小噺 鈍色のキッチン

鈍色を吸い込んだキッチン

一筋のスポットライト

廃墟に差し込む朝日の白

空白の呼吸

かつての役目を終え、ひっそりと栄光に包む

存在を以ってして初めて、日常と化す

足りない何かを、ずっと待っている


鈍色の流し台

カーテンの裾から漏れる朝

反射する硝子と黄金色の香 

一定の呼吸

気怠さと共に始まる、一日が遠く離れ

存在をもってして初めて、夢と化す

足りない何かを、ずっと待っている



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