「今井さん、寄付先を探しているのですが、紹介してもらえませんか?」と言われ、僕は寄付する人とNPOをつなぐ。そして、人は寄付をつないでいく。
ジャンルを選んで寄付するsolioの代表の今井です。
「今井さん、寄付先を探しているのですが、紹介してもらえませんか?」
と言われることがsolioを始めてから増えました。仕事柄、僕が代表を務める認定NPO法人D×Pに寄付を検討している方でも「少しニーズが違うかも」と思って他のNPOを紹介することも多かったので、こういったことを言われると嬉しい。
僕のところには数十万から数千万単位で寄付したいと言ってくださる方がこれまで相談していただいていて、ひとつひとつ寄付したいニーズに合うように寄付先になる財団やNPOにつなげてきた。無理に寄付してもらうというよりも、より自然に、その人が寄付できるようにと思って。そういったことが、寄付が面白いと思うきっかけや満足にもつながると僕は思っている。
神戸にきてから思うのは、かなり個人の資産家の方でも「寄付したいけれど、寄付をこれまでしてこなかった」という方が多いということだった。コロナの状況下で僕はD×Pもsolioを通して様々な方にお会いするが、ある高齢者の方がこんなことを話していた。
「これまで、寄付の話もあったのですが、だまされているんじゃないか、と思って寄付したことがなかったんです。でも、やっぱり自分では行動できない、自分が支援の現場で何かできるわけでもないと思ったので、そういったときに少しでも寄付したいと思ったんです。それで、信用できる方にお願いして寄付先を探していました」
なるほど、そういった心配もありますよね、と僕は応えつつ、でもこの方とNPO関係者はお会いすることはなかったのだろうか、と考える。この方のように寄付しない、という選択を取られている方も多いのだろう、と。実際にそれ以外の方でも「寄付したい」とおっしゃる方からの相談も僕のところには増えてきており、地域には多くのつながっていない「寄付したいけれど、寄付していない方」が多いのだろう、と改めて思った(実際に、ツイッター上でのアンケートを行った時も明らかだった)。
このNPOと「寄付したいけれど、寄付していない方」の距離感はなんだろう。潜在的には寄付したい、と思う人は今よりもはるかに多いと思っている。しかし、NPO側も様々な地域にいる「寄付したいけれど、寄付していない方」にはリーチしないし、会ってもきっとお願いしていないのだろう、と推測している。
solioはそういった方のかけはしにもこれからなっていきたいと思っている。「solioさんが選んでいる団体さんだったら、寄付しやすいですね」と言われたことがあるし、「寄付したいけれど、寄付していない方」がサラッと寄付できるような環境へ。
先日、そんな話を三井住友銀行さんとロフトワークさん主催のイベントで話していたら、 #ソーシャルポートフォリオ を作って寄付してくださる方はまた増えました。
何人かの方がソーシャルポートフォリオを作って寄付してくれてツイートしてくれた結果、それを見て寄付してくれた方がまた加わった。
solioを見ていていつも思うのは、ツイートする→寄付してくれる人がまた増える、という寄付の連鎖が起きていることだ。「自分も何かできないか」ということがSNS上で広まる、そして寄付だけではなく、他の人も寄付を始めるきっかけをつくっている、それがソーシャルポートフォリオの公開の醍醐味だと思っている。
仮に月500円からであったとしても、ツイートやfacebookでシェアすることで「これだったら自分も寄付できるかもしれない」と寄付をする人をつなげることができる。「寄付したいけれど、寄付していない方」が実際に寄付ができるようになっていく瞬間も見てきたし、寄付の連鎖って最高だな、と。
そんなポートフォリオ、ぜひ始めてみてね。