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スマホ盗難、危機一髪、目の前で取り戻す 

そこは普段ボランティアで週一で通ってる現代美術館であった。

今年は難民で逃れてきて生活を半年から数年しているうちの4人が、市役所から美術館に送られてきていた。そのうちの一人が新しく同僚になった女性J。難民の移民化作戦の一部であろう。まだ私たちのグループに配属して一ヶ月とちょっと。

Jは小さなミーティングをするカンティーンに遅れて登場。(いつもらしい)もう働く時間に間もないのに、来たばかりの格好で大きなバッグを抱えていた。みんなお揃いのシャツも着ていない。

彼女の登場二分後くらい。気づくと私のスマホ、アイフォンがない。先ほどまでセキュリティの同僚の結婚式を見るために回していたが、一度私に戻ってきていた。

彼女が一瞬私が腰を浮かせた席に奪うように座ったので、どう見ても私のスマホを移動させたとしたら彼女であった。

聞くと、知らない。もう少し聞くと、自分のバッグを開けて、二つのスマホを取り出した。どちらも私には見覚えのない黒くて汚そうなスマホだった。

バッグを置いてこないとと言って、彼女が席を立とうとするのが、まるで逃げるかのようだったので、これは、と思い、他の同僚の電話で私の携帯を鳴らすと、

なんとなんと、やはりというか大きな音が、彼女のバッグから聞こえてきたではないか!

やはり、

でもここは何も言わず彼女の横に立つと、またバッグを開けた彼女が、ごめんなさい。なんでだろうと……。どう見てもあなたが!

この時会議は7人くらいいたし、そのほかにも人はいた。カンティーンの中には10人ほどいた。
目の前の状況に誰も彼もが黙り込む。

難民の市民化、美術館てふさわしい場所なのか? 

同じ難民でも美術館の職員にまでもなった人たちと違う頭の人たちがこうもたくさん入ってくる時代になった。

微妙。

彼女には同じ外国人として初めから優しく振る舞ってきたが(!)、中型犬と一緒でまた、舐められて、噛まれたのである。(実にこの二年間、本当に犬に2回も噛まれた私。一匹は散歩を一緒に何度かしたことのある犬)

やはり、写真の仕事も忙しくなりつつあるし、そろそろボランティアを辞める潮時なのだろうか?

とりあえず、悩む。



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