たけたろう

30代社会人男性です。このノートには、主に読んだ本の要約、アート作品を観賞した感想など…

たけたろう

30代社会人男性です。このノートには、主に読んだ本の要約、アート作品を観賞した感想などを書いていきたいと思います。 小津安二郎監督の映画や夏目漱石の小説等に興味があります。宜しくお願い致します。

最近の記事

白百

原研哉さんの「白百」という本を読み終えた。 この本は、とあるyoutuberの方が「東大の現代文の過去問で有名なのは2009年の白の問題だ」と話されていたので、興味を持ち書店で取り寄せてもらった。余談ではあるが、私が欲しかったのは「白」という方の言わば旧バージョンであったのだが、どういうわけか手元に来たのは最新版の「白百」の方であった。ラッキーだった。 この本は原研哉さんが白という言葉から連想する100個の事象、例えば紙やスピッツなど、についてエッセイが書かれている。本書にお

    • 欲をかかない

      欲をかかない、清貧な生き方に憧れる。最近ポレポレ中野で上演されている中村哲さんのドキュメンタリー映画をまだ観ていないがあんな生き方をしてみたい。つまり自分のことは二の次にして人の役に立つような生き方を志向している。 しかし、である。私は欲張りだ。昨日もインスタライブで新宿伊勢丹のファッションカタログを店員が紹介している動画を見ていた。私はブランドが好きである。ヨウジヤマモトのパンツも持っている。 清貧な生き方に憧れる私は、それでいて人一倍高級志向なのだ。矛盾している。 私のよ

      • 虎に翼

        最近虎に翼を良く見ている。シフト制で不規則な時間帯に働いているので毎回は見れていないが、見れる時は見ている。昼に再放送しているのも視聴しやすいポイントだ。 印象的なのは、岡田将生の演技だ。 登場し始めた時はどこか陰のあるバツイチのミステリアスな男性という役柄だったが、虎子とひとつ下の屋根に暮らすようになり次第に人間味が感じられるようになっていく。 子供が2人居て、元妻の母親もおり再婚相手の連れ子も居る。子供達もそれぞれの悩みがあり、父親の立場上家族達の間に立っていかなくてはな

        • 重い腰を、それでも上げる

          朝にstand fmを聴いていたら、気になる情報が入ってきた。嫌なことに取り組む時に腰が重いのは、嫌な作業をする時の嫌な感じが頭の中をつきまとって離れないからだと。作業をやり終えて優雅にコーヒーを飲んでいる姿をイメージすれば、物事には着手しやすいらしい。なるほど、と思いずっと先送りにしていた風呂の元栓のネットの交換に挑んだ。 もちろん、作業をやり終えてコーヒーを飲む為だ。 結論、思いの外スムーズに着手できた。 ただ、いざ作業に着手するとやり終えてうんぬんなど考えておらず、今日

          買い食い

          遅番の日は買い食いをしてしまう。例えば、コンビニでシュークリームを買い、職場近くの自動販売機でジュースを買う。 仕事を退勤した後にスイーツを買い食いするのはちょっとした快楽である。 しかし、今読んでいる本の中に「空腹やお金が無くても人に自分の分を分け与える」人について書かれている。 案外これが人間関係の基本だと思う。 どうせ人生は一度きりなのだから、もちろんタイミングは見極めた上で人様に何か手伝いをしてあげたい。

          偏り

          朝起きて、自分が今まで書いてきたnoteをふと見返してみた。福祉や資本主義批判など、だいぶ偏ったことを書いていたなと思った。 それら1つ1つは間違ってはいないけれど、力のかけ方とか視点の広さが欠けている気がした。 振り返りつながりで言うと、最近本棚の整理も行った。実際やってみると、不要な本だったりまだ読んでいない本が出てきたりして有意義だった。 不要な本はもう何度か読み返して元は十分取れたなという本。例えば、「苦役列車」と言う本だ。 この本を買ったのは大学生であり、単位を取得

          懐かしき大船

          中・高と北鎌倉にある男子校に通っていた為大船には思い入れがある。その大船に昨日行ってきた。 単純に様変わりした駅の様子に驚かされる。 私が学生だった頃は駅の構内にスタバもラーメン屋も無かった。 駅から出てみれば、上島珈琲もドトールもある。 別に今どき珍しくはないのかもしれないが、私にとって大船は都会というイメージではないのだ。 学生時代は軟式テニスの試合でテニスコートまで駅から歩いていき、帰りにコンビニでだべる。たまにカラオケで馬鹿騒ぎをする。 私にとってそんな街だった。けれ

          懐かしき大船

          吉井和哉

          以前の記事にも書いたが、20代の後半に一人暮らしをしていた頃に良くthe yellow monkeyの楽曲を聴いていた。 当時はテンションの下がる家事を気持ちを上げてこなす為に聴いていたが、そうした聴き方は今も変わらない。 変わったこともある。 現在31になり、当時はイエモンのメンバーや楽曲を背伸びしていた気分で聴いていたが今は等身大に感じられるようになった。 年を重ね、色々なものが削ぎ落とされ社会の枠組みにピタリとハマるようになってきた感覚はある。 以前よりは規則正しい生活

