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リリースまで28ヶ月、家入さんに呼び出されたあの日からの記録

 株式会社SOLIO代表の今井です。ソーシャルポートフォリオの反応がすごくて、驚きました。寄付していただいた皆さま、本当にありがとうございます!


 「寄付が集めづらい」という言葉を何度も何度も何度も何度も何度もいろんなNPOから聞いてきました。そして、寄付したいと思ってる人に話を聞いていると「どこに寄付したらいいのかわからない」と答える人が一定数いることがわかってきて、なんとかしたいと思うようになってから2年。solioでジャンルを選んでカジュアルに寄付できるように、と思ったサービスがようやく立ち上げることができて、素直に嬉しく思っています。

 しかし、ここまで紆余曲折がありました。ここではこれまで語れてこなかった会社設立に到るまでと、そこからなかなかサービス立ち上げにいかなかったことなど書いていこうと思います。

・solioという名前の由来

・資金が底を突く

・週1で会社を運営

・リリースを前に

solioという名前の由来

「寄付をポートフォリオ化することとかできないかな。試作をエンジニアのたかしっていう子がつくってくれていて、紹介したい」

 2018年7月20日、僕はキャンプファイヤーの家入一真さんとエンジニアで中川峰志(以下、たかしと呼ぶ)を紹介されて表参道か外苑前のイタリアンで話していた記憶があります。

「今井さんだったら面白いと思ってくれるかもと思って」

と家入さんが言っていました。

「お、いきまっせ」

とメッセで送り、僕は大阪から新幹線に乗って東京へ。

 僕は普段は認定NPO法人D×Pという10代の不登校のセーフティネットづくりをしているNPOの代表をしているのですが、お互いに引きこもり経験が多かったせいか、家入さんとは会う機会がこれまでも多かったので「よっしゃいこう」と思ってフットワーク軽くいきました。

 そして、その時に確かドミニクチェンさんや中島真さんともお会いしてゆっくり話していたんですが、会食の途中でたかしが試作版のモックを見せてくれた。

「これ、めっちゃいいですね。これだったら、いろんなNPOが寄付を集めやすくなるし、NPOが自分たちのビジョンや支援したいことに注力できるようなサービスになるかもしれない」

と話した記憶が(定かではないが、すごい!と話していた記憶があります)。

 というのが、D×Pの収入の7割が寄付で成り立っていてNPOで全国的にもそれでスタッフを雇用して「ユキサキチャット」や定時制高校での居場所事業「いごこちカフェ」など運営していたが、寄付で成り立つNPOは全国5万のNPOのうち一握りなのです、今でも。そして、寄付が収入の5割を越えているNPOは百団体ぐらいしかないだろうと思います。

 しかし、寄付があることで市場がない、国が支援できていない、仕組みをつくれていない事業をNPOは作れるし、様々な社会課題に対応していける。その可能性があるかもしれない。だからこそ、solioには価値がある、寄付を集めづらくても社会課題や価値を発揮しているNPOはたくさんあるから、そのNPOが現場に集中できる環境を作りたい。その想いが強くなりました。

 そして、2軒目では桂大介さんにも初めて会った。たかしとも桂さんともこの時は初対面。solioのサービスを一緒にやることになるとは思っていなかったが、大いに寄付の話で盛り上がった夜でした。

 解散後に、メッセグループをつくった。そのときに

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 家入さんとたかしの会話の中でsolioというサービス名が決まりました。

 ちなみになぜ僕が会社の代表になったかのやりとりは覚えていないのですが、なんとなく「今井さんがやることに意義があるんじゃない?」みたいに言われたような。

 そうすることで、NPOの代表をやりつつ、初めて株式会社を作りました。

 右も左もわからないままだったんですが、自分も資本を入れて資本金120万円で最初は設立しました。資本金入れるってどんな手続きですればいいんやろ、灯っていましたが、あっさりできました。

 しかしです、ここから僕の見立ての甘さがめちゃくちゃ出てくるのです。

資金が底をつく

 設立当初は2019年3月ごろにはサービスローンチ予定でした。

 非営利団体向けの事前登録も開始したのが2019年の1月だったため、そのためにたかしと僕は週一の会議で動き出していました。

 エンジニアの方も業務委託でお願いしていましたが、なかなかこのときが難しく、僕の見立てが甘かったのだが、業務が追加追加ですることが多く完成前に資金が底をついてしまいました。

