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ビートルズの奇妙なコード進行3(Because)

ビートルズはコード進行が面白いとはよく言われますし私もそう思うんですが、ネットで見てると「こんなコード進行普通はありえない!」とか誰かがビートルズ愛の余り熱く語ってることが、「いやそれビートルズの前から普通にありえるんですけど」みたいなのもあります。今回はマイナーな曲ですが「Because」。これはやはり解釈しづらい曲だと思います。でも見つかる限りネットで書かれている解釈には納得行かなかったので自分なりに頑張って考えてきます。

下のリンク先のサイトを参考にさせてもらいます。

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D-5 Dm-5 となってるとこは、表記の仕方はともかく、まああってますけど、全体としてDdimと考えていいでしょう。ちょっと話は逸れますが、dimとdim7は厳密には当然違うのですが、普通はdim7のことをdimと書いたりします。○と書くことも多いですね。m7(♭5)(Φみたいにも書きます)との違いは7の音で、m7(♭5)の7は短7度、dim7の7は減7度の違いです。7の音が入っていないトライアド(三和音)では両者に違いはなくdimというコードになり少し混乱することがあります。実際問題としてdimのトライアドを指定することはあまりないので問題になることはあまりないのですが。この曲では7度が入っていませんが、敢えて入れるなら減7度となると思われますのでdim7を弾いても違和感は感じないと思います。

さて改めまして6小節目から書くと

C#m→D#m7(♭5)→G#→A→C#m→A7→A13→D→Ddim→C#m
Ⅰm→Ⅱm7(♭5)→Ⅴ→Ⅵ♭→Ⅰm→Ⅵ♭7→Ⅵ♭13→Ⅱ♭→Ⅱ♭dim→Ⅰm

問題となるのはⅥ♭13→Ⅱ♭→Ⅱ♭dim→Ⅰmのとこです。Ⅱ♭はトライアドですけれども7度を入れるなら短7どではなく長7度でしょう。ですので通常ですとⅡm7(♭5)のルート音を半音下げたサブドミナントマイナー系、或いはフリジアンモードからの借用コード、クラシックではナポリの2(或いはナポリの6)とされたりしますが、聴いた感じA7をピボットコード(異なる調に共通するコードのこと、A7はC#マイナーには属さないので厳密には違いますがよく出てくるのでそれに準じて考えることは出来るかと)としてC#マイナーからDメジャーに転調してるような感じもします。これは感覚的な問題なのでこのコード進行だけを見たらそう判断する人は多分いないと思うし、私も強くそう主張する気はありません。仮にDメジャーだとするとD→DdimはⅠ→Ⅰdimということでよくある進行ですが、次にC#m(Ⅶm)進むというのは見たことがありません。普通にⅡ♭としてもⅡ♭→Ⅱ♭dim→Ⅰmというのは見たことないです。ネットで分析してる人を見るとⅡ♭をⅡm7(♭5)の代理と見て、Ⅱ♭dimをパッシングディミニッシュと解釈する人もいますが、Ⅱm7(♭5)とⅠmをパッシングディミニッシュで繋ぐのはやはり普通ないのでは。

ディミニッシュコードが半音下のマイナーコードに行くという点に絞って見てみると、一番よく見かけるのはⅢm→Ⅲ♭dim→Ⅱmですね。他にはⅣ→Ⅳdim(Ⅴ7の代理)→Ⅲmというのもあります。キーをAと考えると後者はバッチリなのですがどうなのか。

後半に出て来る

D→Ddim→F#→G#→C#m

はF#のところでF#メジャーへの転調と考えていいと思います。G#をピポットコードとして(F#メジャーのⅡかつC#mのⅤ)、再びC#マイナーに転調する。C#メジャーのⅣ→Ⅴから同主調のC#マイナーに戻ると考えることも出来るでしょうが、やはり前者かな。ま、ここはどっちでもいいかな。まあ仮に前者と考えるとD→Ddim→F#はⅥ♭→Ⅴ7onⅥ♭→Ⅰとなります。そうするとⅥ♭とⅤ7onⅥ♭はF#メジャーの同主調F#マイナーからの借用と考えられるので、そうすると先程D→DdimのキーをAメジャー(F#マイナーの平行長調)と考えるというのとの整合性は取れますがどうでしょうね。実際F#に入るところはF#mに行く感じのところをF#に転調してますからね。Aがトニック的に落ち着くコードとして登場することがないためにキーをAメジャーとするのは変な気もしますが、やはりD→Ddim→C#mをこれだけ自然に感じるのはⅣ→Ⅳdim→Ⅲmという流れぐらいしか思いつきません。まあとにかくこの曲で問題になるのはD→Ddim→C#mのとこ一点です。

ジョン・レノンはこんなことは考えてないでしょうから、こんなこと考えてもしょうがないと思う人もいるでしょう。でもどういう仕組みなのかを分析することにより応用することも出来、新しいアイデアも出てき易いと思います。少なくとも私はね(笑)。

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