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「温泉ワーケーション」で仕事に集中するための4つのポイント

ワーケーション体験者のネガティブな感想としてよく挙がるのが、「リラックスはできたが、仕事に集中できなかった」というものだ。

いつもと異なる温泉地という環境で、どれだけ仕事をこなすことができるか、不安になる人もいるかもしれない。

温泉地で仕事をする「温泉ワーケーション」では、どうすれば仕事に集中し、生産性を高めることができるだろうかーー。今日はこのテーマについて考えてみたい。

仕事と休暇の切り替えができない・・・

ワーケーションでは仕事と休暇が混在する状況に置かれるため、次のような感想をもつ人が少なくないようだ。

「仕事と休暇の意識の切り替えが難しい」              「普段より仕事に集中できなかった」

実際、温泉ワーケーションの場合、温泉地ののんびりとした雰囲気に溶けこんでしまうと、仕事モードになりにくいこともある。

また、旅館の部屋で仕事をする場合は、空間の変化がないので気持ちの切り替えがしにくい。これは、自宅の部屋でテレワークをするときはメリハリがきかないのと同じである。

では、温泉ワーケーションで仕事モードに意識を切り替え、集中するにはどうすればいいだろうか。

仕事の環境を整える

ひとつは仕事にとりかかりやすい環境を確保することだ。たとえば、Wi-Fi環境があるかどうか。

業務内容によってはこれをクリアしないと、大きく作業効率が下がり、ストレスとなる。Wi-Fiがつながりにくいがために、仕事に集中できなくなってしまう。

また、気分を切り替えやすくするために、宿の部屋以外にテレワークに向く場所があるか事前に確認することも大切だ。基本的に温泉旅館は働くことを想定していない。

だから、自室以外に仕事ができるスペースがある旅館や、近くにコワーキングスペースなどがある温泉地を選ぶという作戦も検討すべきだろう。オフィスやカフェに行くと仕事が捗るように、環境が変わることで集中力もアップする。

最初から高い生産性を期待しない

そして、これはワーケーションの設計部分の話であるが、仕事の期待値を下げておくことも大切だ。最初から高い生産性を期待しないのだ。

「ワーケーション先ではいつもより仕事が捗るはず」というのはほぼ幻想にすぎない。やはり仕事に集中しやすいのは、いつもの慣れたオフィスであり、旅先の温泉宿では慣れない環境もあって、仕事の生産性は下がるのが普通だろう。

したがって、温泉ワーケーションには過度な仕事を持ち込まないことだ。普段の生産性が7割以下になると想定していたほうが無難だろう。「仕事が終わらなくて、温泉に入ってもまったく寛げない」という状況に陥ったら本末転倒である。

それを踏まえたうえで、可能な範囲で温泉ワーケーションに持ち込む仕事も選ぶといいだろう。環境を変えることは、これまでにない発想を得るチャンスでもある。「ビジネスのアイデアを練る」「問題解決につながるような策を考える」といった日常業務の中では手が回らない仕事を持ち込むのも選択肢のひとつだ。

「作業時間」を決めておく

仕事の時間を事前に決めておくことも集中力を高めるポイントのひとつだ。「仕事が終わったら温泉に入ってゆっくりしよう」と悠長に構えていたら、集中できずにダラダラと時間が過ぎてしまう恐れがある。

私もかつて、半日くらいで終わる量の仕事を持ち込んだことがあったが、途中で集中力が途切れ、気分転換と称して温泉に入っていたりしたら、なかなか作業が進まず、結局夕食後まで仕事をする羽目になったことがある。これではかえって疲れてしまう。

「仕事は午前中までに終わらせて午後からは温泉三昧を愉しむ」「仕事は14時まで。あとは温泉に集中する」というように前もって決めておくといいだろう。「締め切り効果」という言葉があるが、人は締め切りがないと、なかなかメリハリが利かず、集中力が高まらない。

最後に大切なことは、仕事が忙しい時期や正念場のときは温泉ワーケーションには出かけないことだ。

仕事が大事な時期は、慣れた環境で集中して終わらせたほうがいい。あくまでも温泉ワーケーションの目的の半分は、温泉によるリラックスである。大事な仕事をやり残して出かけても到底リラックスなどできないからだ。


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高橋一喜|温泉ライター
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