ねじ曲がった論理性
経験されたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、上司・先輩の指示が論理的におかしいと思うことはありませんでしょうか。
私は社会生活で何回も感じました。その論理的におかしいという構造の1パターンを紹介したいと思います。
1.AならばB
「AならばB」は高校の数学で習うと思います。
例えば、「鶏であれば鳥類である」といった論理関係です。
これらをA⇒B、鶏⇒鳥類と表記したりもしますね!
なぜ、この論理の話を学校で習うかというと、これを理解していないと物事を正しく伝えられないからなのかと思っています。
2.事実関係が分からない上司
AさんはB上司に以下の内容を頼まれたとします。
・今日の研修資料を明日朝始業時までにまとめておいて。
また、その時の状況は以下のとおりです。
・今は終業5分前です。
・どれだけ急いでも作成に30分かかります。
・今日はノー残業デーのため、残業ができません。
Aさん。結局、持ち帰って仕事をしないといけなくなりました。
(持ち帰っても機密事項の流出にはあたらない内容でした)
ここまでの話をまとめると、
今日の研修資料を明日始業時までにまとめる ⇒ 30分必要。
今から30分仕事をする ⇒ (今日はノー残業デーだから)残業ができない。
残業ができない ⇒ 持ち帰って作業をする。
つまり、
今日の研修資料を明日始業時までにまとめる ⇒ 持ち帰って作業をする。
という図式が成り立ちます。
昔の私みたいに弱気だったAさんは、我慢して持ち帰って作業を行いました。
次の日、C課長にAさんは、「この資料いつ作ったの?」と聞かれ、
Aさんは「B上司の指示で、自宅に持ち帰って作業を行わざるを得なかったこと」を報告しました。
B上司はそれを聞いて怒りながら「今日の研修資料を明日始業時までにまとめるよう指示を出しただけで、残業や持ち帰り作業は指示していない!」と言うのです。
まさに、ねじ曲がった論理性です。
B上司には事実関係が読めないのでしょうね。
働いていく上でこのような理不尽なことに耐えていかねばなりません。
3.こんな上司にならないために
指示する前に、自分の組織のルールや相手の状況などの前提を抑えておくことです。
この場合は、
・終業時刻は何時何分か。
・作業にかかる時間は何分か。
・残業できる環境か。
・そもそも、自分の指示で相手にサービス残業を強いることにならないか。
などは抑えておく必要があります。
当たり前の気遣いがあればこんなロジックに頼らなくてもすぐに解けますね!
結局は、人に配慮していれば、ロジカルシンキングもできてくるのです。