 また、自分のヘルニアによる体調不良もあって、体を壊しがちになり、2〜3ヶ月ぐらい会議ができなかったときもあったと思います。何よりもNPOで登録していただいた皆様に遅れてしまって申し訳ない想いがありました。

 そのため、もう一度出資をお願いしようと思い、桂さんや家入さんと相談して秋頃までに資金を集めました。また、僕が開発領域に詳しくないため桂さんには取締役として入ってもらい秋頃から開発を再開していきました。止まっていた開発がもう一度動き出していきました。

週1で会社を運営

 ここからはゆっくりですが、毎週進捗を確認しながらサービス運営に向けて動き始めました。

 役員は無給ながら、リリースしてそのあとにNPO側のためにもしていくことは何なのか、「どこに寄付したらいいのかわからない」人が使いやすいためのUIをどのようにしていくのか。たかしや手伝ってくれていたデザイナーの前平さんと一緒になって考えて週1で集まり、作っていきました。

 全員本業がありながらも動いてきたのはSOLIOのようなサービスで寄付を集めやすい大規模なNPOだけではなく、現場が上手くいきながらも寄付集めが苦手なNPOの力になり、様々な社会課題の解決をしやすい社会を作っていけると思っていたからだと思います。

リリースを前に

 リリース前まで書ききれないぐらい課題が山積みだったんですが、11月になってようやくリリースに目処が立ちました。

 「このUIいいねー、最高」

 「あ、でも、これ動かないね、ここ修正しないと」

 「はい、修正します!」

 とオンラインで話す。持ち帰って作業。リリース前にはFRaUさんから取材があったり、はじめてのサービスリリース、桂さんやたかし、前平さんにとっては慣れたことなのかもしれないですが、2週間ぐらい前からなぜか緊張していました。

 「何か不具合でもあるかもしれない」

 「リリースがまたできなかったら、どうしようか」  

 と思っていましたが、ついにリリースの日の11月25日の昼。みんなで集まり、「13時にリリースするぞ」と話して、直前まで作業。なぜかそのときから異様な高揚感、言葉が出ないけれど、心臓バクバクな状態になり、13時に手が震えながら、本当に手が震えながらツイートしました。

 「やった!!!」

 「リリースしたぞ!!!!」

 4人で喜び合って、リリース。

 あ、やっとリリースできた。

 ホッとする心と高揚感が入り混じって、まるで部活動の最終試合みたいの感慨深さみたいなものを持ってました(終わったわけじゃない)。

 そこから、

 100人を超える人がnoteのリリースなどをツイートしてれたり、リリースから1週間以上経っても、毎日のように誰かがソーシャルポートフォリオで寄付を始めています。

 solioはまだまだ始まったばかりですが、寄付をカジュアルに、自分の課題に合わせて寄付できるようにしていきます。

 ぜひ始めてみてください。寄付することは社会をつくること、それを一緒にできたら、嬉しいです。

 最後に株式会社SOLIOのステートメントを載せておきます。これは会社を作る前から、メッセンジャーでやりとりしていたときに作っていた言葉で、僕の体験を元に言葉にしてみました。

 社会を作る側になるのは、誰でもなれると思っています。日々の生活から、それはきっとできるはず、と想いを込めて。

SOLIOステートメント
社会を作る側になれ

寄付なんて集まらない。日本では寄付なんて集められない。そんな言葉をたくさん聞いてきた。現実を見ろ、NPOなんて経営はできない。
でも、違う。NPOでも少数だが、寄付を集めてきた人たちがいる。
それを原資に行政や企業ができないサービスを展開し、社会的にも困難な状況に陥っていたり誰もがやらないような課題解決を志を持って動いてきた。
それをどの分野のNPOでもできるようにして、社会をよりよくしよう。
寄付は誰もできないことを可能にする資本になる。それをすることで
今まで対象にできなかった課題を解決することができる。
寄付は僕たちが望む社会を作る。社会を作る側になれ。

MAKE SOCIETY BETTER

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