ですか?」
「え?」
数分後…
(A級魔獣のナーガは戦闘と魔法に長け、熟練したハンターですら手を焼くが…)
「不滅の軍隊が数で圧倒して相手にもならないな」
イグリットやベルをはじめ、影の兵士たちが次々に魔獣を薙ぎ払う様子を見て、青ざめた犬飼が呟いた。
(特にあの召喚獣···)
視線の先には悪魔王の長剣を手にするイグリットの姿
(電撃魔法はかなりハイレベルな魔法系ハンターしか扱えないのに···剣を振るたびに電撃が起きるなんて)
(A級?いや、すでにA級を超えている。一騎打ちで戦ったとしても勝てるかどうか…)
「おい, それは食うなって言っただろ。魔獣の死体がいくらになるか知ってて食べようとしてるのか? 」
魔獣の死体を食べようとしたアリ兵を旬が蹴り飛ばした。
「そこ、お前ら! マナ石採掘サボるなよ! 」
採掘作業にあたっている兵士たちに檄を飛ばす。
(ダンジョン攻略、遺体回収、鉱石採掘が全て可能な人物。 もうこれはワンマン攻撃隊なんかじゃない)
「協会長が見てこいと言った理由が今ならわかる…」
「作業する奴ら以外は解除」
旬たちの目の前には巨大なナーガのボスがいた。
「どうして残りの兵士たちを解除したんですか。 召喚数だけでも十分だと思いますが」
「召喚獣たちに依存しすぎると…」
言いながら旬の手には悪魔王の短剣が呼び出される。
「体が鈍りますから」
そう言い残し旬の体の何十倍もあるナガに飛びかかると、その直後には絶命したボスの巨体が地面に倒れた。
[ダンジョンのボスを倒しました]
[レベルが上がりました!]
[レベル101を達成しました。]
[職業専用スキルのレベルが上昇します。]
[スキル:「影抽出」のレベルが上昇しました。]
[スキル:「影保存」のレベルが上昇しました。]
[スキル:「影交換」のレベルが上昇しました。]
レベル100に到達した時には無かったシステムの通知音が次々と鳴り響き、旬は驚きの声をあげた。
(専用スキルレベルが全部上がるなんて。 おかげで影の交換待ち時間が1時間も減った。1レベルにつき1時間短縮···。てことは、これからもっとレベルアップすれば、俺がどこにいても、母さんと葵が危険に陥ることはなくなるな)
(ナーガの鱗は鎧や盾といった防具に使われるほど堅固なのに、それをたった短剣二本で···)
犬飼は驚きをもってナーガの死体を見下ろした。
だが驚きはそこで終わらなかった
「起きろ」
[君主の声が亡者の戦意を引き出します.]
[影の強化に成功しました!]
[影のレベルが13から始まります]
[??LV.13] 精鋭騎士等級
(等級はキバと同じなのに···レベルが13?生前の本体に近い能力が出せるのか…ところで)
目の前に召喚されたナーガは精々旬の数倍の大きさだ
(すごく小さくなったな…)
(普通、元々の大きさと似ていたり 大きくなったりするんだけど。 代わりにものすごい魔力が感じられる。 魔力だけならキバと似ている)
懐くように頭を寄せてきたナーガの鼻筋を撫でてやる
(キバみたいに魔法で大きくなれるなら···これが本当の姿かもしれないな。 とにかく大きな戦力が追加された。)
[兵士の名前を決めてください。 ]
「うーん··· ジマ…ジマにしよう」
[「ジマ」にしますか?]
「はい」
(あんなに強いモンスターを召喚獣にするなんて···。さすが兄貴!)
賢太が感心していると、ボスを失ったダンジョンが音を立てて崩れ始めた
「あ!兄さん、もう外に出ないといけません。!」
「そうだな。じゃあ、この死体は···」
巨大なナーガの死体を担いで出てきた、巨大化したキバを目の当たりにしたゲートの外の記者たちは、皆一様に驚きすぎて微動だにできなくなっていた
「に、逃げて!」
「いや、あれは水篠ハンターの召喚獣だ!」
「A級ゲートをもう終わらせたの?! 」
「早く撮れ!!」
記者たちからフラッシュを焚かれたキバは嬉しそうに頬を緩めた
「ここをちょっと見てください! 」
「兄貴。記者が多くなりましたね。 」
「そうだな」
旬に驚かされ慣れている賢太とは違い、犬飼はダンジョン内での衝撃の連続で青ざめ、やつれてゲートから出てきた。
「俺たちの最初のレイドに関心が向けられてるみたいですね。そんな必要はないのに」
放心したまま、犬飼はその足で協会長のところに向かって白目を剥きながら敬意を全て説明した。
「…以上です」
「ふぅ…」
会長は止めていた息を吐き出した。
会長の前で普段は気を抜く瞬間などない犬飼が、今は力なくソファに腰掛けている。
その姿が疲労度を表しているようだった。
「犬飼課長が見てきたレイドは数えきれないほど多いはずだが…君ほどのベテランですら介入する余地がないとは…」
「あれは……ただの大虐殺でした」
「犬飼課長。分かった。 帰って少し休みなさい」
「そうさせていただきます」
犬飼は素直に従って頭を下げて部屋を出た。
(ダンジョンでの死体回収、攻略、鉱石採掘まで···。 1人攻撃隊と言っていいものなのか)
(1人ギルド。彼は「ギルド」そのものだ)
はめ殺しのガラス窓から夕焼け空を眺め、協会長は嬉しそうに微笑んだ
「やはり私の目は間違っていないなかった。日本···いや、世界のハンターの構図がひっくり返るかもしれない」
DFN首都
道ゆく人々は皆一様に天を仰いで空いた口が塞がらない
「なんだ」
「あれは. なんだ······」
道路、車、自転車、人。 それらの上に、静かな叫びの中で目の前に現れたそれは、その大きさだけで怪物と呼ばれるのに十分だった。
※これを神回と言わずして、どこを神回と呼ぶのでしょう😭😭😭
犬飼ファンの皆様お待たせしましたーーーー‼️‼️‼️
犬飼課長のスーツ脱ぐのエッロー‼️
ガッチガチの鎧姿は小説で想像した通りすぎてダメもう…鼻血が…
スーツ着込んでビシッとした犬飼さんも好きだけど、唖然としたり青ざめたり表情豊かな犬飼さんがめちゃめちゃ好きすぎてしんどい🥺🥺🥺
まだまだ先ですけど、赤面するところも見られる予定なのでお楽しみに❤️
そして悪魔王の短剣を持ちながら振り向いてる旬が、カッコ良過ぎるシーン1位を余裕で更新してきましたね…
ちなみにここまでの1位は架南島に現れる瞬間の全身ショットです🥰
キバのカメラ向けられて照れながら嬉しがる姿も可愛すぎる…
次のカカペの更新は15日の0時の予定ですね!
※ 友人のたこさんが韓国のkakaopageのダウンロード方法を掲載してくれています。
違法サイトはフィッシングサイトでもあり危険ですので、先読み希望の方はお試しください。
ただし実行は自己責任でお願いします。
https://note.com/t_sololeveling