寄付の人気3位ジャンルは人権保護、2位は出産・子育て支援、1位は・・・
代表の今井です。solioをリリースしてからまだ1ヶ月経っていませんが、ソーシャルポートフォリオはSNSでたくさんツイートされました。こんなに嬉しいことはありません、本当にありがとうございます!
ツイッターで #ソーシャルポートフォリオ とハッシュタグを探すと、ひとりひとり何に関心があって寄付してるのかというのが見えてきます。僕が嬉しかったのは、NPOの代表9年やっていて「寄付しました」ということをSNSで個人が書くことは大きな金額をするときぐらいしかありませんでした。もしくはNPOのマンスリーサポーターになった時に書くぐらいですが、それもデータをとったわけではありませんが、感覚値1割以下でした。
しかし、solioを通じてソーシャルポートフォリオを組むときのはユーザーの約5割はSNSで書いており、寄付をしたことが気軽に表明できるサービスになったのだと思っています。これはsolioが起こした大きな変化だと思っていて、「寄付をしました」という表明はこれまで芸能人や有名な起業家の人が大きな金額を寄付した時にニュースで流れるものだったのに対して、solioは個人が「寄付をしました」という意思表明をしやすくしたのだと思っています。変化を起こしつつあるという実感がここにあります。
人気ジャンルは何か
ただ、僕が気になっていたのは「ジャンルによる隔たりがどれぐらいあるか」ということでした。できる限り様々なNPOの支援ができないかと思って創業しているので、調べてみました。
solioで寄付金額が大きいランキングは以下になります。
3位 人権保護
2位 出産・子育て支援
さて、1位になっているのは、、、
子どもの教育でした。
やはりジャンルによる隔たりはあります。対して、寄付の集まりが悪いジャンルは以下になります。
「子どもの教育」と「保険・医療増進」はこれを書いている12月18日時点で10倍以上の寄付の差があるので、大きいです。これだけ差が大きいのはコロナの状況下でより報道で国内の弱い立場の人がより孤立化していることが顕在化して危機意識が高まったことにより、教育や人権などに関心が向かったのではないかと推測されます。
赤十字社が出したこちらの調査では
日本国内の新型コロナウイルス感染症対策に寄付や募金をする」と回答したのは47.8%と、新型コロナウイルス感染症対策における海外への寄付による支援意向は国内と比較するとはるかに低く、海外より国内の支援が優先されることが判明。
国内において、寄付や募金(義援金を含む)による支援が必要だと思うテーマについて、77.2%が「自然災害と復興」、48.2%が「子ども支援」、32.8%が「貧困対策」と回答しました。
と記述されており、このうち支援が必要だと思うテーマの「自然災害と復興」はジャンルとしてではなく、コロナ禍の意味合いでは医療に、そして直接的に医療従事者のクラウドファンディングや病院への寄付に流れているのではないかと思っています。solioの医療保険はガン治療などの支援やインドの福祉の認定NPOに寄付されるようになっているのも影響しているでしょう。
ただ、気になっているのは集まっていないジャンルの「社会教育推進」や「就職・雇用支援」に関しては子どもや若者が現在直接的に打撃を受けているにも関わらず、あまり寄付が集まっていません。NPOの事業分野で「社会教育推進」はよく知られていますが、一般的には馴染みが深くないからかもしれません。また、「就職・雇用支援」は自ら責任を持ってやるものとして思われているかもしれません。
solioはジャンルによる隔たりは変えていきたい
創業当初から思っているのは、私たちはジャンルによる寄付の隔たりをできる限り減らしたいと思っています。
僕は昔から様々な課題に関心があります。というよりも、自分が関わっていない社会課題なんてないと思っています。今回のコロナの危機は人類が環境問題を放置しておきたかもしれません。子どもの貧困問題は将来的に自分たちの社会の弱体化を招き、僕らが年齢が上がった時に税収が下がり、大きな影響をもたらすかもしれません。社会教育でジェンダーや多様性を学ぶ環境を作ることができなければ、他国と競争力を失うかもしれません。
これらは国側が解決できていない問題です。ただ、その中でNPOは小さい規模ながらも着実に自分たちのビジョンに向かって課題解決して、場合によっては小規模のNPOが社会の政策を変えていける力があります。
もちろん、関心はひとりひとり違います。ただ、それで本当に良いのだろうか?といつも問うています。時代やメディアの影響で関心度合いなど変わってきますが、本来は満遍なく様々なジャンルのNPOが活躍できるようにしていきたいと。
solioの中の人である桂さんが寄付決済サービスのsyncableで「ランダム・ポートフォリオ」というソーシャルポートフォリオの前身のようなものをつくり、その中で以下のことを話しています。
少なくとも今わかっているのは、僕らが目にし、共感し、感動したものに寄付を投じている限り、偏りは解消されないであろうということです。墨子が兼愛を説き、ニーチェが遠人愛を語ったように、僕らはもっともっとずっとずっと遠いものへ、遠くの方へ向かっていきませんか。身近でないもの、知らないもの、共感がまだ生起していない場所にアクセスしてみませんか。
共感や感動を否定しているわけでは全くありません。しかし、共感や感動以外の視点も持つことも私たちは必要なのではないか、と思ってます。
さて、次のnoteではsolioのこれからについても書きたいですね。お読みいただき、ありがとうございました。