          マルクス主義

          最近よくマルクス主義に関する著作やアート作品にぶち当たる。意図的に手に取っているものもあれば、たまたま手に取ったものがそれについて書かれているものだったりする。 私は社会主義とか左翼とかいった特定の思想はない。しかし、選挙に行かないなど無関心を装い没個性に甘んじる現代の若者的なスタンスもあまり良いとは思っていない。 それに対し、何か偏った思想を持っている人は、全肯定はできないが現実の社会問題に真剣に向き合っている。 本を読んでいると、左翼の活動家が格差や貧困問題をどうにかした

          マルクス主義

          寄る辺のない熱情

          横浜トリエンナーレのうち、黄金町で開かれている黄金町アートフェスティバルに行ってきた。 黄金町という町には「ちょんの間」など暗い歴史が跡を残しているが、そのように活用されていたであろう古めかしい建物をアーティストが再利用して上手く芸術作品として機能していた。 印象的だった作品がある。それは、一見古くからあるクリーニング屋なのだが、中に入ってみるとアートスペースになっている場所にあった。 各展示のテーマは「寄る辺のない熱情」であり、様々な作品があったが入口入ってすぐの暗い部屋で

          寄る辺のない熱情

          満ちている途中。

          朝のニュース番組を見ていたら倉科カナさんがご出演されており自身が出られる映画(三日月とネコ)について番宣をされていた。 その中で、「欠けているのではない。今は満ちている途中」という台詞があることが紹介されていた。 その言葉で少し救われたような気持ちになった。 私自身、日々生きていて何かが欠けていてそれにより満足のいく結果にならないと感じることが多い。 けどそれはきっと、できるまでやればいいってこと。 少し話は逸れるが、私は趣味が読書であり古い本を読むことが多い。そうした作品の

          満ちている途中。

          何よりも大切なこと

          朝起きて、ふと頭の中でjudy and maryの「散歩道」が頭の中で流れ始めたので気になって歌詞を検索してみた。 難しいことばっか考えてると意中のあの子とも仲良くなれないとか、頭柔らかくしようとか、少し優しくなって夕暮れにも気づくとか。 まるで今の自分に向けられているような歌詞だと感じた。 私は何でもない日常を楽しむことが苦手だ。 だから予定が空くと、自分が興味を持っていることを詰め込み過ぎてしまい結果的には疲れてしまう。 歌詞的に言えば、求めてばっかりじゃ魂も枯れちゃう、

          何よりも大切なこと

          輝いている日々

          誰にだって輝いている日々を過ごしていた時間があるはず。自分の場合はそれがもしかしたら今なんじゃないかと思えるような日々を過ごしている。 この日々が、人としてはギリギリ許されるようなだらしなさのせいで台無しになることを恐れている。 最近思うが、この世界で求められるのは超人になることだと思う。 他の人がこう思うだろうとか、こう見られるだろうとかそんな基準で生きていたら駄目だ。 それらを乗り越えていけるような超人性が必要だ。 こういった話をニーチェは超人という言葉で表現していた気が

          輝いている日々

          資本主義

          最近メディアで良く斎藤幸平さんという方を良くお見掛けする。 調べてみると東京の仏教系の進学校に通われていたらしく、神奈川の仏教系の進学校に通っていた私は親近感を覚える。男子校というのも大きいかもしれない。 あまりにも気になったので、彼の出ているyoutubeの動画をチェックしたり著書を買って読んだりしている。彼の主張を大まかにまとめると、現代におけるマルクス主義の再定義、ということになるだろうか。 マルクス主義と言えば、私が中学受験の勉強をしていた頃に父の部屋にマルクスの顔写

          植物

          最近植物を購入し育てている。種類はサンセベリアという品種であり、枯れにくいからという理由で購入した。見た目も葉っぱが綺麗な緑色でハイドロカルチャーで育てているので土の色も赤褐色で葉っぱとの色合いがお洒落っぽい。 このサンセベリアであるが、今の容器が段々と小さくなってきた為植え替えのタイミングを迎えている。寒い時期ではなく、5月〜10月に植え替えをするのが良いらしい。 その為昨日は丁度良いサイズ感の鉢を探していたが、買うには至らなかった。植物の容器の高さと底の長さを測っていたが

          砂の女 part2

          以前に読んでいた、「砂の女」という作品を読み返していた。結果的には気になるフレーズのオンパレードであった。 まず、私はこの作品について致命的な勘違いをしていた。作品の最後に主人公の失踪届が地方裁判所から発行されて終わるのだが、それは現実世界の方における失踪であり砂漠で失踪したわけではない。 しかし私がこの作品を再び読む前に抱いていた印象は、最後に主人公が死んでしまう話であった。 失踪届を死亡届と勘違いしていたようだ。 砂の女を名作たらしめる理由は、砂の女側から見た男性の姿が描

          砂の女 part2