見出し画像

温泉ライターが北海道に移住したワケ#2

2021年1月、東京・新宿から北海道・札幌市に移住しましたが、大きな理由のひとつは「子育て環境」でした。

じつは他にも決断を後押しした要因があります。今回は2つめの理由についてお伝えしましょう。

リモートで仕事ができる

札幌への移住を決断した2つめの理由は、リモートで仕事ができる環境になったことです。

私は温泉ライターとして活動しています。全国各地の温泉地に出かけて原稿を執筆する仕事です。

じつは、これ一本では食べていけないので、並行して温泉以外の書籍の編集や執筆の仕事もしています。もともと私は出版社で書籍や雑誌の編集の仕事をしていたこともあり、今でもフリーランスの立場で出版社などから依頼を受けて、編集や執筆の実務を行なっています。

本は出版社の編集者がつくっているイメージがあるかもしれませんが、フリーのライターや編集者、デザイナーなど外部のスタッフも多く関わっているのです。

フリーランスの立場なので、納期などは決まっていますが、いつ、どこで、どのように働くかは基本的に自由です。当然、打ち合わせや取材など対面で人に会うこともありますが、仕事の7割は執筆・編集作業なので、だいたいはパソコン上で完結します。

したがって、作業場所は自宅やコワーキングスペース、カフェなどさまざま。ときには温泉宿で仕事をするときもあります。

「東京に住む必要ある?」

もともと、だいぶ自由度が高い仕事のスタイルだったわけですが、2020年、コロナ禍によるリモートワークの拡大によって、さらにその自由度が加速する結果となりました。

打ち合わせや取材が軒並みリモートになった結果、人と対面で仕事をする機会がさらに減り、ほぼ毎日一人で作業をする状況になったのです。それでも、仕事の内容はほぼ同じ。特に支障が出ることはありませんでした。すると、こんな疑問が心の中に芽生え始めました。

「これなら東京の都心に住む必要はないのではないか」

「高い家賃を払って、わざわざ人の多い場所に住む必要性はあるのか」 

たしかに、若い頃は東京に住むことは刺激もあって楽しかった。しかし、年齢を重ねたからでしょうか、近年は人の多さに疲弊する機会が多くなっていました。そして、「東京を離れて、もっと自然が豊かで、ゆっくり暮らせる場所に移住したい」という欲望がむくむくとわいてきたのです。

一般的には、いざ移住するとなると、仕事が壁になります。新たな土地で食べていく手段を見つけなければならないからです。しかし、私の場合すでにどこで仕事をしてもいい環境になっていました。もちろん、対面が必要なときは東京に来る必要はあるけれど、リモートワークによってその頻度も大きく減りそうだ・・・。

幸運なことに、「仕事はそのままでも移住できる」という状況になっていたのです。

リモートワークの普及も後押し

コロナがなかなか収束しないことも、決断を後押しすることになりました。移住を決断した2020年の秋は、感染状況も一時的に落ち着いてはいましたが、ワクチン接種の目途はたたず、簡単には収束しないことはあきらかでした。少なくとも、あと1~2年はコロナに振り回されることが予想されました。

仮に予想に反してコロナが短期で収束したとしても、リモートワークが後戻りすることは考えにくい、という読みもありました。

リモートワークでできる仕事とできない仕事はあるものの、意外なほど多くのことをリモートワークで済ませられることに、多くのビジネスパーソンが気づきました。だから、仮にコロナが収束しても、対面の機会は増えても、リモートワークが廃れることはない。人は便利なものを手放そうとはしないだろう。そう考えました。

それから1年近く経ちましたが、コロナは収束するどころか、また拡大傾向にあります。リモートワークも、どんどん普及しています。

感染リスクが低い場所へ

また、東京はコロナと共存するには人口が多すぎます。コロナ禍でも満員電車は相変わらずですし、どこに行っても人があふれています。

どれだけコロナに感染しないように気をつけても、部屋から出れば完全には防げない。生活するだけでナーバスになってしまいます。

娘も幼稚園にあがって、集団生活をすることになれば、コロナ感染のリスクが一気に高まります。制限されることも多いでしょう。

もちろん、どこに住んでもコロナからは逃げられませんが、できることなら感染のリスクがもう少し低い場所で生活させてあげたい、というのも素直な気持ちでした。その結果として選んだのが札幌です。

このように、もともと仕事の自由度が高いということも移住の決め手となりましたが、「コロナ」がそれを後押ししたといえます。

次回は、北海道移住を決めた3つめの理由についてお伝えします。そこには温泉好きならではのこだわりがありました。







いいなと思ったら応援しよう!

高橋一喜|温泉ライター
サポートいただけたら大変ありがたいです。サポートは温泉めぐりの資金とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

この記事が参加している募集