記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

Netflix「THE BOYFRIEND」を観た

以下全部ネタバレなので観た人だけ読んでください!

マジ一個人の見解です。




作中ではシュンくんの成長にフォーカスが当たりがちだったしどうしてもそういうふうに見えていたけれど、実はシュンくん以上に、ダイくんの成長(変化)にとってシュンくんが必要だったのだと思う。もちろん最初にシュンくんを必要としたのはダイくんだったし。

ダイくんはシュンくんよりもずっと器用で社交的だけれど、でも同時に、器用じゃない。自分の考えがあるからこそ人と衝突もするし、けっこう短気だ。そもそもイクオ氏が来るまでは最年少だったのだし、ダイくんがいつでも完璧な振る舞いをする必要はないと思う。

初日から場の空気を盛り上げようと明るく振る舞い、円滑な進行のために立ち回っていたダイくんが一瞬で惹かれたのが、自分と正反対な"陰"の雰囲気を持つシュンくんだった。シュンくんはその複雑な生い立ちもあり心が不安定で、たびたびダイくんやメンバーを振り回し、一見"困った子"というふうにも見られてしまう。

でも、シュンくんには他の人には真似できないすごいところもある。自分に絶対的な自信があり、誰にもなびかず自分の感じ方を貫き通すところだ。だからこそ、ある場面では子どものように見えるシュンくんが、違う場面では誰よりも強く逞しく見える。

これは私の憶測でしかないけれど、ダイくんにとってシュンくんは、正反対に見えても、実は"もう一人の自分"だったんじゃないだろうか。本当は正義感が強くて自分の考えがしっかりとあるのに、場の空気を読んで、なあなあなノリにも乗れてしまうダイくん。シュンくんは、ダイくん一人の力ではなれない、ダイくんの「本当はこうありたい」を埋める存在だったんじゃないだろうか。

ダイくんは終盤で、普段から遊んでいる友達のようにノリの合うイクオ氏から、恋愛感情を告白される。シュンくんのわがままさに嫌気が差していた視聴者の中には、「イクオ氏に行け!幸せにしてもらえるぞ!」と思う人も少なくなかったんじゃないだろうか(そんな感じのツイートをいくつか見た)。でも、ダイくんはそれを選ばなかった。

確かにイクオ氏といれば楽だし、喧嘩もしないし、苦しまなかっただろう。でもそれは、その時のダイくんの本当の幸せではなかった。ダイくんはシュンくんに出会って、すでに変わろうとしつつあった。今まで避けていたものに向き合って、今までとは違う自分になろうとしつつあったのだ。

その証拠に、撮影から約1年が経とうとしている今のダイくんは、シュンくんとずっと一緒にいて、髪を伸ばして柔らかい雰囲気になっている。表情も喋り方もふわふわとしていて、ザ・陽キャの遊び人だったボーイフレンド本編のダイくんとはまるで別人だ。これから一緒にい続ければきっと、顔立ちも変わっていくだろう。

確か作中でMCから「自分を消してまで相手に合わせるなんて…」といった言葉が出たと思うけれど、撮影中よりもうんと「自分」が消えた今のダイくんを見て、誰が無理をしていると思うだろうか。ダイくんは「自分を消した」のではなく、「新しい自分」になったのだ。ダイくんが絶対に陽キャでチャラくて器用な遊び人のダイでい続ける必要なんて、どこにもなかった。確かにそれはダイくん自身でありダイくんの一面・一部だけれど、でもきっと、中井大の全てじゃない。

ダイくんとシュンくんを見ていると、プラトンの『饗宴』に出てくる、「大昔、人間は二人で一人だった」という話を思い起こす。どんな時も、まるで磁石のNとSが引き合うように体のどこかをくっつけているダイくんとシュンくんは、まるで自分の足りないもう半分を捕まえて、完全な姿に戻ろうとしているかのようだ。ちなみに『饗宴』では、「男男、女女、男女」の組み合わせが挙げられている。(親指を立てる絵文字)

ダイくんとシュンくんを見ていると、「人は人と生きていく」というシンプルな真理が確かなものとして実感できて、自然と涙が出てくる。ゲンセイ推しなんだけど。

ゲンちゃんかわいすぎるね。ちいちゃくてまっしろやね。まるめて、こねて、頭から食べます。いただきます。

他のメンバーの話もすると、ゲンちゃんにとってリョウタくんはミューズだったんじゃないだろうか。そしてリョウタくんやユーサクさんにとって、カズトくんは受け入れてくれて安心させてくれる人だった気がする。この組み合わせは、一方がもう一方からテイクして「好き」と思うばかりで、自分がその人にとって唯一無二のギバーになろうとはしなかったし、なれなかった。だから結ばれなかったんじゃないかなと思う。

モテモテのカズトくんが、恋愛感情まではいかずとも特別な好意を持てて、素を出して付き合えたのがアランくんだった。アランくんは、持ち前のサービス精神でカズトくんにいろいろな楽しみや癒しをギブした。だからカズトくんは安心できたんじゃないかな。何でもできて頼れるしっかり者という印象のあるカズトくんが、アランくんと一緒にいる時だけ、どこにでもいる普通の男の子に見えたから。

つくづく、人と人とが一緒に生きるって難しいなと思うし、同時に、それによって得るものはものすごく大きいなと思う。ダイくんとシュンくんの出会いは本当に奇跡。ここで出会わないと絶対に人生で交わらなかっただろうし、もし交わって恋に発展したとしても、親代わりのようなGreen Roomのメンバーたちがいなかったら、衝突を乗り越えられなかっただろう。

以下、個人的THE BOYFRIENDイメソン。

SUPER EIGHT「ひとりにしないよ」
10話分一気見した直後に聴きたくなって聴いた。特にテホンさんの顔が思い浮かぶ。

平井堅「僕の心をつくってよ」
ダイくんの「この人になら傷つけられてもいいかもしれない」という言葉から連想して聴いて、ダイくんやん……となった。

SEKAI NO OWARI「プレゼント」
前日に『インサイド・ヘッド2』を観たので聴いたら、シュンくんやん……となった。


9人の未来にドデカい幸あれ!

アランくんみたいな友達ほしーい!!


いいなと思ったら応援しよう!