「寄付は古いやり方」という時代から寄付が民主化し始めて、その次には何が起こっていくのだろうかと朝から考えた。
ジャンルを選んで寄付するsolioの代表の今井です。先日、solioが運営する寄付者さんのコミュニティーsolio club内である対談を行いました。
solioの寄付先である特定非営利活動法人夢職人の代表の岩切さんとお話しさせてもらっていました。創業2004年の岩切さんと話している中で、自分の中でひとつ気づきがあったのですが、
「創業したあたりの2004年は、寄付ってすごい古いやり方だよね、という認識があった。そして、周りからもすごくそう言われた」
「寄付というものは赤い羽根さんなど大きいところがやるものであった」
と。夢職人さんはコロナの状況下で寄付を前年比の4倍以上をいただくNPOになっていますが(助成金を含めたら10倍)、この話から思い出したことがありました。
2012年あたりに創業して様々な起業家のコンペに出て「寄付を集めていく」ということを話した時にかなり懐疑的な目で見られることが審査員から多かったのです。
「助成金を使い尽くした後は?」「寄付金に頼ろうとしているなんて」
みたいな言葉が多々をいただき、僕からすると「寄付が集まるようにこれからなっていくと思うのだけど」と思いつつ審査員やフィードバックに反論などしていた記憶あります。そこから僕が代表を務める認定NPO法人D×Pは2015年には寄付収入が収支の5割を超えて10代の孤立を解決するために動いてきましたが、そもそも僕の感覚としては「寄付が古いやり方」とは一度も考えたことがなかったのです。
時代を振り返ってみると、2000年代がなぜ「寄付が古いやり方」と言われていたのかというと、事業型の社会起業家やソーシャルビジネスが注目されてきたということやNPOは「ボランティアではない」という起業家マインドが広がってきたということがあったと思います。また、寄付に関しては小さなNPOだと集めづらかったという環境も大きかったと思います。
しかし、状況が変わってきたのは東日本大震災。それ以降から個人の寄付も増加してきています。このあたりからクラウドファンディングなど含めてネット上からの寄付がしやすくなったことも背景として影響してきたと思います。マンスリーサポーターという月額寄付も口座振替という字で書いて郵便送付することからネット上で月額寄付できる環境も生まれてきました。
それによって、寄付という集団は大きな非営利組織から小さな非営利組織、つまりNPOや財団法人などあらゆる規模のNPOが集められるようになったのです。
僕はその変化の時期に起業しいたたため「寄付が古いやり方」という認識が一切なく、「寄付がこれから様々な組織に広がっていくだろう」と思っていたのだと思います。
そういう意味でいうと、2010年代は寄付の民主化が始まった時代であり、2020年代はどういう時代になるのだろうか、と思いにふけっています。寄付がもっと当たり前の時代になりえるのでは、と。政府や企業が社会課題に対応できない、もしくは放置していたことが大きな課題になってきてNPOや市民、アクティビストが行動を起こす。そのために必要な原資である寄付は、社会を変えていく資本。それがもっとこの2020年代は広がっていくのではないか、と思っています。
そんなことを考える朝でした。
最近、毎日のように寄付が広がってきています。ぜひ今日も始めてみてください。
あと、自分はポートフォリオ組み替えました。
それではごきげんよう。
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